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ここではない何処かへ帰りたくなる話。


家に居ても、「あぁ、帰りたい」と思うことがある。
今私はちゃんと部屋にいるのに。じゃあ実家にでも帰りたいのか? それも違う。
恐らくは、元カレと同棲していたあの部屋に帰りたいのだ。若しくは、今抱えている不安や苦しみから解放される場所へ行きたい。

あの頃の私は無職としての期間の方が長く、貯金がなくなっていく恐怖や社会に居場所がない焦燥感にはずっと悩まされてはいたものの、とても自由に生きていた。
好きな時間に寝て好きな時間に起き、自由気ままに映画を観たりゲームをして、人恋しくなれば元カレの部屋に行って肌を求めた。
社会人としてはあるまじき姿だが、会社に勤めていた頃に比べたら随分と人間らしかった気がする。ただ、前述にもある通りお金の問題もあるし負の感情を抱くことも多く、ずっと無職でいるのもそれはそれで辛いものがあるので中々難しい。

そして私はどの道、希死念慮からは逃れられなかった。
生きている間はずっと死にたいんだろう。

明日からまた仕事が始まる。日曜日の夜、月曜日の朝はいつだって憂鬱だ。
心臓がバクバクして頭には黒い靄がかかり、いっそのこと死にたいって何度も思う。
いつまで続くんだろうね。いつまで続けなければならないんだろう。この環境から逃げだしたい。だから私は思うんだろうか、ここじゃない何処かへ帰りたい。何処かへ行きたいって。


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