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なくても困らないけどあると日々が豊かになる文章

これは今後、私が書いていきたいと思う文章である。

過去から現在に至るまで、note以外でも書く場をいくつか持ってきた。趣味として無料で書いてきたものもあれば、仕事として有料で書いてきたものもある。紙媒体・Web媒体・エッセイやコラム・SEO記事などひとくちに「文章」といっても、その種類はさまざまだ。

幅広く書いてきて今の私が思っていることは「なくても困らないけどあると日々が豊かになる文章」を今後はたくさん書いていきたい、ということだ。

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最近、村上春樹のエッセイ集『村上ラヂオ』シリーズにはまっている。

作者が作者だけに「お堅い内容なのかしら」と思われそうだが、このシリーズは雑誌ananに掲載されたショートエッセイを一冊の本に仕立てたもので、驚くほどポップな内容。文体もラフだし、内容もおもしろすぎて思わずブッと吹き出すことも。

この本を手に取ってから、生活が豊かになった。

子どもがお膝で昼寝しているときも読みたいし、寝る前にも読みたいし、とにかく暇さえあれば読みたい。それくらいこの本が持つユニークな世界に飛び込みたくなる。

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最近はまっているものといえば、ドラマ『アンメット』もある。

交通事故で過去2年間の記憶がなく翌日には前日の記憶が消えているという、脳外科医の話。先日最終回を迎えてしまったが、内容が本当におもしろくて放送時間(うちにはテレビがないから携帯アプリ配信)が待ち遠しくて仕方なかった。

このドラマが放送されている期間、生活が豊かだった。

キャストの1人である若葉竜也さんが魅力的すぎて、彼がこれまで関わってきた作品やインタビューについてもたくさん調べた(つまり大ファンになっちゃったってことですね)。どちらかというと女優に目がなくなることが多い私だったため、男優にここまで興味を持つのは初めての体験。

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庭で咲き始めた真紅のなでしこ。ユーカリも添えて。

村上春樹のエッセイ集も、若葉竜也さんが出演しているドラマも、どちらも知らないまま生活することはできたと思う。知らなかったら知らなかったで、ただ時間が過ぎていっただけ。

でもこれらに出会えたことで、日々はとてつもなくワクワクするものになった。

そういえば高校受験のときタイミング悪く、宮部みゆきの『ブレイブストーリー』にはまってしまったことがある。中学生が読むには文字数が多い本だった。でも楽しくて仕方がなくて、私の心は受験勉強どころではなかった。暗記物に最適な夜のゴールデンタイムを、まさかの読書時間にあてるという。結果はご想像のとおり、第一希望の公立校、撃沈(笑)。

これまで認識していなかっただけで、この手のエピソードはごまんとある。今まで気が付かなかったけど、私は意外と「大衆的な文化娯楽」に熱中しやすいらしい。

好きという感情を超えて、もはや「支え」になっている感覚。大変なことや辛いことをシリアスに捉えすぎないためのストッパーの役割になっているし、これがあるからもうちょっとがんばろうと思える。

せっかく文章を書いているのであれば「なくても困らないけどあると生活が豊かになる」ものを創作していきたい。私がこれまであらゆる作品に支えてもらったように。

そのとき必要なことに必要な分だけ、ありがたく使わせていただきます。