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新卒で入社した会社を10ヶ月で辞めた話#2 配属編

入社してから半年が経過して僕は配属が決まった。僕は配属された支店は売り上げがかなり厳しい状況の場所だった。

私のいた会社はインフラ大手のグループ会社だが、実態は親会社から命令された保安業務と販売業務をこなしていく会社だ。会社名には親会社の名前があるが、元の姿は一族経営の別会社だ。親会社の資本がなければ会社は潰れてしまう為に立場はすごく弱い会社で、会社独自のサービスはほとんどなく言われた事をこなしていくような感じだった。

私は保安業務の仕事を覚える為に、2ヶ月程先輩社員と同行する事になった。僕の1つ上の先輩と同行する事が多く、少し気が楽だった。会話の内容はほとんどが会社の愚痴だった。やる気がなかった自分は仕事を覚えるのも遅かった。同じ支社に配属された女の子の同期は仕事覚えも早く、体育会系女子といった感じで元気いっぱいの子だった。その子はすぐに会社に馴染み、先輩社員にも気に入られている存在になっていった。

同期の女の子は上司からも気に入られ、いろんな業務を学ぶ為にいろんな社員と同行させていた。逆に僕に対しては経験の浅い若手社員とばかり同行させたり、誰でもできるような雑用ばかりさせられた。みるみる差はついていった。これはもちろん自己責任である。彼女は努力をしていたし、会社に馴染む為にいろんな社員とコミュニケーションをとっていた。僕は真逆の事していたし、それは仕方ないと思っていた。

そんな中会社の業績は落ちていった。毎週月曜日の朝礼で売上の結果が出るのだが、僕が入社してから売上目標を達成しているところを見た事がなかった。それどころか売上目標の8割に満たないこともザラにあった。それでも上の人間は具体的な解決案など全く考えてなかった。気合や根性でなんとかなると思っているような会社だからだ。僕は次第にこの会社にいても大丈夫なのかと思い始めた。

年末年始休みに入り、小学校時代からの親友3人と飯にいく事になった。就職してから初めて会うという事で話の話題は仕事の事だった。僕はここでも会社の愚痴ばかり言っていた。しかしみんなの話を聞いていくうちに自分が恥かしくなってきた。みんな誇りを持って仕事をしていたからだ。就活を真面目にやり大手企業で活躍してる親友、夢を叶えて消防士になった親友、試験に合格し柔道整復師になった親友、みんな大変だけどやりがいがあって充実していると話していた。愚痴ばかり言う自分と違い、自分の仕事に誇りを持っていた。この時僕は痛感した。目標に向かって頑張ってきた人間と、自堕落に適当に生きてきた人間には大きな差があるという事だ。この出来事で僕は転職を意識するようになる。

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