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【Baguio, Philippines】マラソン大会(ⅰ)

初めて・・・

海外で、マラソンレースに参加してきたよ。

あれはそう、午後のグループクラスが始まる前のことだった気がする。

「今、マラソン大会に向けて走り込んでいるんだ」

そう話したのは、先生一人に対して生徒5人という形式を取るグループクラスを受け持つ先生だった。

そして、それにいち早く反応したのはぼくだった。

「マラソン大会があるんですか?」、そう尋ねた。興味津々だった。


日本では、いくつかマラソン大会に参加したことがあったが、海外でもタイミングさえ合えば出場してみたいと思っていた。

そのチャンスが来た瞬間だった。

聞くところによると、種目は「ハーフマラソン(21km)」「10km」「5km」「3km」の4種あるといい、登録はバギオで一番大きいショッピングセンターであるSMモールで行っているとのことだった。

学校は土日以外、外出は禁止なので、その話を聞いた日から週末を待った。

週末になり、いち早くSMモールへ向かった。館内をとりあえず一周したが、それらしい登録所が見当たらない。

それなら・・・と、インフォメーションセンターへ行き「マラソンの登録ブースはどこか」と訊いてみる。これで登録できると思ったら、インフォメーションセンターのお姉さんも「ん?」みたいな顔をしているのだ。

「何でだよっ!」と突っ込みたくなるのをグッとこらえ、こういったマラソン大会がいついつ開かれるみたいで、その登録をしに来たんだけれども、とあの手この手で伝えようとする。その時のぼくの必死の顔といったら、見るに堪えなかっただろう。

ようやく向こうで話がまとまったようで、2階フロアの奥の所に登録ブースがあるとのことだったので、そこを目指すが、やはりない。

わけが分からなくなってきた。


さらに、あるシューズショップに入って尋ねてみると、やはり2階にあるとのことだった。

その後、改めて目を凝らして、隅々まで探していくと、ちょこんと一つの机とバナーが立っているブースを見つけた。バナーには「Heroes Run」とあった。


ここだ! やっと見つけた。話を聞いてみると、ビンゴだった。

しかし、来るのが遅かったのか、フィリピンのマラソン熱がすさまじいのかは分からなかったが、ぼくが着いた時点で「5km」「3km」しか残っていなかった。正直に言うと、一番距離の長い「ハーフマラソン」を走りたかったし、登録も簡単にできるだろうと思っていたのだが、いともたやすく破られてしまった。

「じゃあ、出るのはやめておこう」と、すぐにブースを離れた。

けれども、ここまで来て、しかも海外でマラソン大会に出れるチャンスがちょうどあるというだけでも奇跡的なのではないかと考え直した(わずか20mほど歩いただけで・・・笑)。

すぐさま登録ブースへ歩を進め、次の瞬間にはペンを握りしめて、申請用紙に必要事項を記入していた。

そして、マラソン大会当日ーー。

朝6時半にスタート地点である「バーナム・パーク」へ向かう。朝が早すぎるので、タクシーを拾うことにした。

しかし、やけに天気が怪しい・・・。というより、もはやポツリポツリと空から降ってきている具合だ。それに中止の場合、メールが来るらしいが来ていなかったこともあり出発することにしたのだった。

タクシーの運転手に料金を渡し、公園まで少し歩く。しかし、マラソン大会が行われるような気配、活気が全くと言っていいほど見られない。むしろ、シーンと静まり返った夜明け前だ。

詳しい集合場所を聞いておかなかったことを後悔しつつも、公園内を探索する。すると、こじんまりとしたテントが2張りあるのが見え、駆け足で近寄った。ぼくの格好を見て、スタッフの人が勘付いたのだろう、申し訳なさそうな顔ではにかみながら「今日、中止」と、ぼくに告げた。


「がーん!」

という感想しか出てこなかったが、成り行きを聞くと来週に延期になり、今日は完全にマラソン大会は行わないとのこと。

ということで、今日に合わせて用意してあったという朝食セットを一つもらい、帰路に着いた。

それでもまだ空は暗かった。

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中止になった日に、マラソン大会の実行委員長と撮った一枚

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