『機械人間 感覚の喪失』(1935)【この映画に注目!】
(※ヤバくて最高なシーンのネタバレを含むので(笑)、ご注意。♪)
「ロボット」の語源ともなったらしい本作。
1935年のソ連映画という事で、退屈するかな?と身構えてたんだけど、
コレが予想外なエンタメ度の高さ!思わぬ掘り出し物だったね。☆
政府・軍部という支配者階級と、労働者階級の対立図式。
冒頭は、『メトロポリス』や『モダン・タイムス』を彷彿とさせるシーン。
工場のラインでブッ倒れた作業者がモノの様に担ぎだされ、
「遅れる!遅れる!」とパニックになってる。
労働者階級出身のジム・リップル博士は、奴隷的な労働から人間を解放するため、
労働者のために“新しい友”となるロボット、万能機械「ミクロン」を完成させる。
このミクロン、ジムが吹く“ホイッスル”で命令を受けて動くのだ。
トコトコトコッ!と歩いてミシン掛けを器用にこなすミクロン。
実写版『鉄人28号』の26号や27号とかより、よっぽど優秀だよ?(笑)
でも村の労働者たちの態度は冷やか。自分達の仕事が無くなるもんね。
裏切り者扱いを受けて村を出るジム。
政府と軍部からヘッドハンティングされたジムは、
ミクロンの性能を上回るロボット「RUR(ルー)」を完成させる。
操作は、より複雑な命令を出せる“サックス”にグレードUP。
投げられた板をキャッチして砕き割る(!)など、正確で力強く、反応力もあり。
その後さらに繊細な操縦が可能となり、リモコンとして使われるのがなんと、
ロシアが誇る世界初の電子楽器、“テルミン”!
う~ん、何だか懐しいねぇ。♪
しかし、労働者の為だったその発明は、やがて国家に軍事利用されるのだった。
この後、ストライキを制圧するための兵器としてRUR軍団が出動し、
村中がドッカンボッカンの一大戦場と化してしまう。
ヒドイ話や…。☆
ハイライトは、やはり
「裏切り者…?―――裏切者だとぉ!?」
とオカしくなったジムが、サックスを吹きまくってRURの集団と踊りまくり、バカ騒ぎをやらかすトコ。(笑)
あと、RURが労働者のひとりをハグした時、操作ミスで…
―――バキボキボキッ! 「ぐえええええッ!!」
と、惨殺しちゃうシーン!☆
クライマックスで、RUR軍団に対抗するため、
労働者側のエンジニアであるロイが
同じくテルミンを作成し、電波で錯乱させ、洗脳乗っ取りに成功。
先導する装甲車の中から操作していた将校を引きずり出し、
RURたちに惨殺させる!それを冷やかに見つめるロイ。
…この辺りもスゴい。
「リップル氏に幸あれ!国民に幸あれ!」
―――さあ、ジムの行く末を皆で見守ろうぜ!!☆
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