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#92 エマーソンの思想と賢治 その2【宮沢賢治とエミリィ・ディキンスン その30】

(続き)

○  エマーソンの思想と賢治 その2

エマーソンは、汎神論的な考え方に立ち、自身の中に神と同様の力を潜在的に持つ人間それぞれの存在こそが重要であると考え、人間が「本来の自分自身」を回復し、信頼することにより、大きな能力を発揮することができると考えます。

これは、祈る事によって救われようとする、当時のキリスト教的な思想とは異なったため、従来の信仰を持つ人々からの反発を受けました。
一方で、従来のキリスト教の教えに疑問を持っていた人々から支持を受けました。

そして、このような「他力本願」的ではなく「自分自身を信じる」という思想が、以前に紹介したような「自己啓発本」につながる要素を持っています。


また、自分自身が持つ本来の力を発見する過程では、瞑想や霊的な体験も重視され、エマーソン自身、そのような神秘的な経験をしていたと思われることから、エマーソンの思想は神秘主義的な雰囲気を持ったものとなっています。

(続く)

2023(令和5)年10月31日(火)

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