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#161 日光の摩多羅神【宮沢賢治とシャーマンと山 その34】

(続き)

不思議な神、摩多羅神の跡を探すと、東北から南へ下った日光へ辿り着く。

日光にある輪王寺は、毛越寺と同じ天台宗系の寺で、毛越寺同様に常行堂があり、その後戸に摩多羅神が秘仏として祀られている。そう言えば、こちらの摩多羅神は、御開帳の話を聞いたことがないが、永遠に秘仏なのだろうか?

「日光の寺」と言うと、少し不思議な感じもする。

日光の東照宮には徳川家康が祀られている。仏ではなく、家康が信仰対象となった聖地だ。しかし、家康以前には天台宗系の修験道の一大聖地でもあり、その仏と、神となった家康が並び立っている。

日光の徳川幕府の聖地化に大きく関わったのは、戦国時代~江戸初期にかけての天台宗の僧・天海、そして、そもそも日光に寺を開いたのは、時代を大きく遡り、奈良時代から平安初期にかけての山岳修行の僧・勝道上人と言われる。開山以降、日光は、日光修験と呼ばれる修験道の聖地でもあった。

また、東照宮、輪王寺と並んで、二荒山神社も位置しており、日光は信仰の一大聖地の様相を呈している。

そして、日光の信仰のルーツとも言える奥日光の男体山の山頂には、二荒山神社の奥宮がある。

【写真は、日光輪王寺・常行堂の解説板】

(続く)

2024(令和6)年3月24日(日)


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