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Sisterleeの時事記事

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ラッパーが同性愛差別ツイート。日本のヒップホップシーンに“自浄作用”はあるのか

※文中に具体的な同性愛差別への言及があるのでご注意ください。 最近、twitterでラッパーが炎上する事案を目にする機会が増えた。 2018年2月に、テレビ番組「フリースタイルダンジョン」にて、男性ラッパーの呂布カルマが女性ラッパー椿に対し、「俺 お前みたいにメンスのにおいしねぇけど 勘違いすんな」「お前ら女のくせに情けねぇな ☓☓☓のにおいしかしねぇ」などとラップした件や、2020年10月に、男性ラッパーのMC 鬼が、ホモフォビックで攻撃的なツイートを投稿した件は、ヒッ

「SNS見ない人は少数派」 広告業界の中から見た、炎上が生まれてしまう理由

「生理を個性と捉えれば、私たちはもっと生きやすくなる」  大手メーカーの生理用品ブランドによる広告が炎上し、冒頭のコピーを掲げていたプロジェクトの終了が発表されたことは記憶に新しいのではないでしょうか。SNSが人々の生活に溶け込むようになってから、広告の炎上が後を立ちません。  すべての広告にはなんらかの形で広告代理店が関わっている、という認識はもはや一般的常識となっていますから、広告代理店、特に名の知られた数社は多くの人々にとって嫌悪の対象となっています。 Twitt

大ブレイク中の「お笑い第7世代」 なぜ「おじさん的価値観」に抗うことができるのか

少し前まで、バラエティ番組に出ている芸人はおじさんばかりだった。 MCとして番組の司会進行を務めるのも、MCに一番近い席に座ってドッカンドッカン笑いをとっているのも、ほとんど皆おじさんだった。 出ているのがおじさんで、作っているのもおじさんだから、バラエティ番組は「おじさん的価値観」に染まっている。若者も女性もバカにされ隅に追いやられる世界。おじさんがおじさんに忖度し、おじさん同士の内輪ノリで笑いあっている。 今振り返ってみれば、長らくお笑い界の雰囲気ってそんな感じだった

NiziProjectでブームのJ.Y.Park「理想の上司」と称揚される裏で忘れ去られているもの

今年上半期、ガールズグループオーディションプログラム「Nizi Project」が人気を博した。 韓国の大手芸能事務所JYPエンターテイメントと日本のソニーミュージックが連携し、日本から世界に通用するアイドルガールズグループを発信するために立ち上げられた企画である。 日本全国から参加者を募り、韓国のJYP本社での最終評価に至るまで「Nizi Project」に密着した同名の番組は、日本テレビ「スッキリ」にて特集されていたこともあり、広く知られることとなった。最終的に選出さ

最近よく耳にする「特権」ってなに?  女性4人に聞いてみた

大学入学直後、奨学金の説明会に参加する同級生が思いのほか多いことに藤崎さんは驚いたという。 「高校の友人にも奨学金を借りる人はいたんですが、同級生の過半数が説明会に参加しているのを見て『思ったよりずっと多いな』と感じました」 その後の大学生活では、仲良くしていた友人が親から学費の援助は難しいと告げられ、退学するのを見届けることになる。 「私は何の苦労も勉強できる一方で、勉強したくてもできない人がいることや、友人との立場の違いをようやくはっきり実感

小池都知事の「夜の街」名指しは差別なのか? 医療従事者が考えた

ホストクラブでのクラスター発生をはじめ、「夜の街」がCOVID-19、通称新型コロナウイルスの感染ハイリスク層として取り上げられる機会が急増しています。それに伴い、「夜の街だけを名指しするのは差別ではないか」という意見をインターネット上で多く目にするようになりました。 筆者は、東京都内の病院に勤務する看護師です。COVID-19患者の直接の対応をしているかどうかは勤務先の情報に関わるため伏せますが、医療現場は、一時期よりは落ち着いたとはいえ、現在も「通常運行」とはいえない

フェミニズムを学んで浮気をやめた私が「ピルで女性の働き方改革」 におぼえた既視感

先日、堀江貴文氏が著書「東京改造計画」内で低用量ピルで女性の働き方改革を提言した件で炎上した。 本人の会社経営の経験から、日本社会において生理の問題が女性の社会進出を妨げている要因のひとつではないかと結論づけ、社会の理解を促進するために著書の項目のひとつとして取り上げたそうだ。 SNS上では、「自主的に服用するのと、強制されて服用されるのとでは大違い」など、多数の批判意見が見受けられた。 その中でも多数の共感を集めていたのが、「強者男性の『たくさん働けることこそ最

木村花さん訃報 スタジオの発言から考えるテラハの問題点

2020年12月にMediumへサイト移転をしました。移転先で記事を読む ツイッターで「女子プロレス・木村花選手が死去」という文字を見ても、私はすぐに信じることができなかった。つい先日、テラスハウスの番組で彼女を観たばかりだった。元気発剌だった22歳の彼女に「死去」という文字はあまりにも似合わない。 彼女が初めてテラスハウスに登場したとき、その人懐っこい笑顔や素直さに惹かれた。 この人がこの番組でどんな恋愛をするのか、見てみたい。そんな欲望を抱いた私は、

検察定年延長問題 女性芸能人にバッシングが殺到したのはなぜか?

2020年12月にMediumへサイト移転をしました。移転先で記事を読む 5月9日、検察庁法改正案をめぐり「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグがツイッター上に数百万件投稿された。 ハッシュタグの広がりには、著名芸能人がハッシュタグを投稿したことが大きく影響したとされている。 なかでもツイッター上でのフォロワーが520万人を超える歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさんがハッシュタグを投稿したことは大きな注目を集めたが(後に投稿を削除)、「歌手をやって