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本土にも行きたい場所が増えて困る【24.3.4】

・午前中は昨日割った薪を仕分ける。昨晩のフライフィッシュをオーブンで温めて、皿いっぱいのサラダとともにいただく。

・午後からはとなりの銭湯プロジェクトをお手伝いに行く。今日はクリス、タモと自分の3人。風呂桶のなかには薪ストーブが設置され、風呂ゾーンには屋根も貼られ、デッキは焼かれてシャワー室の大枠もできてきている。一週間前までは何もない場所だったのに、なかなかの変容ぶりである。

・「この岩、なかなかいいだろ」とタモが嬉しそうに見せてくるのは、苔むす大きな岩。岩石のほとんど存在しないハイダグワイの森で、苔の生した巨石を探して持ってくるのは簡単じゃなかったはずだ。なかなか日本庭園っぽい様式美だ。

・クリスが的確に指示を出し、僕とタモはおのおの作業に取り掛かる。大工作業というのはつくづく段取りなのだなと思わされる。よく考えれば当たり前のことなのだが、建築物をつくるのには設計図とプランが必要で、現場では論理立てて、時には即興で作業工程を練っていかねばならない。クリスもタロンもどちらも人に指示を出し、手の動かし方を見せ、フィードバックを与えるのがうまい。

・僕はシャワー室の屋根に登り、ガラス窓のはめ枠にシリコンでコーティングしていく。日が暮れる前に、風呂桶ストーブの煙突を据えつける。僕とタモで屋根のトタン板をこじ開け、煙突が突き抜ける穴を作る。

・7時前でも明るい。それでも気温はぐんと下がる。飯の後にサウナにしよう、とタモと話しながら家に戻る。

・タモの家ではローラが晩御飯を作っていた。鹿と鴨のこってりとした出汁のコクの効いたスープ、レンズ豆の煮込み、そして焼きたてのハードブレッドである。間違いない。僕がパンを口に運んで感嘆の声を出すたび、ローラが大笑いする。「あんた、ほんといい食べ方するよね」

・タモの家はローラも含めた5人の共同所有となっている。ローラは母方がハイダベルグ出身でアラスカ・ハイダの血を引いているが、バンクーバーで里親に育てられた。何度も自分のルーツであるハイダグワイを訪れるたび、なんとか島に拠点を持てないか、と思っていたのだとか。そこで同じような状況にあったタモを含めた数人と意気投合し、僕の家のとなりの敷地を買ったのだという。よく喋り、よく食べ、よく笑う快活な姉貴だ。

・銭湯スペースに移動されたサウナに向かう。いままで家の前に設置していたサウナは今では森の中に移動させられている。石油ランタンを照らす。

・クリスはもう木曜日に帰ってしまうのだという。そこまでにどれだけプロジェクトを進められるだろう。「ヘーゼルトンに来るなら6月後半がいい。心地よい音楽フェスもあるし、うちの敷地の池にはサウナもある」

・周りに面白い友達がたくさん住んでいるおかげで、彼らを訪ねてカナダ本土からやってくる素敵な友達とも出会う機会が多い。カナダ内にも訪れなければならない場所や人がどんどん増えていく。

・素晴らしい気分で寝床に向かう。

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