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『荒木飛呂彦の漫画術』惹きつける導入と作品を支える4つの柱|脚本が書きたい!!~脚本の参考になる本を読んでみる!編|

※この企画について
脚本が書きたい!!~脚本の参考になる本を読んでみる!編と題し、脚本を書く上で参考になる本を読み、内容をnoteにまとめていく。
おおもとの企画【脚本が書きたい!!】
『荒木飛呂彦の漫画術』の概要へ

このnoteは、『荒木飛呂彦の漫画術』のはじめから第二章までをまとめたものだ。

はじめに
第一章 導入の描き方
第二章 押さえておきたい漫画の「基本四大構造」

編集者に読んでもらうための研究

10代のころ、荒木飛呂彦氏(以降、荒木氏)は、漫画家デビューのため、編集者に何度も作品を持っていきました。編集者という難関を乗り越えるのはとても苦労したそうだ。そもそも、1ページ目もめくられずにボツにされることもあるからだ。

荒木氏は、編集者に1ページ目をめくらせるべく、勉強した。しかし、誰かが教えてくれるわけでもない。そこで、荒木氏は売れている漫画の最初の1ページ目を片っ端から分析した。

どの漫画家も、最初の一ページは非常に気を遣って描いているはずですから、作者の意図がどこにあり、どのような効果を生んでいるかを研究することで、どう自分の作品に活かすかを考えたのです。

ただ、そこには注意がある。それは、ヒット作の研究≠真似ということだ。あくまで、研究した上で、「自分はどうするのか」を考える必要がある。

読みたくなる導入にする4つのポイント

1ページ目をめくらせるための工夫は大きく、絵・タイトル・セリフ・情報・分野の主に五つだ。ただ、このnoteはあくまで、脚本が書くための勉強を目的とするので、本文を脚本という視点から解釈しなおた部分もある。

〇読みたくなる導入にするポイント【絵】
どのような絵柄が魅力的なのか、この本ではその結果を元にいくつかの例を挙げていた。

・きれいな絵
・変わった絵
・不気味な絵
・エロい絵
・笑える絵
・石しか登場しない絵

以上の例を見ると、何かしら強い感情を読者に与える絵が多く挙がっているように思う。

〇読みたくなる導入にするポイント【タイトル】
読者を惹きつけるタイトルの研究は、漫画に限らず、映画や小説のヒット作も参考になる。とにかくたくさんのタイトルをリストアップし、その中で、タイトルだけでページをめくりたくなるのはどんなものか、そして、自分ならどんなタイトルをつけたいのかを考える。
また、この本で荒木氏の作品のタイトルについても解説している。

『魔少年ビーティー』は初めての連載作品ですが、編集者に袋から出してもらえるよう、タイトルに工夫を凝らしました。まず「魔少年」という単語で読者に興味を持ってもらい、「ビーティー (B.T.)」と頭文字になっていることから「少年 A」のようにどこか犯罪者を匂わせるような、謎めいた雰囲気を出して、 タイトルを見ただけで「サスペンス漫画だよ」ということを読者に伝えるねらいを盛り込んだのです。

〇読みたくなる導入にするポイント【セリフ】
セリフについても上の二つのポイントと同様、作品を研究する。そして、なぜそのセリフが良いのかを考えるのだ。
例えば、以下のようなセリフが挙がっている。

・ドキッとするセリフ
・しっとり落ち着くセリフ
・悲しいセリフ
・怒りのセリフ
・ダジャレのセリフ
・ラップのように韻を踏んでいるセリフ

セリフも、読みたくなる絵と同じように、魅力的なものが多いことがわかる。

〇読みたくなる導入にするポイント【情報】
情報とは、つまり、読者に何を伝えるかということ。荒木氏曰く、基本的な情報は5W1Hだ。
しかし、この基本を則った結果、パターン化した導入になってはおもしろみがないので、いかに基本を意識したままバリエーションを出すかが重要になる。

また、荒木氏が心掛けている点に、複数のねらいを同時に伝えるというのがある。どういうことか、それはこの本の例をご覧あれ。

セリフを例にすれば、「今日はパスタでも作ろうかな」という、主人公が発する一言から、
・主人公はイタリアが好き
・自分で料理をする人
・たぶん家族や彼女はいない。ひとり暮らし
・貧乏ではないといった多くの情報を読者に一度に伝えることができます。
といった多くの情報を読者に一度に伝えることができます。

たった一つの絵・セリフで多くのことを伝えられれば、それだけで、読者に強い印象を与えられます❗

最後まで読んでもらうための「基本四大構造」

荒木氏が漫画を描く際、次の4つの要素に注意を払っている。

重要度の高い順に
①「キャラクター」
②「ストーリー」
③「世界観」
④「テーマ」

この四つは、相互に影響し合っている。漫画では、「絵」がこれらの要素を増補・統括し、「言葉(セリフ)」でそれを補うのだ。
この四つすべてを満たす必要はない。実際、この4つのうち一つが突出した作品はある。ただ、読み継がれるような王道を作品を目指すのであれば、4つをバランスよく盛り込むべきだという。

また、この「基本四大構造」は分析の役にも立つ。自分が面白いと思った作品を、この構造で分析すれば、なぜ面白いのかというところまで考えることができる。また、この構造を意識していれば、自分の作品がうまくいかないときの原因究明もしやすくなる。


次回からは、「基本四大構造」それぞれについて書いていく!

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最後まで読んでいただきたきありがとうございました❗❗
では、また。

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