SIONクリエーターズvol.38「ヤギと大悟」(企画・総合演出)/「ぐるナイ」(演出) 冨田大介
今回紹介するクリエーターは、テレビ東京「ヤギと大悟」(企画・総合演出)や日本テレビ「ぐるナイ」(演出)をはじめ多数の特番などを担当する冨田大介。
番組制作について直撃!
Q.苦労した点や悩んだ点を教えて下さい
「ヤギと大悟」は主人公のヤギが千鳥・大悟を引き連れて、
雑草に困った人のお宅でバクバク除草のお助けをする、ゆる〜い旅番組です
ヤギがどこに向かうのか、
どれだけ雑草を食べるのか
いつ寝ちゃうのか、
全く予想できず
しかもヤギは、本当にマイペースな生き物。
なので、ロケの時も、
朝から猛スピードで雑草をムシャムシャ食べて
昼過ぎに眠くなったり、満腹で動かなくなったり・・・
展開が読めない中でどう番組を成立させれば良いか、ロケ当日が勝負の番組で、現場で本当に焦りました。
ただ、ヤギの予定調和でない雰囲気が、この番組の一番面白い部分だと感じていたので、制作で段取りを決めてロケを進めるのではなく
全てをヤギに委ね、「ヤギファースト」でロケする決断をしました
結果として、スタッフも出演者もヤギに振り回されながらも、楽しくほっこりとした番組になったので、とても良かったです。
Q.番組制作をする上で一番のこだわりは?
編集にはとてもこだわりました。
「ヤギと大悟」はヤギが主役の番組なので
視聴者がどのタイミングで番組を見始めても、「あっ、ヤギの番組だ」と印象付くよう、
番組の9割以上はヤギが映っているように編集を意識しました。
あとは、ヤギが雑草を食べているシーンはしっかりとヤギの近くで撮影し、食べているヤギの顔を堪能してもらえるように編集しました。
第2弾の時には、
ヤギが満腹でウトウトしながら寝てしまうシーンがあったのですが、
そのシーンは2分間ノーカットで観せています。
つい編集点を入れてしまいがちですが、一番みたい映像は、とことんそのまま観てもらうのが一番面白いし、現場の熱も伝わると思いノーカットにしました。
結果としてそのシーンがとてもよかったと色々な視聴者の方に感想を頂いたので、良かったなと感じています
これからも自分の感覚を信じ、一番インパクトが強いと思う映像をしっかり届けられるように、編集にもこだわっていきたいと思います
そして、番組グッズにもこわだりました。
「めぇ」と背中に書かれたトレーナーや番組ステッカー、
こういった番組グッズも、番組を構築する重要な要素だと思っているので
スタッフみんなでアイディア出しつつ、愛情込めつつ制作!
これが、とても楽しかったりします。笑
Q.やりがいを感じるところは?
私にとって、一番のやりがいは
「自分でゼロから企画し、新たな番組を生み出すこと」です
テレビ業界で仕事するからには
誰でもできることや、マネごとではなく
自分にしかできない、誰もやっていないことをしようといつも意識し、
物事を考えたり、決断するようにしています
自分が企画・演出した「ヤギと大悟」は沢山の方に観て頂くことができ
ギャラクシー賞「選奨」・ATP賞情報・バラエティ部門「最優秀賞」
W受賞することができました。
これはとても制作冥利に尽きます。
やはり、自分で番組を演出し、スタッフみんなで一致団結しながら新しいものを制作するのは最高にやりがいを感じます
Q.マル秘エピソードはありますか?
千鳥・大悟さんにこの「ヤギと大悟」の企画書を持っていった時に
「なんやこの番組は。誰が考えたんや?」と笑いながら言ってくれました。
自分が面白いと思うタレントさんに、「このスタッフ面白いこと考えるな」と思ってもらえる
この言葉は本当に嬉しく、自分にとって最高の褒め言葉でした。
また「ヤギと大悟」では、テーマ曲でウルフルズさんの「笑えれば」を使わせてもらっているのですが、
トータス松本さんが自身のラジオで「ヤギと大悟」面白かった〜!曲使ってくれるのも嬉しい!と話してくれてとても嬉しかったです。
自分で企画演出する番組は、いつも自分でテーマ曲を考えるようにしています。
どんな曲にすると番組をさらに魅力的に作り出せるのか、
世界観を印象づけられるのか、これからも細部にまでこだわりながら演出していきたいと思います
Q.映像業界にはどのような人材が必要とされていますか?
映像業界に必要なのは「オリジナル」を持っている人だと思います。
誰かのマネではなく、
「自分にしかできない映像を作ってやる!」という野心を持った人が
この業界には必要ですし、そんな人材こそが活躍できる業界だと感じます
Q.今後または将来、制作してみたい企画やコンテンツは?
世界中を旅して色んな世界遺産を巡りたい
その為に、仕事で便乗できるよう
海外ロケの企画書を書こうと思っています。笑
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