デザインは情報にフィルターをかける作業である

デザインとは?」の問いに、いろんな人が答えている。人それぞれ答えは違うが、その中でも鈴木一誌さんの著書「ページと力」に書かれている言葉はすっと心の中に入ってきた。

デザインは、情報を公開する技術である

それはデザインの素晴らしさを謳った文句とは違い、やけに無機質で事務的な言葉だが、まさしくそのとおりだ。情報にどんな彩りをプラスするかを提案し、装飾する技術だ。デザインによって受け手の見る印象が変わるし、自分のさじ加減でいくらでも加飾や減飾することができる。つまり、危険性をはらんでいる。どう表現するかは作り手のポリシーに委ねられる。デザイナーは、伝え、伝わる人がいるかぎり、「情報に偽りがあってはならない」ことを肝に銘じなければならない。

しかし、そもそも人は無意識にフィルターをかけて生活しているから、どうしても偏った情報を収集してしまう。情報を公開するには必ず人が介在するから、関わった人たちの個人的な思想が入ってしまう。悪気はなくても、もはや防ぎようがない。正しい情報など存在しないのだ。

だとすると、事実に近づこうと思ったら、誰かのフィルターを介さず自分が現地に赴いて事実を観察するしかない。そうすれば、以前の情報とは違った事実がみえてくるはずだ。そして、自分のフィルターで感じた事を素直に表現するしかない。

決して人の情報に惑わされてはいけない。

デザインとは?」の問いの答えのひとつに、「文章は論理に訴え、ビジュアルは感情に訴えかける。」と言う言葉があった。なんてロマンチックでワクワクする言葉だろう。感情を揺さぶるのがデザインの力だとしたら、人に喜びの感情をもたらすものを作りたい。


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