【株式会社ウオロク】sinopsの需要予測データを活用した物流改善
2022年8月26日(金) に需要予測・自動発注サービスを活用した事例などを紹介するリテールDXオンラインイベント「第9回 sinopsユーザー会」を開催しました。
「第9回 sinopsユーザー会」開催報告記事はこちら
今回は第二部にて株式会社ウオロク 業務改革部 諏佐 陽介 様にご発表いただいた「sinopsデータ活用による物流改善」の内容をご紹介します!
4期連続で人時売上額と人時生産性が改善
ウオロク様には、2017年よりパッケージ製品「sinops-R6」の効果検証などを実施し、2018年にグロサリー部門で全店展開いただいております。2019年より、加工肉や日配食品のカテゴリーにも導入いただいております。
「sinopsを導入して以降2018~21年の4期連続で、グロサリー(日配食品含む)カテゴリーの人時売上額と人時生産性が改善しており、シノプスさんとは非常によい協力関係を築けています!」(諏佐様)。
そのほか、賞味期限チェックアプリの「sinops-Dcont」や、「sinops-CLOUD 客数予測」「sinops-CLOUD 惣菜」といった2020年より新たに提供を開始したクラウドサービスも導入いただいております。
物流業界の問題を“IT”で解決したい
ウオロク様は自社の物流センターをお持ちです。「生鮮を含めた低温TCと常温TC・DCの機能があります。運営自体は物流企業に外部委託をしています」。
物流業界では、ドライバーや物流センター内の作業員不足、燃料価格の高騰などさまざまな問題を抱えています。そして、自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されることによって発生する「2024年問題」も待ち構えています。
「こうした問題の解決にはITを活用した生産性の向上・改善の取り組みが必須だと考えます。そこで、お客様へのサービスレベルを担保しながら、物流の改善に取り組めないか?と考えたのがsinopsを活用した物流改善です」。
発注から7時間で店舗に即日納品
ウオロク様では、DC商品の発注から納品までの発注リードタイムは約7時間だといいます。「発注の締切は12時で、当日の19時頃までに納品されるというスケジュールです。4時間後には納品が開始する店舗もあります」。
リードタイムが短く、欠品のリカバリーには効果的なため、お客様へのサービスレベルは極めて高いというメリットがあります。その一方で、物流ではピッキングなどの作業人員、配送車両の手配の負荷が高く、コスト増加の一因になっています。
さらに納品は1日に5便ほどあるとのことですが、積載率が低い便もあったといいます。「2便と3便の積載率が80%前後と低かったため、そこを向上させれば、車両削減が見込めると考えました」。
作業・車両効率向上のためにリードタイムを延長
そこで作業効率と積載率の向上を図るため、リードタイムの延長を検討されました。「現状の0日から1日に延長させることで、作業・車両の両面で効果が見込めると思いました」。
しかし、リードタイムを延長することで懸念されるのは欠品率です。「発注してすぐ納品されていたので欠品率を抑えることができていましたが、リードタイムを延長したことで欠品が増え、お客様へのサービスレベルが低下してしまうことは絶対に避けなければなりません」。
そのため、まずはデータによるシミュレーションを実施されました。
「リードタイムが0日の商品を1日に延長した場合の欠品率の影響を1店舗分、14日間ほど算出しました。これまで取り組んできたロット端数をまるめるロジックも適用させました」。
シミュレーションの結果、リードタイム延長による欠品率の上昇は0.1%の微増。「欠品率が増加した商品はほとんどが下位ランクで、大きな影響はないと判断できました。そして今まではリードタイムが短かったため、在庫数を少なく設定していました。そういったところを見直すことで、欠品率は改善できると考えました」。
リードタイム延長の効果
配送車両は週8台削減!
こうしたシミュレーション結果を経て、ウオロク様では今年の4月よりリードタイム短縮を実施。配送車両は全店で週8台の削減を実現されています。
「積載率が低かった2便、3便は5~15%改善しました。そのため、配送車両の削減が実現し、ドライバー不足に大きく貢献できたと考えています。週8台の車両削減は、1年で換算するとかなりのコスト削減効果を得られると考えています」。
そのほか、2便3便の積載率が上がったことで「店舗の作業効率の向上も期待できそうだ」といいます。
人員配置を調整することでさらなる改善効果に期待
まだ開始したばかりということもあり、センター内作業の生産性は101%ですが、人員配置などを調整するなど、今後さらなる改善効果が期待できそうだといいます。
「センターからは『まだ開始したばかりなので、作業フローの変更に慣れていないが、これから伸びしろがある』という声をいただいております。さらに以前はリードタイムがタイトだったため、前半の店、後半の店と作業を分ける(バッチ分け)必要がありました。今回、リードタイムを延長したことでそういったことが不要になりました」。
物流全体の最適化を目指し
今後この取り組みを推進していくうえでの課題についてもご説明いただきました。その一つが、繁忙期におけるセンターの在庫の肥大化です。
「店舗数が増加するに伴い、センターのキャパオーバーの恐れがあるため、シノプスさんと検討を進めています。さらに、鮮魚・精肉・惣菜を扱う生鮮デリカセンターがこの7月より稼働しています。このセンターが軌道にのってくると物量の増えてくることが予想されます。これに対応して便別の積載内容の変更も検討しています。物流全体の全体最適を目指し、これからも改善を行っていきます」
店舗内だけでなく、物流改善にもsinops
最後に諏佐さまからうれしいお言葉をいただきました!
「今回の取り組みは特に大きなシステム投資は実施していません。導入済みのシステムを活用して詳細な分析をしたり、設定値を調整したりすることで、新たな改善につながりました。今後もsinopsを活用してさまざまな取り組みを推進していきたいと考えています」。
ウオロク様の「sinopsデータ活用による物流改善」についてご紹介しました。sinopsは店舗の作業改善のほか、需要予測データなどを用いた物流改善などの取り組みもお手伝いさせていただきます!ぜひお問い合わせください。