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不便な経験の紹介と改善、国際結婚の翻訳手続き

 初めまして、日本でUIデザイナーとして働いている「金信憲(キム)」といいます。

 NOTEでの投稿経験がないのですが、日常生活で起こった些細な不便な出来事や、そこから得た小さなデザインアイデアをシェアする場所を作りたいと考えています。




背景

 最近、11月11日に婚姻届を提出し、現在は妻と新しい生活を始めています。結婚式はこれからですが、急な手続きもほぼ終わり、少しずつ落ち着いてきました。

 以前住んでいた家の契約解除や不要品の処分、そして引越し業者との交渉、新しい家の契約など、たくさんの手続きがありましたが、長い間日本での生活経験があるので、それなりにうまく対応できました。

婚姻届を無事に提出しました

 ただし、国際結婚に必要な書類を揃える手続きは非常に複雑で、面倒くさい作業が多かったため、どんどん遅れが生じてしまいました。結局、最後には妻が大変怒ってしまう最悪の結果になりました。

 今回は、国際結婚の手続きについてご紹介し、そこで自分が感じた不便さや、よりスムーズに進めるためのアイディアについて考えてみました。


国際結婚手続きの詳細

 最初に、手続きに必要な書類と提出先を整理してみました。当時、自分も「基本証明書」「家族関係証明書」「婚姻関係証明書」など、初めて見る書類が多く、戸惑ったことを覚えています。

提出先
日本の市区町村役場
必要書類
🇯🇵(日本人)
① 戸籍謄本
🇰🇷(韓国人)
① 在留カード
② パスポート
③ 基本証明書
④ 家族関係証明書
⑤ 婚姻関係証明書
⑥ ②~⑤の日本語翻訳文

提出先
日本にある韓国大使館・領事館
必要書類
🇯🇵(日本人)
① パスポート
② 婚姻届受理証明書
③ ②の韓国語翻訳文
🇰🇷(韓国人)
① 婚姻申告書
② 家族関係証明書
③ 婚姻関係証明書
④ 身分証明書(在留カード、パスポートなど)

 具体的な手順は以下の通りです。

1. 
[基本証明書] [家族関係証明書] [婚姻関係証明書]を取得するために有給を取り、日本にある韓国大使館に訪れる

2. 
韓国大使館で [基本証明書] [家族関係証明書] [婚姻関係証明書] を取得しましたが、これらは韓国語で記載されているため、そのままでは日本の区役所に提出できません。したがって、これらの書類を日本語に翻訳する必要があります。また、パスポートも翻訳する必要があります。

3.
[基本証明書] [家族関係証明書] [婚姻関係証明書] およびパスポートの日本語翻訳が完了したら、日本国籍の配偶者の戸籍謄本を携えて一緒に役場に提出に行きます。

4.   
提出が完了すると、役場から日本語での [婚姻届受理証明書]を取得します。

5. 
区役所から取得した日本語の [婚姻届受理証明書] および日本国籍の配偶者の「パスポート」「戸籍謄本」を韓国語に翻訳して韓国大使館に提出します。

6.   
翻訳が完了した書類と最初に韓国大使館で取得した韓国語の [基本証明書] [家族関係証明書] [婚姻関係証明書] を持って、日本国籍の配偶者と一緒に韓国大使館に提出すれば手続きは終了です。

 簡単に図式化するとこのようなイメージです。提出先の管理国に合わせて書類を翻訳する作業が何回も発生し、この作業が手続きの遅延の大きな原因でした。


遅れた理由と課題

 ここまで聞くと、翻訳のボリュームが多いか、非常に難しい単語を翻訳する必要があるように思えますが、実際には翻訳にかかる時間はそこまで長くはありませんでした。

 受理証明書を事例として見えますが、テンプレートがあればそのまま入力すれば終わる作業です。

 ここでの問題は、そのテンプレートというものが存在しないことです。大使館も区役所も「翻訳してください」というだけで、具体的にどのように進めればいいのかが不透明な印象がありました。

 ウェブで結婚経験者のテンプレートもいくつか見つかりましたが、それぞれ書かれている項目が異なっていたり、当時自分のパソコンでWordのライセンスが切れていることを考慮し、自分で作成することにしました。

 しかし、自分でテンプレートを作ろうとしたら、いくつか不明な点も多く、その内容も整理してみました。

・レイアウトは少しずれても問題ないか気になる
・一部項目(例:事件本人)は韓国語でどう翻訳すればいいかわからない
・翻訳資料だけに必要な一部項目(例:翻訳作成日、翻訳作成者、翻訳作成者住所など)は、何があるのかわからない。

 こういった不明確な点が多く、テンプレートを作ることが全然進まず、ずっとストップのままでした。その結果、11月11日に婚姻届を提出したいという妻に非常に怒られるという残念な結果となりました。

 また、最近妻に当時の気持ちを聞いてみたら、婚姻日が遅くなることだけでなく、婚約手続きにおいて自分だけが本気になっていると感じたことが、非常に嫌な経験だったようです。


デザインアイデアの提案

 課題を考えだした後には、具体的なコンセプトを作った後にどのようなアイディアがあるのか考えてみました。

課題
国際結婚の一部手続きにガイドラインがなく、結婚日が遅れ、パートナーシップに支障が生じる

特徴(自分)

・婚姻申請の手続きを経験したことはなく、慣れてない
・新生活を始め、複雑な書類関連の仕事は日本人国籍の妻に任せてしまう
・ガイドラインがないと気軽に一人で始められない性格

ニーズ
・翻訳について明確なガイドライン
・翻訳の動機付け、モチベーション

コンセプト

婚姻届の書類作業(特に翻訳)において、明確なガイドラインとモチベーションを提供する

アイデア
・書類翻訳に関する全体の流れが一目で把握できる
・書類翻訳の進捗が可視化され、妻と情報を共有できる
・妻も書類翻訳の進捗状況を確認できる
・書類翻訳に必要な作業が、テンプレートに入力さえすれば簡単にできる
翻訳が終わった後、自宅からも提出が可能
・翻訳後に印刷サービスまでサポート


プロトタイプ作成

 アイデアを考えた後、プロトタイプで制作してみました。


1. 最初のアクセス

 意欲がない自分にとって、どこから見つけて、アクセスするかで悩むことが多いでした。最近、ゼクシィやタイムツリ、ディズニーのアプリなど妻から見つけて招待されることが多かったので、活用してみました。

2. 書類発給、翻訳書類選択

 大使館、区役所からもらった書類名からすぐ連動できるように、一覧画面では、書類名だけ見つけて次の作業に進むようにしました。

3. 翻訳テンプレート作成、作成完了

 翻訳テンプレートに関しては、難しい言葉は主に項目名に含まれていたため、これらの項目名を翻訳する必要がなくなり、個人情報だけを入力することで完了できるようにしました。
 完了すると一覧画面に反映され、妻と情報を共有することができ、自分のモチベーションも向上することを期待しています😀
 ※また、メールで送信するオプションは、コンビニの印刷サービスがメールからファイルを受け取ることが多いので、完了のタイミングに入れました


結論

 今回のプロジェクトでは、明確なガイドラインのサポートさえあれば、書類手続きに対するモチベーションが低い自分も主体的に取り組めるのではないかと考え、その視点からアイデアを発展させることが多かったです。

 ただし、私が外国人であるためにこのような手続きが今後ますます増えるだろうと思うが、毎回ガイドラインの不足を理由にするのは良くないのではないかと思う反省のきっかけにもなりました。

※また、今回のプロジェクトでは従来のUIデザインに加えて、UXデザインの講座で学んだことを実践しながら進めました。まだまだ学ぶべきことは多いですが、様々なチャレンジに挑戦していきたいと思います。

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