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『余命10年』自分と重ねて欲しい物語

どうしよう、涙が止まらない。
自分の感情をコントロールできないよ。


図画工作室の棚の一番奥。卒業制作の版画で使うベニヤ板を取り除くと、それは真実に変わる。今日も想い人を抱えた少女が放課後のチャイムと共にやってくる。積まれたベニヤ板をどかすと、伝説は本当だったと感嘆の声を上げた。

-『余命10年』の文章抜粋-



年間200冊くらいの本を読んでいますが、これほど泣いた本はなかった。
どんな人に読んで欲しいのか。そうですね、人間関係、勉強、仕事、育児、全てにおいて、苦しみやストレスを抱えている全員に読んで欲しいです。中学生や高校生の夏休みの課題図書としても最適だと思います。


『余命10年』


タイトルからも明らかですが、命の灯火がテーマです。
人生にはホイッスルが吹かれるまでの「生き方」「あり方」「行動の仕方」がある。


余命宣告された主人公の茉莉(まつり)の思いが赤裸々と描かれている。
世の中には「死」と向き合う著書が多い中、本書は間違いなく「生」へのこだわりについて語っている。


今、自分が悩んでいることってどうなのかな。
茉莉の感情と重ねてみたら、自分の悩みなんてちっぽけなことではないか、と考えさせられてしまう。


そこには、人間の弱さ、儚さ、もろさ、強さ、悲しさ、もどかしさ、楽しさ、それが全部詰まっている。茉莉は決して強くて特別な女の子ではないし、か弱い女の子でもない。ごく普通の女の子が感じる最適な人生の送り方。


恋の始め方、恋の終わらせ方、、、
時間の経過とともに色褪せるものと、鮮明になるもの。
その全部が詰まっている。


本当に大切なモノって何か。
普段当たり前に思っていることが、実はとっても貴重で尊いものだと感じる瞬間があります。心の奥に潜む得体の知れない何かが突然脈を打ち始める。


既に本書を読み終えて48時間以上が経過しています。
普段は徐々に記憶が薄らいでしまうのですが、今回は時間が経つにつれ益々鮮明になってくる。ふとした時に思い出してしまい、気がつけばひと目を憚らず涙が頬を伝わっている。


複数の方がYouTubeでも本書の感想を掲載していますが、僕と同じように感情の渦に飲み込まれているようです。


著者は小坂流加さん、
プロフィールは本書を読み終えてから確認することをお勧めします。
余分な先入観を入れないために、きっとそうされた方が良い。


Kindle Unlimitedで無料で読める1冊ですが、本を読み終えている今、敢えて本屋へ出向き実書を購入しようと思います。



最後まで読み進めて頂きありがとうございました。
素敵なお盆休みを満喫してください。🌱


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