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【AR×不動産】実際の活用事例やメリット・効果を解説

国木ちさと

昨今では、「ARを不動産業界で使用している」という話をよく耳にします。
しかし実際のところ、ARをどのように不動産業界で活かしているのか詳細にイメージすることは、難しいのではないでしょうか。

今回はARがどういったものであり、どのように不動産業界で活用されているのか、その活用事例やメリット・効果について解説します。


ARとは？

まずはARがどういったものであるか、ご説明します。

ARは「Augmented Reality」（拡張現実）の略

ARは、現実世界にデジタル画像などの仮想の情報、コンテンツを重ねることをいいます。
ARを使用したもので、もっとも有名なのが、2016年にリリースされたスマートフォン用ゲームの「ポケモンGO」です。
ポケモンGOはARを元に作成したポケモンを現実に重ね、実際にポケモンがその場にいるようなリアリティーを表現したゲームです。

ARとVRとMRの違いとは

「AR」に類似した用語に「VR」と「MR」があります。
AR、VR、MRは現実世界に存在しないものを表現し、仮想世界で体験する革新技術・XR（クロスリアリティ）です。

それぞれの違いについて、ご説明します。
出典：

【ARでは現実の世界にデジタル情報を組み込んでいる】
ARは現実世界の風景に、デジタル情報を付加する技術です。
スマートフォンやタブレット、サングラス型のARグラスを利用して、現実世界と仮想世界の融合を、いつでも気軽に楽しめます。

シミュレーションに特化しており、

  • コスメの試し塗り

  • 現場で建設機材の置き作業が可能かどうかの検討

といったビジネス分野で使用されることが多いです。

出典：
「図解即戦力　ビジネスで役立つIT用語がこれ1冊でしっかりわかる本」小宮紳一、西村一彦、技術評論社、2021

【VRは100％仮想空間】
VRは「Virtual Reality」（仮想現実）の略です。
VRは現実世界とは隔絶した、完璧な仮想世界になります。
VRヘッドセットや専用ゴーグルを装着し、コンピューターやCGによって作り出されたバーチャルな空間を目にします。
現実世界に限りなく近いリアルな体感を味わう技術です。
現在は

  • VRゲーム

  • 音楽のライブ

といったエンターテイメントの分野に多く使用されています。

出典：
「図解即戦力　ビジネスで役立つIT用語がこれ1冊でしっかりわかる本」小宮紳一、西村一彦、技術評論社、2021

【MRは複合現実】
MRは「Mixed Reality」（複合現実）の略で、ARをさらに拡張した技術になります。
MRは目の前にないものを仮想世界によって現実世界に重ね合わせ、その場にあるかのように表現します。
頭に装着したディスプレイを通して、あらゆる角度、位置から現実世界に重ねた仮想世界を体験できます。

  • 建設現場での研修

  • 医療

  • 自動車の教習所

  • 学校などの教育現場

と、幅広い分野で使用できると注目されています。

出典：
「図解即戦力　ビジネスで役立つIT用語がこれ1冊でしっかりわかる本」小宮紳一、西村一彦、技術評論社、2021



ARを不動産業界に導入する効果とは

ARは不動産業界にピッタリなIT開発といわれています。
どのような理由でARと不動産業界の相性がよいのか、またARを取り入れた際のメリットとは何かを、ご紹介します。

不動産×ARは相性がよい！

最初に不動産とARの相性がよい理由を2点、ご説明します。
【従来の平面的な媒体と比較してわかりやすい】
お客様が不動産で住宅を検討し、物件をお探しする際に、間取り図を目にします。

しかし、すべてのお客様が間取り図の見方を知っているわけではありません。
間取り図から自分が住む住宅をイメージできず、「思っていた物件と違った」というケースもあります。

ARを使えば、現実に立体的な情報を付加するので、お客様に住宅情報をわかりやすくお伝えできます。
そのため、実際に生活をし始めてからの物件のミスマッチを減らし、お客様の満足度を高められるといったメリットがあります。

出典：

【不動産情報誌やサイトにAR動画を追加して成約率アップ！】
不動産情報誌やチラシ、事業所の公式サイトにAR動画の情報を追加すれば、お客様がお手持ちのPC、スマホからモデルハウスやインテリアを配置した物件の3DCGの動画を見ることができます。
あらかじめ3次元の動画をお客様が目にしているため、以下のようなことが実現します。

  • どういった住宅に住みたいかの理想的なビジョンが描ける

  • 実際に住んだ気分になり、その物件に実際にいるような体験ができる

  • 今後、どのような生活ができるのかイメージできる

すると、住宅に住むまでのやりとりや、内見をスムーズにご案内できるようになり、結果として成約率が格段に上がります。

出典：

ARを取り入れるメリット

続いてARを取り入れた際のメリットを3点ご紹介します。
【お客様とのコミュニケーションがよりスムーズになる
住宅を建てたいとお考えのお客様が、土地にどのような住宅が建つのかを頭の中だけでイメージすることは、非常に難しいです。
しかし建設予定地にARを使い、実寸大をした住宅モデルの3DCGを表示すれば、どんな住宅が建つのかをお客様に見ていただけます。
視覚に訴えることで、実際に建つ住宅をお客様が明確にイメージできます。

事業者に対する安心感・納得感をお持ちいただけるので、住宅を建設するまでのお客様とのコミュニケーションがスムーズになります。
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【内見にAR情報を追加することで契約後のイメージがより湧く】
物件をお探し中のお客様が内見する際に、家具やインテリアのない住宅を見ても、「どんな生活を送るのかイメージできない」というお客様もいます。

そこでARの搭載されたデバイスを使い、バーチャルの家具を配置してインテリアの情報を現実の住宅に追加します。
これにより、実際に生活をするときのイメージがより鮮明に描けます。

このようにして、内見時の住宅の魅力を言葉以外でお伝えでき、お客様の購買意欲を向上させることが可能です。
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【業務効率がアップする】
住宅は立体的かつ巨大な建造物です。
書面や写真といった資料だけでは、正確な情報を顧客と共有することは難しいです。

そこでARを使い、現実に住宅がある状況や生活環境のイメージ情報を付加します。
すると事業者とお客様の情報共有が容易になり、説明もしやすくなるのです。
これによって、事業者・従業員1人当たりのお客様コミュニケーションのコストが下がり、業務効率が上がります。
時間効率も上がるので、ほかの業務に携わることが可能となり、さらなる事業展開を見込めます。

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【大見出し】【不動産×AR】の実際の活用事例を紹介

それでは、ARがどのように不動産企業に導入され、どういった活用方法を実施しているのかを具体的にご説明します。

1.ARで敷地見学

これから住宅が建つ敷地に、ARを使って住宅のイメージを付加し、お客様に建設する住宅の情報を共有できます。
【不動産SHOPナカツジ】
不動産SHOPナカツジはASATECのARサービス「build+（ビルドプラス）」を導入しました。

ASATECが運営するスマートフォン向けアプリケーションの「MetaTown」を使用します。
未建設地に、3DCGの住宅の画像を重ねられ、住宅の広さや間取りをイメージできます。

最近では、敷地内を歩いて一周しても、3DCGの住宅画像が固定されて表示されるのでカメラを固定する必要性がなく、使いやすいです。

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【ヤマダ不動産】
ヤマダホールディングスの傘下であるヤマダホームズが展開しているヤマダ不動産はJIBUNHAUS.の「WARP HOME」を導入しました。

PCやタブレット、スマートフォンから住宅の面積などの情報を入力し、住宅の画像を重ねられます。
外観だけでなく、内観の光の入り具合といった細部の確認も可能です。
そのほかにも、お客様が展示場に行かずに、住宅情報を共有できます。

従来の「土地から住みたい住宅を」というパターンとは正反対の、「住みたい住宅からふさわしい土地を探す」ことを可能としました。

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2.ARで内見

賃貸マンションやアパートで内見をする際、ARの家具や小物を配置し、実際に生活をするときのイメージをお客様に確認していただきます。
【大京穴吹不動産】
大京穴吹不動産は

  • リビングスタイルの「RoomCo AR（ルムコエイアール）」

  • Google社の「Tango」

  • 株式会社レノボ・ジャパンファブレットの「Phab 2 Pro（ファブツープロ）」

などの技術を総結集した「ARホームステージング」を導入しました。

スマートフォンの画面を通して空室の部屋に家具や小物を配置します。
自由に歩きながら、インテリアが配置された室内を確認し、暮らしをイメージします。

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【東急住宅リース】
東急住宅リースは現在、x gardenが開発した「AR内見」の実証実験を行っています。

自社管理している賃貸マンションの「コンフォリア新宿イーストサイドタワー」にて、メガネ型デバイスのARグラス、またはiPadを活用してバーチャルモデルルームを再現できるのです。
入居後の家具の配置をイメージした生活感を体験できます。

椅子、デスク、ソファ、カーペット、観葉植物といった計44種類の家具を表示でき、豊富なコンテンツとなっています。

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3.ARで動画を見る

最後は不動産会社の公式HPや、紙のチラシにQRコード、ARマーカーを載せ、ARでの住宅情報を動画でお客様に見てもらうパターンです。
【桶市ハウジング】
桶市ハウジングはクラウドサーカス株式会社のARプロモーションツール「COCOAR（ココアル）」を導入しています。

COCOARアプリをダウンロードしたスマホやiPhone 、タブレット、iPadをかざしてQRコードを読み取ることで、若者向け物件のスペシャルムービーを閲覧できます。

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【エイビス】
エイビスも同じく「COCOAR」を活用しています。
モデルハウスがよりリアルにわかる折込チラシを導入しました。

3万部の折込チラシに対し、9件のお問い合わせが報告されており、そのうち1名のお客様はAR動画で見たインナーテラスをご所望され、3,800万円の物件が1ヶ月で契約成立となりました。
またチラシを投函した後、用意していた5棟は2ヶ月でソールドアウトを達成するなど、多くの実績を残しています。

出典：



まとめ

今回の記事でARがどういったものかをイメージできましたか。

2020年に新型コロナウイルス感染症が大流行し、生活様式や働き方が急激に変化しました。
新型コロナウイルス感染症の大流行の影響により、『直接会って購入するビジネス方式』から『IT機器をフル活用したビジネス方式』が可能となりました。

ARを始めとしたIT開発を導入することで、

  • 遠く離れた顧客を獲得できる可能性がある

  • 新しい不動産ビジネススタイルを実現できる

  • お客様により満足いただけるおもてなしやサービスができる

など、今後ますます発展する可能性を秘めています。
これを機にARの導入を検討しませんか。


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