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執筆意欲と床との相克

 1歳4ヶ月の娘を寝かしつけたあと、リビングでポメポメ(子猫大の執筆専用デバイス・ポメラで執筆すること)しようとしたときに、寝室にスマホを置きっぱなしだったことに気づいた。
 noteに書くネタとかスマホにためてあるから、手元にないと困るのだが。

 取りに戻りたいが、せっかく安眠する娘をドアの開閉などの気配で起こしたくないので、スマホ無しで記憶をたよりに執筆することにしたら、むしろ捗った。

 ネタはスマホにためてあるが、スマホのディスプレイはそのまま集中力を引き込む奈落でもある。それが手元にないのがむしろよかった。
 スマホにためてあるネタを見ながら執筆するのは、さながら断崖絶壁に咲いた花を摘むようなもので、「あっ」と気づいたときには落下している。
 具体的にはリビングの床にごろりと寝転がりツイッターとかマンガアプリとかを見ている。

 この、いま執筆に使ってるポメラのすげーところのひとつは、書くことしかできないことだ。ネットサーフィンなぞ出来ぬ。
 加えて、スマホが手元に無いとなると、もう書くしかないのである。

 ここまでお膳立てが必要な自分の執筆意欲に情けなさを感じながらも、そういうフラフラとした部分があるからこそ、そんな中書かれた自分の文章が、ぼくは大好きである。
 ただ、こういう気分や偶然に依存するモチベーションでは、たくさんある書きたいことが全然書けないので、意図的かつ自然に書くモードと環境をつくれるとオシャレだなと思う。

 どうすれば良いか?
 それは、noteネタをトラベラーズノートに書きためるようにすることだ。

 トラベラーズノートとは日常を旅するように楽しむことを標榜する比類無きカンパニーによって作り出された手帳で、めちゃめちゃ好きで愛用している。
 それにネタを書くようにするのだ。手帳はインターネットが出来ず、集中力をたたき落とす奈落がないのが良い。

 文章を書いてアップロードすることは20年ぐらいやってる趣味で、トラベラーズノートも愛好する趣味のため、そうするとつまり、スキとスキがデストラクションを起こすので、非常に良い。
 その結果、「あっ」床にごろり……という奈落を回避しつつ、安定した執筆が可能となる――のではないだろうか。

 というか、なんか、良くないですか? 雰囲気のある手帳を傍らに子猫大の黒いデバイスで文章をしたためる感じ。

 良い飲み物があれば、なおいいな、と思います。それはコーヒーか。いや、夜だしハイボールにしよう。
 ぐびり。
 つまみも欲しいな。そういえば、先日よさげなチーズを買ったのだった。冷蔵庫のどのへんに仕舞ったっけ。お、実家からいただいたイカナゴの釘煮があったしこれにしよう。 
 むちゃむちゃ。
 ……あ、そういえば、今日はあのマンガが更新されてたな。
 ぐびり。むちゃむちゃ。

 ………………ごろり。

 あっ。

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