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映画「漫才ギャング」〜人は変われる、けど簡単じゃない

2011年 品川ヒロシ監督   

漫才をテーマにしたドラマ、映画は数多くありますが、
 この作品ほど、ネタがおもしろい作品はないと思います。

お笑い芸人の品川さん原作・監督ですから
当然っちゃ当然。    

冒頭から観客を笑わせ、掴んで、引っ張っていく。

 ケンカシーンと漫才シーンが交差する演出は、
漫才のスピード感とボケとつっこみのメタファー。  

そして

佐藤隆太×ピース綾部 
佐藤隆太×上地雄輔 

この作品でしか見られない貴重な漫才コンビ。  

また、 宮川大輔、ロバート秋山、千鳥の大悟、長原成樹、、などなど、
ちょい役も含めて、 芸人さんをたくさん見られるのは、お笑い好きにはたまらない。  

品川さんと庄司さんも、少しだけ出てきます。   

芸人さんの演技力というのか、存在感というのか、、 そういうものに圧倒されます。

あらすじ 
 漫才コンビを解散したばかりの飛夫(佐藤隆太)と 不良の龍平(上地雄輔)は、
留置所で出会い、 漫才コンビを組むことになるが、、、  

漫才は、息のあった掛け合いと、絶妙な間、 声の出し方、抑揚、表情、
体の使い方、
それらが全て噛み合ってはじめていいネタになる。    

台本がどんなに優れていても、 漫才師に天賦の才がなければ、  おもしろいネタにはなりえない。

芸人を辞めて、今は借金取りをしている男(長原成樹)が言った言葉が印象的。

 「どんだけ才能があっても、どんだけウケてても、
売れへんやつは何かが足らんねん。

運だけで売れる奴おっても
不運で売れへん奴おらんねん。

おもろい奴は何年かかっても、いつか売れんねん。

俺らがあかんかったんは運やない、実力や。」 

 才能だけではだめ、運だけでもだめ。
売れるためのセオリーがないからこそ、病みつきになる世界。

・・・・  

 龍平は、喧嘩ばかりしていた過去に決別して、芸人修行をはじめます。

そういう時必ず現れるのが、 

足を引っ張る人間。

自分に夢がないから、夢を持つ人間に嫉妬する人間。 

 結局龍平は不良たちとまた酷いケンカをして、
警察のやっかいになり、 元の木阿弥。   

人は変われる、、けどそう簡単には変われない。

神はそう簡単に変らせてはくれない。

 ″本気で変わる気あるんか?″と試してくる。

人生の邪魔をする人間を送り込んでくる。

 これまでと180度違う人生を選択する時、
自分自身と周囲の人を傷つけることがあります。 

それでも変わりたいなら、何をすればいい? 
何を捨て、何を掴めばいい?   

・・・・・・・・ 

 ロバート秋山演じるオタクの立ち位置は、
この映画のサブテーマかもしれない。

大事なガンダムのプラモデルを不良たちに壊され、
怒り爆発、 不良のリーダーをボコボコにし、留置所に入れられる。  

  大事なものを破壊された時、
怒れる人と怒れない人がいます。   

愛するものが傷つけられたら、怒って、身を張って守らなくちゃいけない。

頭ではわかっていても、 実際それが出来る人はどれくらいいるだろう。

案外、できない人の方が多いかもしれない。   

・・・・   

1つ残念なのは、女性の描き方。

 飛夫の彼女 由美子(石原さとみ)は男にとって都合の良い女。  

飛夫から別れを告げられ、妊娠していることを黙っている。

その後復縁して、借金のある飛夫に、金をホイっと差し出してしまう。   

ヘラヘラ笑って、たまにメソメソ可愛く泣いて、

 男の才能をひたすら信じて、尽くす女って 、 

男にとってはいいカモじゃない?

そんな女にはなりたくないよ。   

尽くして尽くして、ポイされる女にはなりたくないよ。 

・・・・

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推しの成宮くんが最初と最後にちょこっと出演。

ちょっと意地悪な先輩芸人という役。

いいツッコミしてます。




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