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仕事と積読解消モードの土日

 この土日は土曜日に前の部門の仕事、日曜日に今の部門の仕事をして、積読状態にあった5冊の本をあらかた読み終えました。

 前の部門の仕事は、最前線の指揮官としての仕事であり、今後、他国と共同で、迫りくる相手に対処するための、作戦指南書のようなものを作っていました。同時にそれは、他国と共同作戦を取ることについての、総司令部に対する弁明のような内容も含まれています。

 戦っている途中で後ろから刺されないように、一戦に先立ち、総司令部の政治的感触を探ります。僕自身は共同戦線を張る他国との関係は良好なものの、総司令部が過去の貸し借りの中で、半ば他国を助けるかたちになる今回の戦いを是とするかわからない面もあり、
仮に共同戦線について明確にノーという反応が出た場合、他国にも事情を話し、あたってみて相手が屈しない場合は、共同戦線を解く可能性もあることを伝えておきます。

 今の部門の仕事は、今後一年間、僕が受け持つ部門のそれぞれの役割を説明しつつ、どこに重点を置いて仕事を進めていくか、現時点での課題は何かを簡潔に説明する資料の作成です。

 先週一通り、現場責任者から説明を聞いたのですが、これを自分の中で咀嚼し、自分の言葉で上長に説明していくには、僕なりの理解を少し踏み込んで書いてみて、それをもとに
・掘り下げた説明の方向性が間違っていないか
・説明を補足するうえで用意した材料が説明の本旨を損なわないか
・事実関係のアップデートの確認
といった点を、今一度、確認してもらう作業をお願いします。

本の方は

1 殷ー中国史最古の王朝(中公新書)
2 スポーツウォッシング(集英社新書)
3 偽者論(金原出版)
4 格差という虚構(ちくま新書)
5 科学的根拠に基づく最高の学習法(KADOKAWA)

を読みました。

1は、中国史に詳しい僕にとっても、酒池肉林で有名な紂王ぐらいしかイメージがなかったのですが、それ自体が後世の創作であり、この本は、甲骨文字で記された占いを読み解くことで、殷王朝の実態を浮かび上がらせ、占いに用いる亀甲にあらかじめ細工をしておいたり、先々の天気や出産日の占いが当たったように記録を改ざんすることで、王朝のカリスマ性を維持しようと腐心いていたことなどを、知ることができました。

2は、さらさらと読めましたが、スポーツがしばしば、政治的失点の挽回の手段として利用される一方で、選手がフィールドに政治を持ち込んではいけないという不文律についての是非のようなことが書かれていました。

3は、好き嫌いがあるでしょうね。本の構成が独特で、エッセイとしてもかなり変化球が効いており、普通に投げただけでは決して当たらないところに潜んでいる人には、こうした内容が当たることもあるのでしょうが、少なくとも今の僕には、受け止めるところがなかったです。

4は、難しいですね。知的に負荷がかかり、歯ごたえがありました。一気に読み終えることはできず、途中休憩が必要です。次々と概念を持ち出しては叩き壊して、心の落ち着きどころを作らせない感じです。
この本を読んで、自分の志向する変化変容に資するかと言えば、そういう感じでもないですが、視野は広がります。ただ、自分なりに答えを持っていないと、拠り所を壊されて終わり、なので、きついかもしれません。
この本だけは、相当取りこぼしながら読み進めたので、再読したほうがよさそうです。

5は、今はやりの本ですね。
僕が今の部門の予習としてはじめに取り掛かった、自分の受けた説明を、自分なりに咀嚼し、文字に落としてみるといった手法は、学習法として有用であるということも書かれていました。
社会人として試行錯誤して、自分なりに到達した学習法について、お墨付きをもらったという感じでしょうか。

ただ、この本を読もうというところに行きつくまで、学習に対する意欲を高めることが、今日から中学生になる、下の子どもの最大の課題であり、今は学ぶことの楽しさが、オンラインゲームの有用性とか達成感にかなわないから、ゲームから抜け出せないでいるようなことも書かれていて、現状、その通りだなと実感した次第です。

 この土日を、学びに時間をまとめて投入できたことは、新年度の幸先としては、まあよかったのではないかと思います。

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