つつみたい母と、つつまれたいお肉は相思相愛。
父はハンバーグが好きだけど、
母はめったにハンバーグを作らない。
理由を聞くと、「なんか、芸がないもん。」と。
父は、芸のあるなし関係なく、ただハンバーグが食べたいだけなのにね。
母はピーマンの肉詰めを作る。
台所を覗いて父は言う。
「詰めんでええやん。」
母はロールキャベツを作る。
お鍋のフタを開けて父は言う。
「つつまんでええやん。」
まるで夫婦漫才のようなやりとりが、ちょっと可笑しい。
どこまで行っても平行線なふたり。
交わることのないほどよい距離が、父と母にはちょうどいいのかもしれない。
父になんと言われようと、母はひと手間かけて、わざわざお肉を野菜の中に入れる。
母としては、家族の健康のことを考えてのことだったのかな。
このひと手間は、きっと母の愛情なんだね。
母がハンバーグを作るのは年に2回。
父の日と父の誕生日。
待ちに待ったハンバーグの日。
ひとり2つ盛ってあるハンバーグを見て、父は小皿を持ってくる。
「1つは明日食べるから。」
と、楽しみを分けるところが父らしい。
こんなに喜んで食べるんだから、もっと作ってあげればいいのにと思うけど、母は頑なにハンバーグを作らない。
母曰く「メニューを決めるのは、作る人の特権よ。」とのこと。
母の手料理で育った私も、お肉を包みがち。
そして、昨日私も包んだのです。
柔らかいキャベツにひき肉を。
キャベツに包まれたお肉は、ぬくぬくとコンソメスープのお風呂に浸かってご機嫌のようす。
くたくたのキャベツの中で、スープの旨みを吸ったお肉はふわふわに。
とっても美味しくなってくれました。
お肉のきもちになると、熱々のフライパンでジュージュー焼かれるより、キャベツに守られほどよく温められる方が心地よさそうだな。
美味しくできたので、写真を送ると、
父からひと言。
「つつまんでええやん。」
お決まりのツッコミをいただきました。
お肉のご機嫌をうかがいながら、ほっこり温まるロールキャベツを作ってみませんか?
3ステップレシピ
【お肉がよろこぶ♪ロールキャベツ】
1.キャベツ4枚を茹でる
2.合挽き肉160gにみじん切りの玉ねぎ(1/2個)、卵1個、塩コショウ、パン粉大さじ2を入れて混ぜ4等分にする。
3.キャベツで肉だねを包み、コンソメスープ、ケチャップ大さじ2で20分〜30分煮込む。
はじめましての方は、自己紹介ものぞいていただけると嬉しいです!
*自己紹介*
https://note.com/sima_sima_/n/nbc588ef217a1