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猫短歌:きみの春だよ

こんなにも春が待ち遠しくない冬は今までなかったでも春は来た/銀猫
こんなにもはるがまちどおしくないふゆはいままでなかったでもはるはきた

 次男猫は、大きくて重くて食いしん坊で甘えん坊で、そしてやさしい猫でした。

 一月に余命二ヵ月を告げられたので、わたしは春が来なければいいと思っていました。叶うことはありませんが、そう思っていました。
 しかし、だんだんと春の気配が進み、現実を受け容れなくてはならない時がきました。
 それでも、

雪解けの春をいっしょに迎えたい
桜の春をいっしょに迎えたい(当地では四月末)
ライラックの春をいっしょに迎えたい(当地では五月半ば)

そう思いながら彼のお世話をしていました。雪解けだけは、かろうじて間に合ったように思います。春の方が、彼の旅立ちに合わせてくれました。

 この記事に使わせて戴いたヘッダー画像の黄色い花束も、とても美しいですね。美しい黄色い花束を、ありがとうございます。

 四日間にわたっての猫挽歌におつきあいいただきまして、ありがとうございました。
 何年も放っておいた短歌を再開する気になったのは、猫との日々を形で残しておきたくなったからです。その大きなきっかけは、昨年の次男猫の闘病と彼との別れでした。

 猫短歌を作らせてくれている次男猫に、そして、いままでわたしと暮らしてくれた、いまも暮らしてくれている猫たちには、感謝以外に捧げるものがありません。

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