見出し画像

短歌:粋には返せない

 昨日の短歌、連作にしましたので、昨日分の再掲とともに。

リピートで「月が綺麗」と囁いている君がいま夢に降り立つ/銀猫
りぴーとで「つきがきれい」とささやいているきみがいまゆめにおりたつ

「死んでもいい」なんて返しはできなくて「ずっと綺麗だったよ、月」と/銀猫
「しんでもいい」なんてかえしはできなくて「ずっときれいだったよ、つき」と

 「月が綺麗ですね」にまつわる夏目漱石の逸話は、それに対する返しも有名で、いちばん有名なのは、

「死んでもいいわ」

でしょうね。

 このあたりは説明すると長くなりますので、興味をお持ちの方は、「月が綺麗ですね 返し」などで検索していただければよろしいかと思います。

 この逸話をご存じなければ、この連作自体がまったく意味不明になっておりまして、悪しからずです。

 それにしても、日本人の言語コミュニケーションって、奥ゆかしかったのですねー。いまからでも少し懐古したい。



この記事が参加している募集

サポート戴けた場合は、書籍購入など研鑽のために使わせて戴きます。