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一般人には違いが分からないデザイナーのこだわりに価値は無い。って話

先日こんなツイートをしました。

僕も一応新卒や若手のデザイナーを管理している傍、明らかに「頑張る方向が違うんだよな〜」って人が多いのですよ。
思考変えるきっかけがないと、経歴5年前後のデザイナーでもその無駄をやってる人は多い。

今日はコレを簡潔に解説していくよー!


一般人には違いが分からない「差」に価値は無い。その1


その1。

簡潔に言ってしまうと、80点でOKなものに対して100点を狙う、この20点分が価値を生まないデザイナーの作業であることが多い!
生産性も最悪。

例えばWebデザインの現場を例にすると、

グラフィックもコーディングも一通りデータができた。
顧客の要件は全て満たしている。
あとはいつでも納品できるだろう。
 ↓
会社の仕事は他にもあるが、それらは納期に少し余裕がある。
というような状況で。
 ↓
・「マウスオーバーのアニメーションがちょっと気に入らない」
・「矩形の角丸の丸みを少し調整したい」
・「ほんのちょっと色の彩度を調整したい」
こんなことを考え、手をつけてしまう。

こういう場面だね!
なぜなら、このような状況で一手間加えたデザインって、「その差」の違いがデザイナーではない一般人には分からないものがほとんど
僕たちのいる業界において、一般人には違いが分からない「差」に価値はほぼ無い。

つまり、その作業って一手間加えた工数に対して価値は0円。
むしろ君の工数やその時間でできた他の作業のロスを考えるとマイナス。

残念ながらこれは事実。
だからここで思考を変えてみよう。

パレートの法則を知っているかな?
8:2の法則、ニハチの法則、なんて言われたりもする、比較的有名な法則。

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これは「全体の上位2割の顧客が、全体の売上の8割をあげる」という法則なんだけど、この法則は世の中のあらゆる場面に応用できるとされているんだ!
本題を例にすると

「80点を取るのに全体の2割の時間がかかり、残りの20点を取るのに8割の時間がかかる」

となる。

丁寧で真面目な人ほど、「お客さんのため」だとか「失敗が怖い」とかで残りの20点に時間を費やしちゃうんだけど、そこに時間をかけるならその時間で別の案件なり自己学習なりをやるべき!これは断言する。

例えば学校のテストや資格や検定で考えてみよう。
あれのゴールって「合格すること」だよね。
で、合格するのに必要な点数を取ればいいのだけど、それって決して100点じゃないよね?

80点で合格できる資格Aと資格Bがありました。
XさんとZさんは、どちらの資格も欲しくて勉強しています。
勤勉なZさんは無意識のうちに勉強の目的が「100点を取ること」にすり替わってしまいました。
少しでも分からない問題があるとその度に調べ、それを繰り返すたびにBの勉強時間が少なくなってきました。
そして試験を迎えた結果、、、。

・Xさんは、AとBを80点で合格!
・Zさんは、Aは100点でBは70点。Aだけ合格。

こんなことになってしまっては本末転倒だよね。
こういう事例って結構あるあるだよ。

仕事やビジネスでも同じようなことが起きる。
例えば美容師!

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美容師は髪を切ることを専門学校で学んでる人が多いけど、経営を本気で学んでる人はほとんどいない。
彼ら彼女らは、美容院へ就職後もひたすら髪を切る訓練や勉強をする。美容師にしか分からないわずかな「差」にとことんこだわり抜いた訓練ね。
でもさ、僕含め多くの一般人にとって、「自分に似合う!気に入る!」以外に、美容師ごとのカッティングの技術差って分からないよね。

だからこそ、そのわずかな差を産むための労力は、もっと経営なりマネジメントなりの勉強に当てた方がいいはずなんだよ。

よくボ○ビーガールとかのテレビ番組で、昔からの夢だったという理由で、お金がなく経験も浅い美容師が無理やり店を作っちゃうみたいな企画をやっていたりするけど、結局数ヶ月後にはお店が潰れちゃってたりするわけ。潰れたことは放送されないけどね。

でもそりゃそうだよね。
髪を切ることしか勉強してこなかったのにいきなり経営なんてできるわけない。マーケティングもマネジメントもできるわけない。

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話が長くなったけど、

「80点を取るのに全体の2割の時間がかかり、残りの20点を取るのに8割の時間がかかる」

このパレートの法則をよく理解して、「今ここに時間をかけてこだわるべきなのか」ということを今日から意識して自問自答してから仕事をしてみよう!
きっと効率が上がるはずだし、80点でOKなんだ!って実感する結果が待っているから!


一般人には違いが分からない「差」に価値は無い。その2


その2。
「デザインの良し悪しは企画設計の部分で8割が決まる」から!

一連のデザインプロセスの中で、企画設計はマーケやディレクターがやっていて、装飾部分だけデザイナーが担当する。って職務分掌のワークフローは多いよね。
でもこのワークフローの場合、デザイナーがいくら小手先のこだわりに時間を掛けたところで、企画設計の段階でそもそもの良し悪しはすでに決まっているのよ。

クソまずい料理の盛り付けがいくら綺麗だって、それは「クソまずい料理」という評価にしかならないでしょ?

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だからこそ「本当に良いもの」を作りたいなら、その労力をマーケやブランディングや経営知識を学ぶリソースに回して、少しでも早く企画ができる人間になる努力をするべき。
むしろこの努力がデザイナーとしての本来の姿であり、上流工程の理解や勉強意欲につながる。
それはつまりアートディレクターやクリエイティブディレクターに近づく努力になるんだよ。

でもそれは分かっていても、どうしても調整したくてムズムズするぜー!ってことはよくあるよね笑
ここで間違った方向に頑張ってしまわないようにするには、「自分の行動が結果にどのような変化を起こすのか」を事前に考える必要があるよ。

・納品可能なデータは完成している
・顧客の要件は満たしている
・基本設計は変えられない
 ↓
・最終調整として長方形のボタンに角丸をつけたい

という先ほどのWebサイト制作の場面でいうと、自分自身にこんな問いかけをしてみよう。

例えば、
・問1:角丸をつけることにどんなメリットがあるのか
 → A:クリック率が上がる確証がある
 → B:個人的にヴィジュアルのバランスが整う

・問2:角丸をつけることで収益に影響があるのか
 → A:コンペ案件で受注可否が決まる
 → B:受注済案件なので、自分のこだわりが報酬を高めることはない

みたいなことだね。

この問いに対して、Aの答えが出たのなら角丸をつけよう。
なぜなら良い未来が確約されるから。

対して、Bの答えが出たのなら対応をグッと堪えて見送ってみよう。
なぜなら自己満足の可能性が高いから。
デザイナーは自己満足よりも他者満足を優先に考えなければいけないよ。

あと問2のように「収益」については絶対に考えるようにしよう。
収益を考えないで作業している若手は多い。
お金よりやりがいだ!って言う子もいるけど、それは稼いでから言おう。
君の働く会社が収益ゼロでは君の給与は払えない。残業するならその残業代が案件利益から引かれるのだ。
そもそも良いデザイナーとは付加価値や市場価値が高いのだから、必然的にお金を稼ぐスキルがある。

「お金と仕事を切り離して考える癖」があるデザイナーは、思考チェンジが必要だ。

P.S.
もちろん誤解の無いように断っておくけど、細部までこだわるべき仕事ってのはもちろんある。
クライアントの期待を超える成果物を納品する意識ももちろん必要。
合格点の成果物であることはもちろん大前提。

僕が言いたいのは、クライアントの期待を過度に超え過ぎていたり、超える場所や方向性を間違ってしまうことだよ。

決して実力もないのに手を抜けと言っているわけでもないよ。



・優れたデザインを作れば自ずと評価され、仕事や顧客が舞い込む。と思ってるデザイナーに観てもらいたい動画。



とにかく「良いもの」を作っていれば仕事がもらえる、昇給できる、などと信じ、自分が作る成果物に100点を目指そうとするデザイナーはとても多い。
もちろんビジネスにおいて信用を得ることはとても重要な視点だよ。

でも、果たしてそれはユーザーに求められているものなのか?
誰かの悩みを解決しているのか?

これらが満たされてなければ、社会に必要がないものを作っていると言われても過言ではない。
その時点で信用もクソもない。

必要がないとは価値がゼロのこと。
価値がゼロなことに何時間費やしてもそりゃ利益にはならない。
ゼロに何を掛け算しても答えはゼロなのだ。

それを自己満足というね。
さっきも言ったけど、デザイナーは他者満足を第一に考えなければならない。
しかも、クライアントとコンシューマーのそれぞれの満足を考え、両者から評価を受けることになる。
こういう環境で日々仕事をしている自分を客観視すると、常々デザイナーの仕事はとても過酷だなと思う。

ちなみに、待ってるだけでは顧客はこないから、マーケティング施策の必要性ももちろんある。
でも勘違いしてはいけないのが、マーケティングとは「社会に必要のないものを売るための手法」ではないということ。

マーケティングとは社会やユーザーに求められ、誰かの悩みを解決できる良いものが、必要としている人たちのもとに正しく届けてあげるためのものだ。

ただの自己満足な製品をいくら宣伝したところで、人々が求めていなければ広まることはない。


つらつらと書きましたが、皆さんの仕事の糧になれば嬉しいです。


---🦉---


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