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ラベンダーの苗木栽培において致命的なミスをやらかす。

こんちわこんちわ、ラベンダー栽培家のエフゲニーマエダです。
今年ラベンダーを本格的に育てはじめて6年目になるんですが、本業片手間に畑管理をやっているので相変わらずミスをやらかします。
ミスるときはしっかりミスるんですね。
ちゃんと栽培管理の時間大事につくっていかないとなぁーと思うばかりです。

さて今回何をやらかしたかというと、管理上の不備で越冬苗木にダメージを与えてしまいました。昨年より本数を増やしていたとはいえ。
苗木の保管場所について油断したために雪腐れ病にかけてしまい、おそらく本数を減らしてしまいました。

●雪腐れ病菌に侵されたラベンダー挿し穂たち

矢印の先に付いてるオレンジ色の粒が雪腐れ病の菌核

何をやらかしたかというと、菌類に対して抵抗性がまだ弱い挿し穂苗のトレーを露地・地べたの上に置いて越冬させてしまったんです。
これが苗トレーを雪腐れ病菌まみれにする致命的なミスとなってしまいました。。。

いくつかの挿し穂苗トレーのいろんな箇所で雪腐れ病菌の被害がみつかってしまいました。
オレンジ色の粒が付着している部分はしっかり葉っぱがしおれて枯れてしまっていますよね。おそらく雪腐れ菌の侵食を受けたためとみています。
かえって緑色で新鮮な葉っぱには菌核が付着していません。

品種によっては被害の大小がみられる?

挿し穂苗トレーを全体的にみてみると、雪腐れ病の菌核が多数発見された箇所を中心に葉っぱの枯れが目立っているようでした。
現状でだと消石灰を溶かした水なんかを浴びせて殺菌してやりたいところなんですが、挿し穂にカルシウム成分を吸われて発根生長が鈍化してしまっても嫌なのでしどろもどろな状態です。
大きく育ったラベンダーの株相手なら生長鈍化を気にすることなく石灰散布ができるんですが、小さい挿し穂相手となるとなかなか気を遣うんですよね…

挿し穂トレーはそれぞれ品種ごとに分けて作ってるんですがこう全体的に見ていると、もしかするとラベンダーの品種によって雪腐れ病にかかりやすいか抵抗性があるかの違いがあるのかもしれません。もしかするとですが。


▶︎雪具され病菌について

越冬したラベンダー株の枝に着く雪腐病の菌核 - 2022年4月

雪具され病菌は何種類かいることは知ってるんですが、ウチのラベンダーがよく罹っているオレンジ色の小粒(菌核)が付くタイプについて調べてみると恐らくですがTyphula phacorrhizaというやつでした。
ググってみると似た写真がたくさん出てきます。

「雪腐れ病」について調べてみると、主に北海道や東北など積雪寒地でのイネ科農作物栽培(麦や牧草など)する農家にとって頭を悩ませる典型病害のようなんです。
そしてイネ科ばかりでなくシソ科低木のラベンダーにも見事罹患する、と。。。

積雪地においては多少の罹患は避けられぬ運命のような地域特有の植物病でもあるっちゃあるんですが。。。
今回のケースでは、挿し穂トレーを置く位置を考えれば防げたんですよね。


●どうやら野ネズミの雪下活動エリアに病害発生が集中する?

えーでここからが考察パートなんですが、数年前の積雪量が多くネズミ食害が1,2号木枠花壇に集中した年があったんですね。確か21年春だったハズ。

この年雪解け時期にやたら雪腐れ病に罹ったラベンダーたちが多かったのをよく記憶しています。
21年の被害が大きかった時点ではネズミの活動領域と雪腐れ病罹患率の高さについて関連があるとは思っていなかったのですが、、、

挿し穂トレーを置いて越冬させたエリア
野ネズミが安置物のまわりをウロウロしている形跡があった

今年の裏庭の露地に挿し穂トレーを並べ置いたケースだと、ネズミがトレーの周りを闊歩している形跡が認められていたので野ネズミが雪腐れ病菌を運んできていることの関連が強いことを確信したワケなんですよ。


●挿し穂の生存率を下げない対策

挿し穂はまだ発根・自立栄養生長までこぎつけていない状態の子たちなので、無菌環境で発根しある程度大きくなるまで面倒をみてやる必要があります。
晩秋までにこれを忘れなければいいんですが、具体的な対策としては、まず土(露地)の上には置かない事を守ることです。
これにより、少なくとも元来地面・土中にいた雪腐れ病菌が挿し穂苗まで上がってくるリスクを抑えることができます。
次に、挿し穂トレーを越冬保管する位置はコンクリート面か無機的な敷物の上で保管する事ですね。
地面に接地しないようコンクリブロックなどで浮かせて保管するのも罹患リスク低減に繋がります。
木材は菌類の橋渡しになってしまいそうな素材なので避けるが無難そうです。
あとは野ネズミの侵入を避けられる保管構造にする事でしょうか。


若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。