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【蒸留日記 vol.129】北見ハッカ'北斗'花芽かきとその蒸留。

こんちわこんちわ。
ここ最近、味お気に入りのカレー屋さんが30km先にあるんですけど、かれこれ2度アタックして2度とも食べれずじまいを繰り返しているエフゲニーマエダです。
けれどもカレーがたべたすぎるので敗戦戻りしなすき家カレーでごまかしてみたり無印カレー食べてみたり気になるカレールー試してみたりと5、6日連続でカレーを食べてます。
それくらいカレー熱が高まってる(カレー食べたい欲の消化不良とも)最近でっす。

さてさて蒸留日記のナンバリングを見てもらえればと思いますが、死ぬほどめんどくさくなってラベンダー蒸留記事を10本くらいサボってます。
順調に書き進めてったとして、このハッカ初蒸留記事が蒸留実施から数ヶ月後とかになりそうな危機感じたのでラベンダーはすっ飛ばして先にミント系記事を書くことにしました。
今日1日中雨だったしね。


●ハッカの花芽かき

実際のところ、「花部位をかき落として葉茎の伸長を促す」この花芽かき作業がハッカを栽培する上で必要なのかどうなのかはわかっていません。

あくまでラベンダーを4、5年栽培してきた上でのラベンダー栽培ノウハウをベースに作物栽培管理を考えただけで、ハッカにとって必須かどうかは考えたことがなかったのです。


そもそも論なんですけど、ラベンダーはなぜ花が咲いたら刈るのか?
というと、花に溜まっている美しい香りの精油を採るためであり、それがいわゆる収穫作業なんですね、ラベンダーにおいての。
園芸的には株を弱らせないために、花が咲いて花見に満足したら穂を刈ってあげるという栽培管理も存在しますが。

いっぽうハッカないしメントールは花から採るのではなく、キャベツやバジルのように葉っぱから採ります。
なので葉っぱがたくさん欲しい、つまるところ葉っぱの量が一番多くなったときが収穫どきとなるので、どうやらハッカの収穫は秋頃になるようなのです。(北見ハッカをネットで調べたところ)

でもその間には確実に花が咲きます。
バジルの栽培においては、花が咲くのを避けるようにひたすら頂芽を収穫していくようなんですが。。。

ラベンダー栽培の常識で考えると、花を咲かせてしまうと株の成長パターンが体を大きくする肥大成長から種子を作る花穂成熟成長にシフトしてしまい、植物体がそこまで大きくなることがなくなってしまいます。

これを避けるために一応花は刈っておこうか…という見解にいきついたワケです。
まぁ時間ができたときに、北見市にあるハッカ栽培の聖地である「北見ハッカ博物館」を訪ねて栽培知識を学んでこようと思ってます。
北海道の反対側なんでマジで時期見合わせてますけどね。
ハッカの世界にもラベンダーのファーム富田みたいな博物館的スポットがあるんすよ。

●ハッカの花

スペアミントと北見ハッカの花比較

都合よくスペアミント(オランダハッカ、ミドリハッカとも)も花を咲かせていたので、同じシソ科ミント属に属している仲間同士で花を比較してみます。

ヨーロッパにおけるミントの仲間(洋種ハッカ)で有名なスペアミントはその学名(Spear=槍のような)の通り、花茎の先端にラベンダーのようにまとまって花が集中する花穂をつけます。
しかも主茎につく花は3・5対で花穂が出てたりとヒロハラベンダーないしシソ科植物の固有の特徴を持っています。

一方の和種ハッカである北見ハッカは花茎の中腹あたりの節から花をつけるんですよ。
スペアミントは葉っぱと入れ替わるように花が付くのですが、ハッカの場合は葉っぱと花が一緒に節に付く変わった形態をしています。
小さい花自体はシモツケ(Spiraea sp.)を思わせるような形態で群生してますね。

■葉っぱを繁らせたいので花を落とす管理作業

さてさて花芽かき当日の裏庭ハーブ畑のようす。
アキレアを刈ってしまってからは花がなくなってしまったので寂しい景観になってしまってますね。。。
アオイ鉢植えたちも開花シーズンが過ぎて種子形成段階となっているので寂しくなっています。

本来はハーブ畑開拓記事の8月後半パートの1節に打ち込む程度のつもりだったのですが、結果的にハッカの初蒸留となってしまったので蒸留記事にすることになりました。

ハッカにつきはじめた花たち
葉っぱを繁らせたいのでとりあえず摘花する

すっげぇ「おやおや?」と思ってることがあって、ハッカがまっすぐ上に大きくならず寝込んだり、イチゴのランナーのような状態で茎が這い回り始めてたりしてるんすよ。
元畑の土をそのまま流用してるせいで富栄養すぎるのか、水分が多すぎるのかめっちゃ心配してるんですが、なんせちゃんと育てられてる本物のハッカを見たことがないので正解がわからないおいらです。

ミントの仲間だから湿地だと元気にやってけると思ってるんですがいかに。。。

で、写真に写ってるハッカの花々。
ハッカの花はわりと花茎?の中腹くらいから大きい順についてきます。
なので摘花しようとするとわりと葉っぱごとバッサリいくことになります。

で、かれこれこの摘花作業も3回目なんですよね。
回を追うごとに花の量が増してきて今回ついに25Lバケツを持ち出しました。マジで量が多くなってきてる…

どこを切るか?ちゅうと、花がついてる一番付け根の節をみていただくと、花芽ではなく側枝が伸びてきている箇所があるのがわかるかと思います。
この写真1枚目だと頂芽から5、6節目に分枝が見えてますよね。

この写真だと掴んでる節から5節目。

花は落として分枝の箇所は残す

これだと2節目まで花芽(つぼみ)がついてて以降3節目だと枝が伸びてきてます。
この分枝している節手前(いわゆる花穂?)で切り落としてこの分枝を大きくさせるワケです。
さすらば、ハッカは次の枝で花を咲かせようとさらに大きくなってくれるハズなのです。わからんけども。

こんな形で30あまりあるハッカ株の摘花を施していきます。すると・・・

雨水込みでの重量だったので多少乾かしてから再計測することにした

「花芽かき」とは言ってますが大量の葉っぱと茎ももれなく収穫できてしまいました。バケツ重量854gを差し引いても1キロ超えの収穫重量。

こんな大量のハッカを蒸留してみないわけにはいかないので、早速蒸留します。

■蒸留準備!

30分程度、可能な限りハッカ花茎を刻んだ。目が取れそうになった。

とはいっても同日ラバンジン蒸留も行なっていて、まだ蒸留釜が空いていなかったのでその間に精油が出やすくなるよう素材を刻むことにしました。

去年同時期のミント蒸留において、「刻まずそのまま蒸留したパターン」or「葉茎を刻んで蒸留したパターン」とでは、確か刻んで蒸留にかけた方がおぼろげながら時間と収油率が上がってた気がしてたので、ミント蒸留にならってハッカも刻んでみることにしました!

…まぁ刻んでる相手はメントールを65%も含んでいるとされるハッカ相手。
なので玉ねぎ刻むのとはまたワケが異なるムスカ大佐状態(目があぁぁ!)
だって目の前にメントールの塊があるんだもの。。。

収油率計算のための重量再計測。
濡れてないバケツに移し替えてハッカの重量を測ってみると1102グラム。
50グラムぐらい精油か雨水か水分が飛んだな…

刻んだおかげでうまいこと釜に収まった

で釜に1キロあまりの刻んだハッカ花茎をぶっこむ。
刻まない状態だと確実にあふれていた物量だったので結果的に刻む選択しててよかった。

本来ハッカはメントールを得るために栽培・蒸留するので、1、2週間くらい乾かして余計な精油分を取っ払ってから蒸留するそうなんです。
が、うちはそんな巨大メントール生産業に加わるつもりはなくひんやりスプレーを作りたいだけなのでとにかく粗油の状態であろうと量を取ることに注力します。涼しくなれればエエんや…!!!

北見ハッカの花はうっすらピンク色をしているよ

はい、蒸留に供される直前の北見ハッカの花でも。
一応葉っぱオンリーの蒸留ではなく今回は花芽の蒸留ですよ〜感を示しておきます。葉っぱも大量に巻き込んでしまったのでね…

あ、えーと蒸留時間は試しに1時間半の設定で。
終わったあともう30分ほど回してみて、ベストなハッカの蒸留時間を探ってみるつもりです。

■蒸留結果は…!?

蒸留開始10分時点でのようす。
やっぱり刻んだことで精油の抽出速度がめちゃ早まってる気がします。
早くも精油めっちゃ溜まってる。そしてミント同様に蒸留水が水溶性成分で白く濁る!

生ハッカ1キロ程度から得られたハッカ精油
ハッカ蒸留初回の収油量は12.5mLとした!

スペアミントに比べて多めに精油が得られてる気がしますね!
さすがは清涼成分抽出のために選ばれた作物ハッカなだけはある…

1.収油率 - EO Yield

ではハッカ花茎の収油率をみてみましょう。本来の葉茎(Leaf&Stem)ではなく花茎(Flower stem)だとどうなるのか。そのデータとり兼ねてです。

[ 抽出量 12.5ml ]÷[素材重量 1102g ]x 100 = 1.134%

8月北見ハッカ'北斗'花茎の収油率

以外にも1%超えてきましたね!ラベンダー花穂のみ蒸留の数値と並ぶくらいの高収油率です!
いや〜去年のスペアミント蒸留でもちゃんと各処理方法に応じて収油率計算しとけば比較できたのになぁ〜と後悔してます。

2.香りとか - EO Scent

蒸留したての室内はまさにハッカ焚いたなとわかるくらいにはハッカのパワフル、いかつい香りで溢れます。

蒸留水も確かにハッカ的な香りを感じますが、肌に塗りたくってもメントールのひんやり感は感じず。ひんやり成分=メントール等はあくまで精油に回収されているようです。
おまけに、蒸したヨモギのような甘さと青臭さが蒸留水から香ります。
強いて言えば…カキドオシの蒸留水に似た香りがしてますね。

で、お楽しみのハッカ精油の香り!
さすがは一時期世界のメントール生産首位の座を欲しいがままにしていた北見ハッカの’ホクト’精油。
メントールを作る為のハッカに余計な甘さやアロマはいらねぇ!といわんばかりに直接目に効いてくるイカついハッカ香があります。
まじで香りに甘さがあまりなく、ドライブ中眠気覚ましなんかに食べるブラックメンソールガムの苦っ辛いあの味の部分だけが香ります。

あとは肌に塗ってみるとそのメントールの効きが直に伝わってきます。
鼻の下やまぶたなんかにうっすら塗ってみるともう気分はムスカ大佐。
(精油を皮膚の薄い箇所に原液のまま塗ってはいけません)

今回、植物が虫を寄せるためのあくまで花部分から精油を採りましたが、葉っぱのみからだとさらにメントール感のキツい精油が作れてたんだろうなぁと感想を覚えました。
めんどくさくなったのでここで筆を置きます。んじゃ!

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若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。