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カネコアヤノに会うのが怖かった

注)この記事はカネコアヤノ Livehouse Tour 2024 5/7(火) KT Zepp Yokohama公演のネタバレを含みます。

カネコアヤノ Livehouse Tour 2024









カネコアヤノに会うのが怖かった

と言ったら、言い訳になるだろうか?わたしはなると思う。
別にアーティストが好きだけどサブスクやYouTubeで曲を聴くくらいかなという人が大半だとは思うし、それでも収益は(雀の涙かもしれないが)入るんだから、そういうひとたちを批判する意図はまったくない。ただわたしがわたしに、そう思う。

アヤノちゃんに会うチャンスはいくらでもあった。夏の音楽フェスがあんまり好きじゃなくても、アヤノちゃんに会うという目的だけならツアーに毎回応募すれば、いくつかは当たっただろう。良さを熱弁してお願いすれば一緒にライブに行ってくれる友達は何人か宛てがあるのだし。KID FRESINOとの2マンはさすがに申し込んだけど落選した。グッズのポスター、ほしかったけど、おかねがなくて送料が痛かった。

きっと、迷いがあった。ご本人に多大な失礼を承知で言うが、怖かった。
わたしにとってカネコアヤノは、鬱で本も音楽も楽しめなくなって、YouTubeで長尺の同じ動画をなんどもなんども垂れ流していたとき、唯一聴ける音楽だった。「やさしい生活」は惰性と絶望の中にいたわたしを励ますわけではなく、隣に座ってゆっくりとした時間を一緒にやりすごしてくれた。「燦々」は、友達も屋根の色も自分で決めていいよって、わたしの選択を後押ししてくれた。「抱擁」のPVのアヤノちゃんはいつもより儚くて、天使のような女の子だと思った。元気になってきたら散歩をしながら「栄えた街の」を聴いた。自暴自棄よりも早く走るしか明るい部屋はないって、そうだよねって思った。いつまでも変わらない過去に腐ってないで走らなきゃって思った。カネコアヤノの曲はいつもわたしの隣にいた。
カネコアヤノに会って、演奏はすばらしいことにきっと間違いはないんだけれど、グッズにおかねを使いすぎてしまったことへの後悔とか、整理券が悪くてあんまり見れなかったりとか、仕事帰りで疲れていて楽しめなかったりとか、カネコアヤノに関する思い出に少しでもネガティブなことを介入させたくなかったんだと思う。
前述したようにこれは言い訳だ。アーティストも人間なのだからライブやグッズの収入がないと生きてはいけないし、推しは推せるときに推さないといついなくなるかわからない。そうしている間にも時間は進んでる。
だから、5月末の森、道、市場のチケットは気づいてからすぐゲットした。やっと会えると思った。

少し前に新曲のリリースがあって、それを毎日聴いてた。そうしてたら、インスタにカネコアヤノinfoのストーリーが流れてきた。どうやらツアーをやるらしい。大好きなのにツアーやるのも知らなかったなんてばかだよね。ツアーグッズのTシャツと靴ベラは絶対通販で買おうと思って調べたら、通販はツアー開始時にはまだなかった。(多分ツアー後に在庫が残ったものを販売が普通なのだと思う。)
どうしても欲しいと思った。ツアーの初日は横浜、5/7・・・もしかしたら行ける、なんてことある?ってよぎって、Xで「カネコアヤノ チケット」と検索した。上の方に横浜の2枚、指定席のチケット、急にいけなくなったので譲りますとあった。まだリプライはついてなかった、運命だと思った。
DMは解放されてなかったので急いでリプライ、フォローして返事を待った。返事までにちょっと時間があったから、リプライついてないだけでもう決まったかもなと思った。それなら仕方ないなって思った。
でも翌朝返事がきて、譲れますとのこと。わたしはもう行く覚悟を決めた。あとは、2枚あるうちの1枚を譲ってもらうか、だれかを誘うかだった。だめだったら一人でも行こうと思って大好きな友達にLINEしたら、比較的ライブ会場の近くに住んでいる子だったので仕事帰りに行けるとのこと。やった!
二枚でもいいですか?とDMを返して、ドキドキしながら待った。慣れている方なのか、やりとりはスムーズにできた。支払いと譲渡の手続きが終わって、チケットが確定した。やったー!!!

仕事は今月からフルタイムになって17時終わり、ライブは18:00オープン、19:00スタート。横浜までは30分くらいだから余裕なんだけど、仕事は定時に秒で切り上げていくことにした。

前日にファミマでチケットを引き換えて、リュックに入れたよ!って友達に確認のLINEして、翌日仕事をがむしゃらにやって、PCの時計が17:00になった瞬間退勤した。

友達は18:30くらいに来るから、入場してドリンク引き換えてグッズ売り場に急いだ。Tシャツの黒、靴ベラ、ツアーグッズではないんだけどぷくぷくねこしーる(これがちょ~かわいい、スマホに貼った)を買った。トイレでTシャツに着替えたりしてたら友達が来て、規定時間の10分前くらいに入場した。

2階の指定席はめちゃくちゃいい席だった。前列ではないけど傾斜があって見やすいし、ど真ん中の席。少し背のびしたらステージが全部見える。
Xでチケットを譲ってくれた人のポストを見たのを思い出した。うろ覚えで申し訳ないけど、この日のためになにもかも頑張っていたのに体調を崩して行けなくなってしまった、せめて譲った人が楽しめますようにと書いていた。DMでも最後に良いLIVEを!!と書いてくれた。ここに来れなかった人の分まで楽しまなきゃと思った。

照明が暗くなって、アヤノちゃんがでてきた。あ、存在したんだ、生きてたんだって思った。ギターがかき鳴らされて、メロウな雰囲気のセッションがはじまり、それから花ひらくまでがはじまった。正直そのあとのことはよく覚えていない。あとからXにセトリを載せてくれている人がいて、それをみてそうだったなあって思ったくらい。

ベースがいいなって思った。ドラムは半裸だったけど、力強いだけではなく、めちゃくちゃ繊細な演奏もしていた。ギターは(演奏技術のことはわからなくて申し訳ないのだが)音作りが神だった。
アヤノちゃんは、前にひざで、後ろに腰でリズムをとっていた。かわいい。
時には手を振り回して、楽しんでいるのがわかった。1F前列の人が楽しいよー!って叫んだ。最高の空間だと思った。もし誰にも迷惑がかからず、この人たちが演奏を続けてくれるなら、わたしは今ここで死んでもいいなって思った。
ロマンス宣言には沸いた。気分と月明りは今までそんな聴いてなかったのだけど、めちゃくちゃ良くてこれから死ぬほど聴こうと思った。燦々では泣いた。そのあと恋しい日々ととがるでめちゃくちゃ沸いて楽しくて感情がおかしくなった。カーステレオから、懐かしいね。

ラッキー→さびしくないで締められた。勝手にだけど、ツアーを回る人もいれば私みたいに初日が最後って人も大勢いて、また会う日のためにこの曲をやってくれたのかなって思った。やっぱり天使だなって思った。

MCはなかった。途中までMCいつかな、グッズの紹介あるのかな~と思ってたけど、途中からないことを願っていた。ずっと全力で演奏だけをやってくれて、最後はありがとうございました~ってアンコールもなしに帰っていった。かっこよすぎ。でもさびしくなかったよ。ありがとうね。

がっかりすることなんて何もなかった。すべての曲が空間と完璧に調和していた。バックバンドも、(メンバーは最近一人変わってた気がするけど)、この人たちじゃなきゃだめだった。すべてが完璧だった。

5月末に森、道、市場で会える。またライブとは違った雰囲気、セトリで楽しませてくれるんだろうな。

もう私はアヤノちゃんに会うのが怖くない。

おわり


おまけ:セトリ
ソースはXの方です。ありがとうございます。画像やこちらの情報に何か問題があればコメントください。

花ひらくまで
車窓より
ロマンス宣言
愛のままを
気分
わかりやすい愛、丈夫なからだ
春の夜へ
月明かり
りぼんのてほどき
わたしたちへ
ぼくら花束みたいに寄り添って
腕の中でしか眠れない猫のように
閃きは彼方
燦々
恋しい日々
とがる
カーステレオから
ラッキー
さびしくない


アヤノちゃんとギターの林さん(ex.踊ってばかりの国)
ちなみに森道では踊ってばかりの国にも会えて、こちらも同じくらい楽しみだったりする
終演後。呆然としていた…
ポスターは現地になかった気がします。
Tシャツ着てウキウキ自撮りマン
黒いTシャツに黒いねこなのでよくみないとわからない


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