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SIGNOTE02 SIGNATEのデータマネジメント

SIGNATEの#オープン社内報『#SIGNOTE』
第2弾の今回は、SIGNATE社のデータマネジメントとデータ活用支援を司る
Data Management GroupのVP(Vice President)として活躍する加来(かく)さんにお話をお聞きしました。

― お疲れ様です!まずは加来さんのことを教えてください!

加来 前職は、新卒で入社したITコンサルティングの会社で、ITコンサルタント、兼Web エンジニアをしていました。主な業務内容としては製造業やプロスポーツ業界のお客様に対して、いわゆるDX支援をしていました。
プライベートでは昨年育休を取得しまして、今は0歳児のパパをしています!今日はよろしくお願いします!

― ありがとうございます!よろしくお願いします!

残された時間は、あと半年

― 加来さん率いるData Management Groupについて教えてください!

加来 まだ私一人の部署なのですが、社長直下で会社全体のデータマネージメントと、データ分析活用支援を担っています。一応VP(Vice President)という役職ではありますが、実はまだ私一人の部署です(笑)

― 2022年4月のカーブアウト(CO)のタイミングで設立された新しい部署ですよね。

加来 はい、そうです。SIGNATE社はもともと東証プライム上場のデジタルホールディングス(旧オプトホールディング)の子会社だったのですが、ある日齊藤さん(社長)から「2022年4月にグループからのCO、事業独立を予定している」という話がありました。これが2021年9月という、あまり時間が残されていないタイミングでした。
そのタイミングで、ちょうど齊藤さんと1on1で直接話をする機会があり、会社全体のデータマネジメント、データ分析支援を推進していきたいという想いを伝えて、部署設立に至りました。

― 私も一緒にCOプロジェクトに参加しており、当時のことを覚えています。薄々そんな空気は感じていたものの、はっきりと残り半年しかないとわかり衝撃でした。MTG後にメンバーで「えっ…?」となりましたね(笑)

加来 そうでしたねw事業独立自体はポジティブに捉えていたのですが、問題は社内の管理体制整備。グループ会社に管理体制システムを委託していたため、早急に内部の管理体制システムを整える必要が出てきました。独立に伴い会計システムを刷新する必要があったので、まず売上周りから着手しました。

社内の基幹システムを刷新

加来 こちらが当時の売上まわりのデータ基盤なんですが、Googleスプレッドシートで商談や契約を管理し、Googleデータポータルで可視化するというシンプルな構成になっていました。データ品質の低さ、企業名揺れや履歴の追いづらさ、意図しないところを修正してしまう等、多くの課題を抱えていましたね。他にも案件における売上の収益認識(計上)を手動対応しなければならないパターンがあるなど経理現場に負荷がかかっていたり、確定した売上情報はわかるが受注見込みの高い案件情報がすぐわからないという、経営管理的な視点においても多くの課題がありました。

加来 そこから私が行ったファーストステップとしては、まずデータ品質を上げるため、新たな入力システム(kintone)を導入し、BigQueryにデータを一元管理するところから始めました。kintoneで、「企業」「商談」「契約」等の単位で管理し、それをembulkでBigQueryに集約。そこからスケジュールクエリで簡易パイプラインを構成してMetabaseで可視化する、という構成に変えました。
これによって、もともとスプレッドシートにあったぐちゃっとしていた情報を精緻化し、入力制御を加えることで、データの品質が圧倒的に上がりましたね。。加えて、kintone上で「企業」に法人番号を自動付与する機能を実装する等、管理を強化する施策もどんどん行っていきました。
収益認識を考慮した売上処理の自動化はSQLで行い、受注見込みの情報を経営判断に利用できるよう様々な形のものをSQLで作成しています。

― さすがですね~!

加来 ありがとうございます。ここまでは、やりたいことを優先して行えてよかったのですが、すぐに新たな課題に直面しました。

― 事件発生ですね?!

加来 はい。新たな課題は3つでした。
1つ目が「ジョブ追加、再実行の複雑さ」です。単純な時間のバッチ処理をしていたので、処理失敗した時や新たなジョブを追加したいとなった時に、修正後の再実行等がかなり面倒な構成になっていました。例えば、ジョブとジョブの間に新たなジョブを追加したいとなったら、その間の時間内で終わるのか?あとのジョブを全てずらすのか等の考慮が発生し、待ち時間以外での実行は全て手動実行する必要もあり、、、とにかく変化に弱い構造でした。
2つ目は「SQLの可読性の低下」です。上述の通り、ジョブの追加が面倒すぎて、Metabase、BigQueryのスケジュールクエリ内に長く複雑なロジックのSQLが増えていきました。
3つ目は「見えない依存関係」です。各テーブル間の依存関係が分からないため、記憶で修正して、修正後に落ちて直してという場当たり的な対応に終始していました。あのカラムを直したら多分こことここにも使ってるはずだぞ、とか。
このままだとちょっと苦しいな、と思っていた時にdbt(data build tool) に出会いました。

Sales&Marketingのデータ活用にチャレンジしたい

― ここでdbt導入に至るんですね!

加来
 dbtによって先ほどの課題をすべて解決できただけでなく、開発スピードも爆上がりしました(笑)

― dbtめちゃよいですね!

加来 はい!モデル数でいうと、今一人で50以上を管理しています。dbtに複雑なロジックを全部集約することで、BI側のメンテナンス負荷が大幅に下がり、かなり快適になりました。おかげで、マーケティング/販売/財務/会計/労務/その他もろもろの情報を、全て私の方に集約・加工しながらデータ活用を進めている状態です。ちなみに、ここまでは管理側の話ばかりでしたが、他にプロダクト側のデータマネジメントも行っており、2つのdbtを動かしています。

各領域のデータ基盤の整備は終わりが見えたので、次はSales&Marketing領域のビジネス課題に紐付いたデータ活用の強化にチャレンジしていく予定です。

dbt Tokyo Meetup#4でのLT

― そんな経緯もあって、先日行われた「dbt Tokyo Meetup#4」のLTに登壇されたんですね!私も視聴しました。社外のイベントに出てみていかがでしたか?

加来 もともとdbtのslackコミュニティで、dbtの導入事例の募集をしていたのを見つけ、イベント登壇することになりました。登壇してみて、SIGNATEで抱えていた課題と同じような悩みをもった人が多いな〜という共感があったのと、また自社にも使えそうな他社の工夫を聞けて良い経験になりましたね。
私自身も含め、うちはあまり社外への発信が得意ではないのですが、今後は、もっと自社の技術やデータ活用、その他先進的な取り組みを発信していけたらと思っています。

― 素敵ですね~~!👏👏ぜひ社内の他のメンバーにも、いろんなチャレンジをしてみてほしいと思いました。
加来さん、今日はお話を聞かせていただきありがとうございました!


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