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偶然と想像 今年最後に今年最高の映画!

12月も後半になって参りました。札幌は遅かった雪が深々と降り始めております。ホント、雪が降る時ってこうも静かなのかしら。不思議な静かです。

今年は、
映画「ドライブマイカー」を見て、すっかり濱口竜介監督のファンになり、他の映画も観たいなーと思ってたら、、、地上波初放(BS)を発見!
年末ラッキー!?
一番見たかった「偶然と想像」でした。

「偶然と想像」は、3部作の短編オムニバスで、「ドライブマイカー」(三時間を超える長編?!だったので)より見やすい?のかなーと思ったら、また違った緊張感で、短編でよかったかも!?と思うほどの、濃厚さでした。どの話しも、「濃厚」がピッタリかも!?(個人的感想)

その中でも一番好きだったのが、3番目の話、「もう一度」。

「あなたは、幸せなの?」
突然、主人公、夏子が、もう1人の主人公、あやに、問いかけるセリフ。
問われた、あやは、
「そんなこと考えたこともない」と言いながら「世間からは、そう思われるかもしれない。わたしは、その時その時を、一生懸命生きてきただけ。」と自分の心情を正直に話します。

そして
「あなたは、幸せなの?」
と問い返すあやに、夏子は、
「私は、全然幸せじゃなかった。」と答える。。。。

「幸せ」ほど人それぞれで、主観的なものなのに、客観的に自分を見なくてはわからないのもはないのではないでしょうか。
この客観的とは、世間とか人の目ではなく、「そうは思っているけど、本当なのか?」と自分が自分に問いかける、そして自分に正直に答えるということなのだと思います。

そしてこの、ダイレクトすぎる質問に
誠実に応えられる人はどれくらいいるのでしょうか。
人は、自分以外の人、身近な人や愛する人に幸せであってほしいと思うのに、なぜか自分自身の幸せに、あやふやだったりします。

静かな日常の空間なのに、ある種の緊張感。
 一度も向き合ってこなかった2人が、別の形で初めて向き合い始めた、瞬間でした。

私は、もし突然こんな質問されたら、ドキッとします。

そうやって、心の葛藤はある種のスリリングで、
自分の核心に向かうか、逃げて遠ざけるか、
どちらの選択を取るか、、、、自分の中で起きていることなのですが、
緊張の瞬間があります。 
私達は無意識にこの緊張を避け、自分の核心から遠ざかってしまいます。でもこの緊張を突破し、ちょっぴり、嫌、かなり怖い!?本当の自分に続く道を選択する時、新しい扉が開きます。

・お互いに空いてしまった穴で、今も繋がっている。

赤い糸は切れても、切れた糸をぶら下げながら生きていれば、他にぶら下がっている糸と絡まって、違う人にまた繋がるときもあるのかもしれない。
赤い糸の道筋は、そうやって拡大しているのかもしれない。

正にタイトル通り、「偶然と想像」。
そして「想像」は、創造につながるな~と、何かが生まれた感じがした、オムニバスの最後のストーリーでした。大変良かったです!

2022年今年観た濱口監督作品「ドライブマイカー」、「偶然と想像」は、どちらも、韓国でも中国でもない、「日本文化」って感じがして(個人的感想)とてもうれしい作品でした。

今年は、大好きなホラー映画、「ナイトメア・アリー」「アンテベラム」と(どちらも悪夢!?の映画))2本観ましたが、どちらもとても良かった(おすすめ!)ですが、珍しく日本映画が私の中の今年の一番でした。

あっという間に、2022年が終わってしまう!!!
来年の映画が楽しみだな~。
ホラー映画も!!!!

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