見出し画像

出張に延泊の楽しみがあったとき

2月20日、BS-TBSで「麺鉄~メン食い鉄道 絶景の旅」を見た。六角精児と市川紗椰出演。今回は舞台が東北。見ていると八戸線が出てきた。
自分も仕事柄、全国を訪れてきた。八戸は何度か泊まったことがある。それも特に意図はせず。縁のある土地かもしれない。

出張は、業務によって訪問するので、万遍なくではなく、時期によって偏りがある。
知らない土地を歩くことが好きなので、出張にくっつけていろいろな土地へ行った。
例えば、博多に出張したときは、帰路を飛行機ではなく、新幹線を使い、途中下車して呉線に乗り広島市や呉市を訪問した。青森に出張した際には日本海側を経由して秋田内陸鉄道に乗って帰京した。
時間がかかる行程なので、出張は極力週末になるように調整したものだった。自分は、このように出張を楽しんでいたのだが、そうでない方もいた。博多で夕方業務が終わり、同行していた方に「これから飲みに行きますか」と誘うと「いや、すぐ東京に戻ります」と言う。自分は飲んだ後、自費で博多に泊まることにしていたが、その方は一刻も早く東京に戻りたい考えの方だった。そのうえ、飛行機嫌い。当時、東京・博多間の新幹線は5時間以上の行程。1日10時間以上新幹線に乗ってでも東京の自宅で帰ってくつろぎたいのだと。自分は博多の夜を楽しみたい性分。もったいない気もしたが、人それぞれだから、攻めるのはおかしい。


自分の出張行程は、飛行機や新幹線以外に普通列車を組み合わせることがあるので、その場合、通常の想定金額より安く算出される。領収書を提出すると経費担当から電話がかかってくることがある。
「東京から福島経由福井の領収書が想定よりかなり安い金額ですが間違いありませんか?」
「間違いありません。想定額より安いはずですから問題ないですよね。福島から東京へ戻り、新幹線で米原経由で福井という行程ではなく、在来特急で新宿から南小谷、そこから各駅停車で糸魚川、さらに在来特急で福井へ向かいましたので」
「・・・そうですか。想定より安いのですから問題ありません」
というやり取りがあり、その後はすんなり領収書が通っていたのだが、担当者が変わり、また問い合わせがあった。
「博多から鹿児島までの出張費に関して質問があります」
話し方に不信感がにじんでいた気がするので、くどいほど丁寧に説明。
「博多から川内まで新幹線。そこで途中下車して普通列車で鹿児島中央へ向かいました。想定額より安いはずですから問題ないと思うんですが」
「どうして川内で途中下車を?」
不審の念を持っている気がしたので、自分も強く言ってしまう。
「お昼になったのでランチを取りました」
ここの駅弁を買いたかったのである。
「・・はあ、そうでしたか」
「ランチの後、普通列車に乗り換えました」
「新幹線ではなくて?」
なおも聞いてくる。
「1駅間だけ新幹線に乗っても少しだけ早くつく程度だし、割高なので」
と答えると、ようやく
「わかりました」と引いてくれた。
ただ、この新担当は、想定額との差が気になるのか
「想定額より安価なので問題はないのですが、どのような行程で移動していますか」
といつも聞いてくるので、忙しいときは煩わしいものだった。
上司によっては、想定額と差があるときは安価な時も確認するようにと指示する方だったのかもしれない。

ただ、あるときに、役員から「出張業務が終了した際には直ちに帰任すること。自費で、それが休日であっても延泊は認めない」という通達が出た。労働法上の問題もあるのであろう。だが、現場からは、かなり不評であった。今まで何十年も慣行とされて実施されていたことが許されなくなる。海外旅行の際など、1週間の行程であってもスタッフが協力し合って1、2日で業務を終え、あとは観光というパターンも多かったと聞く(・・自分ではありません)
現場からの反発が多かったのか、数か月して、出張地の近隣に実家がある、あるいは親類がいるなどの理由があるときは、事前、もしくは事後速やかに届け出があれば許可する、と内規が変更された。親類が近くにいるという理由書もその住所を届ける必要はないので、理由書を書く手間は増えはしたが、元の状態に近くなったといえる。
自分とよく名古屋へ出張していた鉄ちゃんのK君は安堵しただろう。名古屋からだと新幹線ではなく、中央本線経由で在来特急乗り換えで、ゆっくりと景色を楽しんで帰京するという経路もある。そのような楽しみは残してほしいものだ。

#出張 #旅行 #BS -TBS #麺鉄 #六角精児 #市川紗椰 #東北 #八戸線 #博多 #広島 #呉 #呉線 #福島 #福井 #南小谷 #糸魚川 #鹿児島 #鹿児島中央 #川内 #米原 #新幹線  

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?