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バルセロナ紀行

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2019年5月20日(1日目)
バルセロナ初日、快晴。昨晩トラブルなく到着し、早朝、初めてのヨーロッパを散歩して、空気を肌に馴染ませる。


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<バルセロナパビリオン>
あくまでもパビリオンなので、ほとんど機能を持っていない建築だが、石、鉄、ガラス、それぞれの素材が持つ特性に従って空間を構成しているような、極端に洗練された空間だった。


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<モンジュイックタワー>
とても高いタワーで、その形態も美しいのだが、根元のピンで支えている部分が想像していたよりもかなり細く、構造技術の高さを見ることが出来た。


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<グエル教会>
地面を削り出して作られたかのような、荒々しい仕上げの空間だが、天井を構造梁のリブで覆い、後述のそれぞれの教会建築においてもそうだが、天井を見上げるように作られた建築として、ここに関しては、天井が低いながらも、構造体とその素材の特性を生かした天井の作りが見事だった。


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<サンタカテリーナ市場>
色鮮やかなタイルで作られた屋根は、想像よりも効果を感じることが出来なかったが、木材と鉄骨で作られた屋根裏の歪な空間が、賑やかな市場の演出を担っており、働く人や買い物をする人に寄り添って作られているように感じた。


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<MACBA>
ガラスのファサードとホワイエのスロープによって、展示室と全面の広場が繋がれて、外部空間も一体となったような広い空間の使い方がとても良かった。


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<カサ・バトリョ>
どこを見ても細部までしっかりと作り込まれていて、どのようにして設計の意図を作り手に伝えていたのかが不思議でならない。それと同時に、機能を持った建築において、ここまでのことが出来るということを目の当たりにして、建築の可能性の領域が、自分の中でかなり広がった。


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2019年5月21日(2日目)
今日は早朝にグエル公園に向かい、有料のゲートが作られる前に入場を済ませて中を散策。サグラダファミリアは想像していたよりもずっと感動してしまい、少し予定を変更して長い時間を過ごした。


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<グエル公園>
人工地盤が柱によって支えられており、柵としても見えるベンチやモニュメントが、砕かれたタイルによってカラフルに仕上げられている。
つまり、土木も建築もアートも境目なく作られており、また、人工物と自然物の区別も曖昧になるようなランドスケープと相まって、とても不思議な空間体験だった。


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<カサ・ビセンス>
ガウディの処女作というこの建築は、あまりにも豪勢で完成度が高く、計り知ることの出来ない力量を見せつけられた。


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<カサ・ミラ>
広い敷地に建っていて、幅も奥行もかなりあるが、大きく取られたライトシャフトによって、各部屋はとても明るい。ディテールについては、カサ・バトリョと同様、驚くばかりだった。さらに屋上庭園では、たくさんの人があらゆるところで記念撮影をしている。どこを切り取っても絵になる空間というのは、改めて素晴らしいと思った。


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<グエル邸>
空間の設えは前述のガウディの建築のどれよりも豪華で、自然界に発想を得た造形やディテールを、至る所に見ることができたが、それはあくまでも装飾としての傾向が強いように感じた。


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<.バック・ダ・ロダ橋>
2本のアーチのライズが低く抑えられており、道路から流れるように繋がっていて、とても美しい。


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<サグラダ・ファミリア>
天への敬意を払う教会の特性と、ガウディの自然界から着想を得た建築表現が、とても相性良く合致して素晴らしい空間となっていた。さらに当時ではとても到達出来そうにない完成像に向かって建設を始めたという信じがたい現実と、それが完成しようとしている途中に立ち会えたということが、とても嬉しい。


<まとめ>
かなり駆け足でいろいろ見て回った中で、やはりガウディの建築はとても独特で異端だが、何故かとても居心地の良い空間となっていて、それがとても印象に残った。
ガウディの建築を見て回る中で、その強烈な個性と独創によって作られた空間が、とても特徴的だが、それでいて普遍的でもあるように感じられ、自然物をモチーフにしていることや、独創性の重要さを感じた。また、保存状態が良く、綺麗に管理されていることからも、人々に愛される建築であることがわかり、そのような幸せな建築を目指すことには意義があるということを確信した。


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