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わたし

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今まで経験してきた、「わたし」というものを形成している出来事をまとめました。
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#エッセイ

届かない自分の声

僕は自分の声が嫌いだ。

声変わりする前はそんなに気にしたことはなかった。みな声変わりする前の声は高くてかわいいものだ。

初めて自分の声が嫌だなって思ったのは、声変わりが終わった頃。おそらく中学2年生あたり。自分の声が入った動画を見た時、気持ち悪いと思った。たぶんほとんどの人が経験したことのある、違和感を感じるあの感じ。できるだけ自分が喋っている動画は見たくないのが正直なところ。

自分の声を聞

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あだ名

あだ名

「二郎さん!久しぶりじゃん!」

そう僕に言ったのは、50過ぎくらいの元気のいいおじさん。

バイト先のお客さんです。最近は勤務時間が短くてなかなか会えてませんでした。

なぜそのお客さんが僕のことを「二郎さん」と呼ぶのか、勘のいい人や年齢層高めの人ならわかると思います。

そう、坂上二郎さんです。欽ちゃんこと萩本欽一さんとコント55号で活躍された芸人さんです。

僕の苗字が坂上だから、坂上被りで

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