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肖像 ~東日本大震災の記憶~③
山形 光弘 先生
山形先生のお父さまは大船渡の地でセメントの石を運ぶというお仕事をされていたが、先生が21歳の時に亡くなってしまわれた。山形先生は四ツ谷の呉竹学園で鍼灸・あん摩マッサージ指圧を学び、大船渡の御自宅にて開業された。
2011年3月11日、大震災当日。「先生はどちらにいらっしゃったんですか? 」と朱鷺(shuro)が伺うと、先生は「申告に行ってたのです」。隣町、盛町の農協会館で集
肖像 ~東日本大震災の記憶~②
井上 正敏 先生
井上先生は、大船渡の地に生まれ育ち、代々続く鍼灸院を継がれて診療を続けられてきた。評判を聞きつけて、岩手のあちらこちらから患者さんがいらっしゃる。御自宅兼治療院は、海から1kmほどの海抜15m程度の御自宅で治療院を営まれ、木造の薬屋も隣接されていらした。
その日、地震の揺れは凄まじかった。今までの揺れと違い、「津波が来るな!」と思ったそうだ。先生の御宅の建つ場所は地盤が固
肖像 ~東日本大震災の記憶~①
新里 勤 先生
神奈川県川崎市に生まれ、静岡県三島市で小学校3年生までを過ごされ、その後、父方の伯父に呼ばれて岩手県大槌町へ。伯父さんは大槌にて洋品店を営まれ、その「暖簾分け」ということで、一家で転地。未だ見たことのない東北の地、どんなところなのかと不安に感じつつも、引越しして来られた。
静岡では雪を抱く富士山を見て育ったが、実際に雪に触れたのは大槌に来てから。そして、冬の寒さには驚いたとお