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アートを愉しむ人たちが集う場所をつくろう!『サイタマアートコロニイ-記憶のありか』展レポート

別所沼公園にあるヒアシンスハウスは立原道造が自分の創作のために設計した小屋としてばかりではなく、ここで様々な芸術家が集まるコロニイの構想もその発想の根底にあったと推測される魅力的な場です。

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この場所で、2021.9/11より

「サイタマアートコロニイプロジェクト-ヒアシンスハウス編-」

が12/5まで開催されています。

そのプロジェクトの中で開催された9日間(2021.10/30-11/7)の展覧会「ヒアシンスハウスアートコロニイ-記憶のありか-」展をレポートします。


プロジェクトの全体の概要は以下を参照ください。


展覧会は、さいたま所縁の作家による、様々なジャンルの芸術文化活動を紹介し、アートコロニイを体感できる企画です。「記憶」をテーマに3人の作家が展覧会会期中滞在制作、作品発表、ギャラリートークを行い、関連ワークショップも2つ開催されました。紅葉の美しい別所沼公園を舞台にした9日間のプログラムを紹介します。

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展覧会チラシ

●展示作品紹介

展示作品1

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「青写真の瓦版-2021」
浅見俊哉

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7本の木材で制作した看板に、新聞紙の上に日用品を焼き付けたフォトグラム(サイアノタイプ )を展示。7枚の新聞は毎日朝入れ替えられ、会期中合計63枚の作品が展示された。公園を散歩する人、ランニングする人、釣りをする人など、日常生活で公園を利用する人たちのルーティンの中に作品を鑑賞する機会をつくりたいと考えた。

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公園で出会った方との対話の一部を記録した映像
コロナで感じたアートについて様々な思いを伝えてくれた


展示作品2

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記憶の容(かたち)-生きていた舟1.0-
石上城行

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制作を公開する中、様々な人たちが集まり、作品について訊ねていました。

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石上さんの、アーティストトークでは、ヒアシンスハウスを見て、頭の中にあることが形を持つこと、またこの場所が太古、海であったことが作品制作のインスピレーションとなったと作品を紹介しました。

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作品搬入の様子

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日没後はまた日中と雰囲気が変わり、幻想的なイメージに。スマホのライトや懐中電灯を照らしながら鑑賞する方もいました。

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●パフォーマンス

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「万博」
藤井彩加

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ヒアシンスハウス前庭で、ダイナミックなパフォーマンスを披露

良い天気の中、公園を利用している多くの方が足を止め、作品との関わりや別所沼の環境も生かしたパフォーマンスに見入っていました。

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作品のプラン資料



●実施ワークショップ紹介

ワークショップ1

「記憶の容―生きていた舟―」を鑑賞して別所沼の古代魚を作ろう

講師:矢花俊樹(金工家、元 埼玉県立近代美術館エデュケーター)

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展示作品、「記憶の容(かたち)-生きていた舟1.0-石上城行」で、参加者と対話による鑑賞を行った後、その鑑賞体験をもとに、この幻想的な空間に合わせた古代魚をイメージし、家庭でも簡単にできる「簡単キッチン鋳造技法」で錫製のオブジェを制作するプログラムを実施しました。始めて行う鋳造体験に参加者は興味津々、黙々と制作をしていました。

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ワークショップ2

「言葉と写真で綴るわたしの発見」
講師:加藤典子(加藤こどもの造形教室主宰)

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別所沼公園の中を廻り自分だけの発見や心動かされる何かを見つけ、それを子ども自身がスマホで撮影し短い文章にまとめました。それぞれの発見場所を全員で廻りながら感じ取ったものを言葉と写真で発表し、共有共感していく活動は、「自分の美しい、綺麗、好きといった気持ち」を誰かに伝え、誰かの同じ気持ちを味わう時間をつくりました。後日、「言葉と写真集」として参加者に郵送するワークショップを実施しました。

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自分の見つけた「自分だけの発見や心動かされる何か」を発表する様子


●レクチャープログラム

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11月6日(土)13:00~17:00 別所沼会館大会議室では、
「別所沼公園のヒアシンスハウスができるまで」と題し、講師:津村泰範(長岡造形大学准教授)さんに、立原道造のスケッチや書簡を元に、構想や思想を共有し、そのヒアシンスハウスを今日どうつくり、活用しているのかをお話いただきました。この企画は、「ヒアシンスハウス・夢まつりの中の講演として実施」し、主催:ヒアシンスハウスの会/企画協力 JIA埼玉、SMFで開催しました。

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会期中のヒアシンスハウスには、全国から様々な方が訪れました

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別所沼公園の自然を守る会の方から別所沼の歴史を聞く


9日間の展覧会の会期は天気にも恵まれ、合計1454名の方が集まり、作品やヒアシンスハウスをきっかけにして様々な対話が生まれました。

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スタッフの記念写真


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埼玉新聞 2021.11/5掲載


ご来場いただいた皆様ありがとうございました。

プロジェクトは12/5まで続いていきます。

2021.11/30まで、アンケート調査「これからの文化芸術活動を創造する為のアンケート」を行っております。このアンケートは、ウィズコロナ時代の文化芸術活動を共に考え、新たなアートプラットフォームを築くために
ウェブ上、プログラム参加者へ行っています。より良いアートの場づくりのため、あなたの意見をお聞かせください。

アンケートへの回答は以下のサイトからお願い致します。

https://docs.google.com/forms/u/1/d/1hjxeEymE91CD98W86juZWfdDAcCEFwSOM9Vpt9mNOFg/edit

このプロジェクトは、埼玉県文化振興課「令和3年度オール埼玉で彩る文化プログラム公募事業」の助成を受け、SMF(サイタマミューズフォーラム)が実施しています。詳しいプロジェクトの詳細は下記リンクを参照下さい→http://www.artplatform.jp/


アンケートの結果を元に、2021.12/5には

SMFラウンドテーブル「これからの文化芸術活動を創造する為の対話集会」

を開催し、意見交換を行う予定です。

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上記プログラムの申し込みは下記予約サイトからご予約をお願い致します。

https://reserva.be/smfartcolonyproject

全てのプログラムは、Covid-19や天候などの影響により中止、または内容変更になる可能性があります。予めご了承下さい。

主催:SMF(サイタマミューズフォーラム)/助成:令和3 年度オール埼玉で彩るプログラム公募地域リーディングプログラム部門/協力:ヒアシンスハウスの会・新木場倶楽部

プロジェクトディレクター:浅見俊哉

プロジェクトコーディネーター:三浦清史

お問い合わせ:smfartnagaya@gmail.com




⚫︎写真作家・造形ワークショップデザイナー ・キュレーター・「時間」と「記憶」をテーマに制作。2012年〜ヒロシマの被爆樹木をフォトグラムで作品制作 ●中之条ビエンナーレ2019参加アーティスト ●さいたま国際芸術祭2020 市民プロジェクトコーディネーター