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Vol.11 運動後にプロテイン!+α

運動後にプロテインを飲むのはおなじみです。
そこにもう一工夫を加えたらパフォーマンスにより効果的なのではないかということの調べ学習の続編です。
前回は プロテイン+糖質 でしたね。
    ⬆︎上の文字を押すとその記事に飛べるので

     興味があればぜひ読んでみてください。

今回は運動後にタウリンを摂取したらどうかという事を調べました。

タウリンと聞くと何をイメージしますか?

おそらく 栄養ドリンク か ポケモン だと思います。

寺田先輩がリポビタンDを100本当てて蹴球部員に配っていたのが懐かしいですね。
皆さんの中にも、疲れた時や連戦の時に栄養ドリンクを飲む人はいるのではないでしょうか。
そういったものをただ人から勧められて飲むよりも、何でそれを飲むと身体に良いのかを理解して摂取する事で、より効果的なのだと思います。(プラシーボ効果ってやつですね。)
また人に勧める事もできますね。
(僕は食品会社に就職するわけでもないので、このマガジンを読んで実践してくれるかどうかは実際どうとも思いません。ただ、こういうのもあるよという紹介に過ぎません。)

それでは見ていこうと思います。

参考論文

タウリンによる運動後における筋グリコーゲン再合成の促進


○そもそもタウリンってなに?

タウリンと聞いて、「プロテイン=タンパク質」というように、それが何かがわかる人って意外と少ないと思います。

タウリンは含硫アミノ酸化合物の一つです。
含硫アミノ酸→その構造原子に硫黄原子を含むもの

要はアミノ酸の一種って事です。

しかしGoogleで "アミノ酸"と検索してもタウリンはおそらく出てきません。

必須アミノ酸9種類と非必須アミノ酸11種類の
20種類のアミノ酸が出てくると思います。

ちなみに必須アミノ酸9種類は体内で合成できず、非必須アミノ酸11種類は体内で合成されると言われています。
優先度的には必須アミノ酸を積極的に取り入れた方が良いのです。
よってEAA(必須アミノ酸9種類が入っているサプリメント)BCAA(筋肉合成に特に使うバリン・ロイシン・イソロイシンの3つのアミノ酸が入っているサプリメント)をアスリートやボディビルダーの多くの人がとっているってわけですね。

アミノ酸に関しては面白そうなのでサプリメントと関連つけて今後書こうかなと思います。

タウリンは非必須アミノ酸のシステインというアミノ酸が体内でタウリンに変換される事で働くようです。

なんか優先度的にはとても低かったり自然ととれてしまうんじゃないかと思ってしまいますが、それでも注目されている理由があるかもしれないので見ていこうと思います。


○今回の実験

今回はマウスを使った実験です。
25m/minの速度で90分間トレッドミル走行をしました。
これは血中乳酸濃度が急上昇し始める強度で、
LT(乳酸性作業閾値)を少し超える程度の強度です。

このスピードで90分間以上は走れなくなるマウスが出始めるそうです。人でやったら相当過酷な実験だったんですね...
LT(乳酸性作業閾値)
→血中乳酸濃度が急増する領域


運動直後にタウリンを投与したマウスと生理食塩水(水)を投与した(コントロール群)群に分け、ゲージに戻した。
運動後6時間までのゲージ内での自由運動量をタウリン投与群とコントロール群で比較した。また、トレッドミル走行を行わせなかったマウスともそれぞれ比較した。

○結果

・運動量

水を投与したマウス<運動をしていないマウス

⬆︎これは当たり前です。走れなくなるまで走ったマウスよりも動かないマウスはどんだけ運動嫌いなんだって話です。

タウリンを投与したマウス>水を投与したマウス

この結果から見るとタウリン投与により効果があったとされます。

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⬆︎がグラフです。
平均値は6時間で1500m程も差が出ていますね。
やはりタウリンは効果的なのかもしれません。


タウリンを投与マウス(=)運動をしていないマウス

これも興味深いですが、詳しい数値は書いていなかったのですが、優位な低下は認められなかったようです。


・運動後3時間及び6時間における筋中及び血中の基質濃度

・血中グルコース濃度
・血中遊離脂肪酸濃度
・肝グリコーゲン濃度
・腓腹筋グリコーゲン濃度

の4つを調べたところどれも、タウリン投与と水投与で差はありませんでした。

運動量に1500mも差があるのに、ここでは差がないという事です。

1500mも余分に走っているという事はそれだけ筋グリコーゲンを利用していると考えられるのに、沢山走っても走っていない群と同じ値です。

そこで次の実験に移ります。



○筋グリコーゲン再合成の実験

先ほど同様に90分間のトレッドミル走行をさせた直後にタウリンを投与した群と水を投与した群に分けた。

運動後は2時間安静に保ち、1時間ごとに筋の組織を採取し基質を見た。

また運動後に自由に食べ物を与えず、グルコースのみを与えた条件で血中グルコース濃度を見た。



○結果

・筋グリコーゲン濃度

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白がタウリンを投与した群です。
回復2時間後における筋グリコーゲン濃度が有意に高いのが分かります。

・血中遊離脂肪酸濃度

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遊離脂肪酸
→脂肪組織から血中に放出され、エネルギー源として活用される脂肪分

これに関しては1時間後はタウリンを摂取した群が高く、2時間後は水を摂取した群が高かったです。
正直これに関してはなぜ調べたのかがわかりませんでした。勉強しなおします。。


・血中グルコース濃度

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タウリン投与群の方が濃度の低下が有意に早かった。これは血中のグルコースをより早く筋肉に渡している事を意味します。よってタウリンが筋グリコーゲンの再合成を早くしているという事です。


○実験まとめ

タウリン投与は長時間運動後の筋グリコーゲン回復に効果的ではないかといことが示唆されました。
これはヒトで行った実験があれば気になります。
でも人間に対してもタウリンは効果的ではないのかなと思います。


○しかし日本の栄養ドリンクの認識はどう?

筋肉の回復に効果がありそうな事はわかっていただけたかと思います。しかしながら日本での栄養ドリンクの認識ってどうでしょう。

大塚製薬のリポビタンDを例に挙げて紹介します。

ファイト一発でおなじみですが、成分を見てみます。

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(大塚製薬のホームページより)

タウリン1000mg配合
タウリン推しのドリンクってことで良いかと思います。


ここでリポビタンDのCMをみてみてください。

これをみた人は、

運動前に飲むのが良いのか!

起きてすぐ飲むのが良いのか!

と思いそうではないですか?

研究結果からすれば運動後のリカバリー飲料として飲む事が良いと思うんですけどね。

真相はわかりません。
僕なりの意見としては

"今日の元気に"

よりも

"明日の元気に"


な気がします。


今回はタウリンに焦点をおいた回復法を見てきましたが、いかがでしたでしょうか。タウリンを推奨しているわけではないですが、栄養ドリンクを飲むなら運動前よりも運動直後が良いのでは?とは思います。

なるほど!と思ってくれた方は実践してみてください!!

参考

https://www.orthomolecular.jp/nutrition/amino2/


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