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「パエリアが食べたい」宇宙飛行士のツイートがスペインで“炎上”した理由【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.58】

現在、ISSに長期滞在しているシェーン・キンブローはスペイン語も交えて「オラ! エスパーニャ!(こんにちは! スペイン!) 先日、サラマンカ上空を通過しましたが、トルメス川が目に飛び込んできました」と、宇宙から撮影した写真を添えてツイッターに投稿した。

だが、そのツイートの2文目が問題となった。

「宇宙食でパエリアが食べられればいいのに……」

スペイン紙「バングアルディア」によると、この一文に対し、ツイッターユーザーから以下のような批判が即座に降り注いだ。

「パエリアはサラマンカの典型的な料理じゃない。名物米料理はチャンファイナだよ。ああ、この無知な観光客のような宇宙飛行士が!」

パエリアはスペイン名物の米料理として知られているが、もともとはバレンシア州発祥とされている。一方、同国メディアの「OKディアリオ」が紹介するサラマンカ風チャンファイナは、羊肉や米を加えた煮込み料理だ。

謝意表しつつ「郷土推し」のコメントも

「バングアルディア」の報道によると、キンブローへのツイートには、以下のような反応があった。

あるツイッターユーザーは「サラマンカでチャンファイナやソーセージではなく、パエリアを頼んだら、宇宙まで蹴り飛ばされちゃうよ」と、コミカルに返答。

「パエリアはスペイン中にあるわけじゃなく、サラマンカから1000キロ離れたバレンシアにあるのです。でも、私たちの美しい都市について書いてくれてありがとう」と、誤解を正すツイートもあった。

もちろん「まあ結局はスペインの代表的料理だし、宇宙飛行士が世界の各地域の名物料理を知っていなければいけないというわけではない」という擁護の意見も。

「サラマンカでは、代表的な米料理はパエリアではなく、チャンファイナです。でも、スペインの中心であり、宇宙の中心でもあるこの街を思い出してくれて、本当にありがとう。あなたもみなさんも、いつでもいらしてくださいね」などと、謝意を表しつつも、ちゃっかり地元自慢をしたツイートもあった。

同紙によると、「パエリアは、スペインの美食界で最も保護され、愛されているレシピの1つ」で、これまでにも具材などをめぐり、ソーシャルメディアで炎上の種となってきた。たとえば、イギリスの有名シェフ、ジェイミー・オリバーがツイッターでチョリソ入りのパエリアレシピを発表した際は、「それはパエリアではない」などというコメントが殺到したそうだ。

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