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二重心理の罠。「政治家、上司、親、教師は、なぜ伝え方に失敗するのか?」

前回からの続きです。

☆ 言行一致の重要性

僕自身の経験ですが、小学生の時に塾のテストで全教科300点中260点くらいとったことがありました。

母は「よく頑張った!」とほめてくれましたが、自分の中に実感はありません。その週は得意ジャンルの問題が多かっただけで、特に頑張ったわけではなかったからです。

そこで「結果よりも過程だ」と母がいつも言っていたので、子供心に翌週はもっとやってみようと思いました。次のテストはうってかわって苦手なジャンルがずらりと並ぶ事がわかっていたからです。

苦手な事に挑戦する過程はもっと「評価」される。そう考えたんですね。
結果は240点くらいでしたが、本人の満足度はとても高い状態でした。
だって、いつもなら210点~220点取れたらOKのテストで240点!!
 
この努力は間違いなかったと子供の僕は誇らしげに母の前に立ちました。
しかし、母はそんな息子を攻撃し、

「さぼったから前週より点が下がった」

と言い放ったのです。小さな僕は、懸命に自分が先週よりどんなに努力したか、どうやって苦手な事を克服したかを伝えました。しかし、感情的に硬直した母は態度を変えようとしません。

あまりのことに「過程が大事だなんて母さんはウソつきだ」と小さな僕は叫んでいました。その瞬間、叩かれて弾き飛ばされた僕は鼻血がのどに入ってくる感触を味わっていました。この出来事は、その後の親子関係にかなり決定的な亀裂を生むことになっていきます。

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☆ 破壊的に失われる信頼関係

母のとった態度と行動は、子供からすれば「うそつきだ。結果でしか判断しない人だ」という認知になります。加えて母は「自分をまったく見ていない、知らない」という認知にもなります。

子供の得意、不得意を知らないし、子供がどう取り組んでいたかもまったく見ていなかった。そう子供に認知させてしまったのです。

もちろん当時の母が実の息子に対し悪意、害意があったのではありません。ただ、自分の失敗を受けいれ、謝罪する事が出来なかった。これは【二重心理】とも呼ばれ、誰にも普遍的に起こっている事です。

言っている事とやっている事が違う。

言行不一致に関してスタンフォード大学の心理学者ケリー・マクゴニガルはこのように述べています。

【リーダーの言っている事とやっている事が違ったら「心理的契約(文書化されていないがお互いが了解している事)」の違反行為とみなされるのです。リーダーの明らかな偽善行為は、その人への信頼を損ね、権威を失墜させます】

【例えば、都合のいい勝手な理由で上司がウソをつくのを目撃した従業員は「その会社にいる人全員が人を騙すような業務に喜んで従事しているのでは」と思う傾向があります】

親、教師、経営者や上司、政治家や官僚。
上下関係の上がウソをついたり、傲慢に振る舞えば、個人がただ信頼を失うだけにとどまらず、その周囲の友人や職業、会社、国家そのものの信用も失われていく。

言行不一致には、波及し拡散するリスクがあるのです。

なので、緊急性の高い状況下で、お肉券とかお魚券とか。
ましてや「マスク二枚!」みたいなアドバルーンをあげて国民の反応を探るメディアの使い方はしない方がいいわけです。

☆ 機会として捉える

一方で、人は言行一致させることで逆境力(レジリエンス)にも人間関係にも有効に作用します。なによりも、そういう状況を創る為にセルフコントロールが上手になれば、自身の幸福感も高くなります。

とはいえ人です。いつも理想的には進みません。
自分の価値観や Vision から離れてもやっとしたり、悩んだりしたら、

「立ち止まる機会」

だと認知してみるといいでしょう。

「私は何をやろうとしていたのか?」
「私は誰を幸せにしようとしていたのか?」
「私は何を大切にして生きていたいのか?」

同じ環境では同じ思考に縛られやすいので、ちょっと環境を変えてマインドフルな状況に自分を置いてあげるといいでしょう。

登山家の野口健さんは大事なことをヒマラヤで決めるとも話されていた記憶がありますが、そこまでいかずとも海や山といった自然の力を借りるとより高い効果を発揮する筈です。

ちょっと立ち止まりたい方は、コロナが落ち着いたら長野のうちの宿にもぜひお越しください。ADDRESSでのご利用も、もちろん歓迎です。
 
美しい南アルプスの山々を感じながら歩き、キャンプでは星を見上げて話しましょう。

 
それと、仲間のコーチである中山さんがやっているアイランドコーチングもおススメです。人生が変わる瞬間を味わえるかも。

というわけで、続きます!

ではでは!!

ありがとうございます。頂きましたサポートは、この地域の10代、20代への未来投資をしていく一助として使わせて頂きます。良かったら、この街にもいつか遊びに来てください。