日々の雑感 day14【Go to キャンペーンが描いた模様④ 辛口のまちの話】
今日は辛口です。はい。
お仕事視点で見た時に、層雲峡温泉の街エリアはとても「残念」なところでした。ただ、これは日本中にあてはまること。
観光先進地と名高い北海道や九州でも、そこかしこに表出している事ですので、昨日のふんわりを布石的に使ってきちっといこうと思います。
☆分断の街
日本の観光における悪い特徴の一つが「回遊性」のないことです。
この層雲峡温泉でも、顧客がホテルや旅館に入ったら二度とその敷地から出ないように囲い込みます。
街であっても街ではない。
顧客はそのホテルや旅館にチェックインしたら、夕食を食べて、呑んで、温泉入って、朝食を食べたらチェックアウトしてさようなら。
つながりのない街。つながりのない店舗。
そこに訪れた人々に対し、街の記憶や思い出が存在しない状況を自ら作り出していきます。
当然、リピートして来る人の確率は、はてしなく低いものとなります。
☆今回のような状況で・・
そんな街でこの春から起こった状況が発生するとどうなるでしょうか?
バイキング形式に見られる人が集まる大食堂は利用できません。
部屋食が出来る旅館やホテルはまだ良いのですが、そうではないところは、顧客がエリアの飲食店を使わざるえないわけです。
僕自身はもともとエリアの飲食店を楽しみたいと気にしていなかったのですが、基本的にラーメン屋さん(その中で丼ぶりもやってる)しかなかったのはちょっと想定外でした(イタリアンはやってたのか閉まってるのかな様相で)。
その結果、1店舗しかないセイコーマートのお弁当やお惣菜は出遅れるとほぼ売り切れで、ちょっと車でセブンイレブンまで買い出しになんてことがお客さん達の間で日常的に起こっていたようでした。
☆観光地のありかたって?
こんな街のデザインですので、お昼時も道内外から車で来る顧客に提供できる食事サービスがラーメン1択みたいな状況になります。
こうした考え方、ビジネスモデルの典型が以前のマクドナルドですよね。
顧客を数として捉え、滞在時間を短くさせて、いかに回転させて数を増やすかで構えていく薄利多売になりやすいビジネスモデルです。
でも、落ち着いて考えてみて下さい。
今の時代にこうした自然のあるエリアに来る人の【目的】は、すぐに追い出されてしまうような滞在時間のない観光でしょうか?
僕はとても「もったいない」と感じていました。
☆スローにスローに
1970年代くらいからの旅行、ツアーと言えばおのぼりさん。スタンプラリーのように一日何か所回ったかを競い、その団体が旅館やホテルで飲めや歌えやとやる、人をとても疲れさせてしまうプランが主役でした。
けれど、その旅行も今はどんどん個人、少人数での「旅」へと変わり、目的尾変化し、今は日常の疲れを「癒す」「回復する」といった言葉がキーワードになっています。
国内でも有数の滝が連なる渓谷を見ながらコーヒーを飲んでくつろげるような空間だったり、日帰り温泉とセットで身体も癒されるようなデザートが食べられたり・・とありそうなものがない。
そんなアイデアや顧客への提案がほとんど見られないので「ラーメンしかないんじゃ上川や旭川でもいいよね」と顧客に判断させる状況を作ってしまい、顧客ニーズに応えた収益化のタイミングを手放してしまっていることはまさに残念、惜しいと思うわけです。
☆同じものの横並びをやめ、デコボコのつながりを
行政組織が得意気に「横展開」とか言いやすいの最近ですが、それって飲食店を全部ラーメン屋にするという話なら明らかに間違いです。もち、道外の人にはウニ、カニ、イクラを食わせとけみたいなのも主観的な誤解といえます。
こうしたカムイミンタラと呼ばれてきた圧倒的な山が醸し出す空気感を持つ温泉地に訪れる人に提案、提供できることは、いくらでも掘り起こせることでしょう。
同じものが一杯よりも、異なるものがいっぱいあって、行く先々であそこも面白い、楽しい、美味しいと聞くから人は「回遊」し、エリアに対してより長い時間を滞在し、より大きな経済効果を発揮することになります。
行政の「横展開」とマーケティングの「つながり」は全く異なるものです。
その認識から今の現在地を受け入れ、俯瞰の目で今という時代と自分達が育んできた地域のリソースを客観、FACTで見ていく。そして、そこから仮説を作り、実行し、個々がアップデートしていく。
そんなプロセスが真の出発点になるのだとやはりで思いました。
ほんと、行政が大事に作り、配る事例集という how-to 本はデメリットばかりで予算の無駄なのはないかと。
「やれることがもうない」という自治体の方々多いんですけど、どこも「やれることは山ほどあります」が実際のところです。
それが見えない場合は、ぜひお気軽に我が社へご依頼を!とステマで今日は終わりましょう。
ありがとうございます。頂きましたサポートは、この地域の10代、20代への未来投資をしていく一助として使わせて頂きます。良かったら、この街にもいつか遊びに来てください。