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「人との関わり方」を再考してみる

警察官時代、いわゆる「非行少年」と関わることがありました。

ある110番の話ですが

「まともに話を聞いてくれないのではないか」

と不安に思いながら現場に向かっていました。

ただその不安とは裏腹に現場で少年と関わってみると大きく違っていたのです。

もちろん最初はウザがられますし、話も聞こうとしてくれません。

ただ最後の方は心を開いて本音を話してくれて、素直に言うことを聞いてくれるようになりました。

ただその後に別の警察官に対応を引き継いだら、たった一言で少年が心を閉ざしてしまいました。

なんとも複雑な心境になったものです。

ただそれと同じような状況が世の中で見えていないだけで、実は多いということを

「ケーキの切れない非行少年たち」
「どうしても頑張れない人たち」

を読んで気づきました。

それを解決するのは当然簡単なことではありません。

ただ今後の私たちに必要だと思ったのは

「じゃあこれから人とどう関わっていくのか」

ということではないか。

「境界知能」にある人と関わるときに「理解できない」と弾くのか、受け入れて理解しようと努めるのか。

弾いた方がラクだけれども、その結果が「非行少年」を生み出しているのだとしたら。

上記の110番の事例では少年と話したのは40分くらいでした。

その40分での関わりだけでも素直に本音を話してくれるようになったのです。

今にして思えばその少年は認知機能が弱い可能性がありました。

それを理解せずに、大人が理解しやすい枠組みに押し込めようとすると心を閉ざしてしまいます。

受け入れて理解しようと努めて、個々人の適性に合った関わり方を模索していく

仕事ならわかりやすいですね。

画一的な仕事をやらせるのではなく、適正にあった仕事をやってもらうようにするということ。

適性を見定めるのは手間かもしれませんがそれが必要かもしれません。

そんな関わり方をしていこう強く感じた二冊でした。

ではでは。

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