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【予習】第81回ヴェネツィア国際映画祭 オリゾンテ部門【作品紹介】


Nonostante(イタリア/ヴァレリオ・マスタンドレア)

ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞 : 
Ride(新人監督賞ノミネート)

 俳優として活躍するヴァレリオ・マスタンドレアの監督作品です。初監督作『Ride』が国内で高い評価を得ています。入院している男性が、ある患者が入ってきてから日常が乱されるようになるという物語のようです。コメディ・ファンタジー的な感じでしょうか。

Quiet Life(ギリシャ/アレクサンドロス・アヴラナス)

ヴェネツィア : 
ミス・バイオレンス(コンペティション部門/監督賞)
サン・セバスチャン : 
Love Me Not(コンペティション部門)

 『ミス・バイオレンス』はJAIHOで観ましたが、なかなかクオリティの高い作品でした。ギリシャのアヴラナス監督は長編5作目、今回はオリゾンテ部門での参加です。難民家族の苦難を描く物語とのこと、ギリシャの監督は変わった作風が多いので今回も楽しみです。

Mon Inséparable(フランス/アン・ソフィー・バイリー)

 女優としても活躍するアン・ソフィー・バイリー監督の長編2作目です。『La ventrière』という短編がいくつかの映画祭に出品されており、満を持してのオリゾンテ部門入りといったところでしょうか。


Aïcha(チュニジア/メディ・バルサウイ)

ヴェネツィア : 
Bik Eneich: Un fils(オリゾンテ部門)

 チュニジアのバルサウイ監督の長編2作目です。チュニジア映画というのは観たことがない気がするので期待が高まります。どうやらある女性が過去から脱却しようとする、という物語のよう。前作に続いてのオリゾンテ部門入り、期待です。

Happy Holidays(パレスチナ/スカンドラ・コプティ)

カンヌ : 
Ajami(監督週間/カメラドール・スペシャル・メンション)

 パレスチナのコプティ監督はアカデミー外国語映画賞ノミネートもされた『Ajami』(日本では未公開)で知られます。既に実績がある監督ということで期待が高まります。

Familia(イタリア/フランチェスコ・コスタビル)

ベルリン : 
Una femmina(パノラマ部門)
ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞 : 
Dentro Roma(短編映画賞ノミネート)
Una femmina(脚色賞、新人監督賞ノミネート)

 コスタビル監督は日本公開作こそないものの、2000年代初頭から活躍しているようです。ヴェネツィア参加はこれが初、青年と暴力的な父親のドラマであるようです。イタリアならではの激しい家族描写になっているのでしょうか。

One of Those Days When Hemme Dies(トルコ/ムラット・フィラトグル)

 トルコのフィラトグル監督はこれが監督デビュー作となる完全新人のようです。トルコと言えばジェイランが思い浮かびますが、どのような作風なのでしょうか。

Familiar Touch(アメリカ/サラ・フリードランド)

 フリードランド監督は長編2作目となるようです。80代の女性の記憶をめぐる物語のようです。近年『ファーザー』という傑作がありましたが、高齢女性をどのように描写した映画なのか期待できます。

Marco(スペイン/ジョン・ガラノ&アイトール・アラジ)

サン・セバスチャン : 
80 egunean(?)
フラワーズ(コンペティション部門/SIGNIS賞)
HANDIA アルツォの巨人(コンペティション部門/審査員特別賞)
La trinchera infinita(コンペティション部門/監督賞)
ゴヤ賞 : 
HANDIA アルツォの巨人(脚本賞受賞)
La trinchera infinita(監督賞ノミネート)

 日本では『HANDIA アルツォの巨人』がNetflixで観られた(現在は消えている)スペイン人コンビ監督による作品です。あらすじには「ホロコースト生存者団体の会長を務め、ナチスの強制収容所を生き延びたと虚偽の主張をしたスペインの労働組合員エンリク・マルコの嘘を暴露する。」とあり、社会派の厳しい話が予想されます。実話ベースなのでしょうか。

Carissa(南アフリカ/ジェイソン・ジェイコブス&デヴォン・デルマー)

 こちらもコンビ監督、南アフリカからの参加です。長編映画は初のようでフレッシュですね。若い女性と祖父母の関係性をめぐる物語のようです。スチール写真などヴィジュアルがとてもいいんですよね。自然派人間ドラマという感じでしょうか。

Wishing on a Star(オーストリア/ペテル・ケレケシュ)

ベルリン : 
Zamatoví teroristi(?)
ヴェネツィア : 
Cenzorka(オリゾンテ部門/脚本賞)
ヨーロッパ映画賞 : 
Cooking History(ヨーロッパ・ドキュメンタリー賞ノミネート)
Cenzorka(ヨーロッパ・ディスカバリー賞ノミネート)

 ベルリンやヴェネツィアで出品経験があるケレケシュ監督の新作です。現実とフィクションを融合したという記載があり、ドキュメンタリー的な手法が用いられているのでしょうか。

Mistress Dispeller(アメリカ/エリザベス・ロー)

インディペンデント・スピリット賞 : 
ストレイ 犬が見た世界(Truer Than Fiction賞ノミネート)
サンダンス映画祭 : 
Hotel 22(短編コンペティション部門)

 日本では『ストレイ 犬が見た世界』が公開されており、本作もドキュメンタリーのようです。中国の女性が夫の浮気を終わらせようと潜入捜査を行うという内容のよう。面白そうですね。

The New Year that Never Came(ルーマニア/ボグダン・ムレサヌ)

ヨーロッパ映画賞 : 
Cadoul de Craciun(ヨーロッパ短編映画賞ノミネート)

 ルーマニアのムレサヌ監督は短編映画で多数受賞しており、本作が長編デビュー作となるようです。ルックを見た感じ歴史ドラマでしょうか。硬派な語り口が予想されます。

Pooja, Sir(ネパール/ディーパック・ラウニヤー)

ベルリン : 
Highway(?)
Four Nights(短編コンペティション部門)
ヴェネツィア : 
ホワイト・サン(オリゾンテ部門/Interfilm賞)

 オリゾンテ部門には二度目の参加となるネパールの監督です。『ホワイト・サン』はSKIPシティ国際Dシネマ映画祭で上映されたようです。「2015年の南ネパールでの人種差別抗議活動中に実際に起きた事件に着想を得た作品」ということで社会派クライムドラマが予想されます。

Of Dogs and Men(イスラエル/ダニ・ローゼンバーグ)

ベルリン : 
Don Kishot be'Yerushalaim(短編コンペティション部門/銀熊賞)
Susya(短編コンペティション部門)
カンヌ : 
Proyect Gvul(シネフォンダシオン部門)
ロカルノ : 
The Vanishing Soldier(コンペティション部門)

 ベルリンの短編コンペで評価されたイスラエルの監督作品です。少女がテロや愛犬の失踪などに向き合っていくという青春ドラマのようです。一筋縄ではいかなそうなあらすじが興味を惹かれます。

Pavements(アメリカ/アレックス・ロス・ペリー)

インディペンデント・スピリット賞 : 
The Color Wheel(ジョン・カサヴェテス賞ノミネート)
ロカルノ : 
Listen Up Philip(コンペティション部門/審査員特別賞)
サンダンス : 
Listen Up Philip(Best of Next!部門)
Golden Exits(コンペティション部門)

 監督はミュージックビデオを多く手掛けてきた存在のようです。Pavementというアメリカのインディーズバンドに関するドキュメンタリーとのこと、オリゾンテ部門に選ばれたからには何か特徴的なものがあるのでしょう。

Happyend(日本/空音央)

ロカルノ :
The Chicken(短編コンペティション部門)

 坂本龍一の息子、空監督による長編フィクションデビュー作です。近未来の東京を舞台にした物語ということでどのような語り口になっているのでしょうか。日本公開が楽しみです。

L’Attachement(フランス/カリーヌ・タルデュー)

カンヌ : 
Ôtez-moi d'un doute(監督週間)
ヨーロッパ映画賞 : 
Les baisers des autres(ヨーロッパ短編映画賞ノミネート)

 フランスのタルデュー監督の新作です。カンヌの監督週間入りするなどヨーロッパで評価されてきた存在のようです。テデスキ主演ということで楽しみです。

Diciannove(イタリア/ジョヴァンニ・トルトリッチ)

 本作が監督デビューとなる新星です。好奇心旺盛な学生が自己発見の旅に出るというあらすじ。どのように心の旅が描かれるのでしょうか。

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