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脳卒中

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2022年3月の記事一覧

なぜ服が着られないのか

なぜ服が着られないのか

●着衣失行着衣失行の徴候に関しては、

・視覚認知処理に関する「視覚認知エラー」
・実際にまとう動作に関する「操作エラー」
・工程の計画、順序に関する「手順エラー」

の3つに分類される。

●着衣動作の工程

①衣服を手に取る
②衣服を広げる
③片側の袖通し
④後ろ見ごろを後方へ回す
⑤反対側の袖通し
⑥衣服を整える
⑦ボタン操作

●評価すべき項目(関連要因)

・閉眼状態でできるか(視覚情報

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構成障害に対するキャッチボール

構成障害に対するキャッチボール

構成障害に対する捕捉課題の効果

構成障害とは、、山鳥らによると「まとまりのある形態を形成する能力に障害をきたし、空間的に配置する行為が困難になった状態」と定義されている。

日常生活では片付けやパズルができないといったことが見られるが一般的な動作への影響はほとんど報告がない。

構成障害は独立性の低い症状であり、発言メカニズムとして半側空間無視や全般性知能低下、失行が影響因子となるためと言われて

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脳室ドレナージ

脳室ドレナージ

脳室ドレナージ

脳室内穿破において脳室拡大が強い場合は、血腫の排出や頭蓋内圧の低下を目的として脳室ドレナージを行う。

主に側脳室の前角にドレーンの挿入、留置を行う。

さらに、外耳孔(基準点、ゼロ点)から最高点までの高さで、ドレーンの圧を設定する。

脳室ドレナージの多くは劣位半球(通常右側)で行われる。

脳室へ挿入したドレーンは、前頭葉(脳実質)を通過している。

もし優位半球で合併症(硬

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脳室内穿破

脳室内穿破

脳室内穿破

血腫が脳室内に穿破すること。

脳実質内の出血に引き続き、近接する脳室内に血腫が穿破すると、頭痛や悪心、嘔吐、項部硬直、意識レベル低下などの症状が出現する。

視床出血や尾状核出血、混合型(視床と被殻)出血などで頻度が高い。

非穿破例と比較して急性水頭症を併発しやすいため、頭蓋内圧の制御に外科的処置を要す場合が多い。

ドレナージとは?

ドレナージとは?

髄液腔(脳室やくも膜下腔)から体外にチューブを出すことによって、過剰に貯留した髄液を排出する方法。

髄液の症状に関係なく、局所麻酔下で簡単に行うことができ、すぐに抜去も可能。

髄液腔内への薬剤投与、頭蓋内測定なども可能。

しかし、外部と直接交通しているため、感染の危険性もあり、長期間の使用は困難。

緊急の頭蓋内圧亢進症の治療や、脳室拡大を伴う疾患に対する術前術後の管理な

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シャント術について

シャント術について

水頭症の患者は、髄液が入る脳室が大きくなっている。

髄液は脳と脊髄の周囲にある水分で、クッション材のような役割をはたしている。

脳の細い動脈から水分が移動してつくられ、不要な物質を静脈やリンパ管に洗い流している。

洗い流すところが年齢とともに目づまりを起こすと、髄液がたまって脳の機能が低下する。

腰椎のすきまから針を刺して髄液を抜き、症状が改善するかどうか確認する。

髄液を抜く管を体に埋

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日本脳炎で生じる麻痺

日本脳炎で生じる麻痺

ウイルス性脳炎とは、ウイルスにより脳が障害されることにより生じる様々な症状を含む病態のこと。

わが国では予防接種の効果により日本脳炎をみることは稀になった。

脳炎とは、、、感染などを原因とする脳実質の急性炎症性疾患を急性脳炎と呼ぶがその大半はウイルスが関与する。

中でもウイルスの脳への直接感染により、急性の経過をたどるものはウイルス性脳炎と呼ばれる。

日本脳炎はここ

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混合型認知症

混合型認知症

混合型認知症

アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症が共存し、同程度に認知症症状に関与しているケースを言う。

認知症全体の5~30%を占めると言われている。

それだけでは認知症に至らない規模の脳血管障害が、アルツハイマー型認知症の発症のきっかけとなったり、アルツハイマー型認知症を重症化させることもある。

アルツハイマー型認知症とBinswanger病の合併が、最も典型的な混合型認知症と言わ

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Binswanger病(進行性皮質下血管性脳症)

Binswanger病(進行性皮質下血管性脳症)

Binswanger病(進行性皮質下血管性脳症)

高血圧や動脈硬化による大脳皮質の慢性的な循環不全によって、大脳皮質にびまん性で広範な脱髄を生じ、進行性で高度の認知症を呈する疾患である。

MRIにて白質に広範にびまん性の高信号域がみられる。