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脳卒中

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2021年4月の記事一覧

片麻痺と体幹筋の関係

片麻痺と体幹筋の関係

立脚中期では腹斜筋群の筋活動が必要。

一側下肢への体重移動で、体重移動側における外腹斜筋、内腹斜筋のはたらきは骨盤の前後方向の安定性に関与し、体幹を垂直位に保持する作用がある。

荷重に伴う内腹斜筋、大殿筋、股関節外旋筋の活動は骨盤安定化に作用する。

つまり、歩行や姿勢保持に体幹筋は重要であり、腹筋群や殿筋群の活動が低下すると麻痺側腰背筋の筋緊張が亢進してしまうことがある。

そのようなケース

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麻痺側集中練習

麻痺側集中練習

麻痺側集中練習

参加文献 片麻痺側下肢分離促通的集中運動療法の下肢随意性と筋力への効果について 川平和美 他 リハビリテーション医学 1997

運動イメージはリハビリに使えるのか

運動イメージはリハビリに使えるのか

運動イメージ中には運動計画に関わる運動前野、補足運動野、頭頂連合野、被殻、小脳などが賦活する。

運動イメージによって運動技能だけでなく、柔軟性や筋力がイメージトレーニングによって向上する。これは一次運動野から脊髄、筋へ送られる運動指令が増大し筋活動が高まったためである。

ただ、実際に身体を動かすトレーニングよりも効果は小さく、

全く行うことのできない運動のイメージトレーニングは効果がない。

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延髄内側梗塞

延髄内側梗塞

3徴

病巣と対側の顔面を含まない片麻痺

深部感覚障害

病巣と同側のかくじょう

重度感覚障害に対しての治療

重度感覚障害に対しての治療

背臥位

・麻痺側肩甲帯とベッドの間に手を入れ、非麻痺側肩甲帯と同じアライメントになるように保持

・頸部の麻痺側回旋、麻痺側肩甲帯へ体重がのるように誘導

・前胸部にセラピストの手を当て、肩甲帯を圧迫する

麻痺側背部全体でベッドを感じてもらうことが大事

両膝立て位で非麻痺側股関節外旋、外転ができるか、空間で円滑にコントロールできるかを確認し、起き上がりへ移行する。

・麻痺側への起き上がり練

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感覚における姿勢変化

感覚における姿勢変化

身体の平衡に関与する感覚

・体性感覚皮膚の受容器を通して外界からの情報を入手し、対象の認識を行うとともに、筋、腱、関節、靭帯などの受容器を通して身体の位置や身体そのものを理解し、円滑な動作を導く。

操作の器用さは繰り返しの運動学習や経験で増すことができる。

・視覚身体から離れた場所についての情報、自己を取り巻く環境の空間的構造について情報を与えることができる。

後頭頭頂野に終わる背側経路(

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片麻痺に対する体幹アプローチ

片麻痺に対する体幹アプローチ

体幹機能は抗重力位での姿勢保持や四肢の運動をより効率的に行うために重要である。

麻痺側を上にした側臥位にて体幹中間位、股関節屈曲30°、膝伸展60°とする。

・体幹回旋の運動パターン

セラピストが肩甲帯を把持し、腸骨稜を後方へ引く。患者は骨盤の前方回旋を行い、腹斜筋群の収縮を促す。

・体幹側屈のパターン

セラピストが腸骨稜を下方に引き、患者は骨盤の挙上を行い、腹斜筋群と腰方形筋の収縮を促

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臨床で使えるボバース

臨床で使えるボバース

脳卒中片麻痺患者の立位の特徴

・骨盤前傾、後方回旋(下部体幹コアコントロール低下)

・股関節外転、外旋(殿筋、内側ハムの低緊張)

・反張膝、膝屈曲(大腿四頭筋の低緊張)

・股関節外旋、足内反の増強、足趾屈曲(下腿外側腓腹筋の過緊張、内側腓腹筋の低緊張)

このような姿勢から二足立位をつくろう!

・内側ハムと大殿筋、内側腓腹筋を促通しながら麻痺側へ重心移動

・足趾を牽引し、前後に長い足部

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運動機能は回復すんのか?

運動機能は回復すんのか?

脳損傷後の機能回復機序

脳卒中後比較的早い時期に運動機能が回復するものの多くは、脳浮腫による錐体路の圧迫の改善や、神経線維に結ばれている影響された部位の血流や代謝の改善(Diaschisis)の改善である。

一方、神経系の可塑的変化は脳内に新しい神経ネットワークを作り、残された正常な組織がはたらくことでの機能回復で、長期にわたる。

健常者の錐体路と障害時の代償機能

錐体路が障害されると、廃

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