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くらしを形づくる”ひと”

地方に住んでいる人たちは、
その人のままくらしていて、
その延長線上で、その個性のまま働いてる。

先日、東京の家から車で数十分行ったところにある松戸の街を歩きながら思った。

このお店の人は、こういう音楽が好きなんだな。店に何気なく置いてある本もきっとこの人の思い入れのあるものだろう。
着ている服もその空間も、全てがその人を表現している。

いいお店ですね。というと、
嬉しそうな顔をするし、
その地域のことをきけば、その人の好みを交えていろいろ教えてくれる。

東京では感じられない、人と触れ合った感触がしっかりとある。

これはお店をやっている人に限らずそうだ。

函館の母は、わたしたちが帰省するとき、わたしが運転するために、数日だけの車の保険をかけてくれる。
それで、保険屋さんに電話するのだが、その保険屋さんは母の小学校の同級生でもある。
親しそうに電話で話しているのだが、世間話をしているのか、保険のことを話しているのよくわからないなと思う。

僕が東京で、仕事関係の人と話している感じとはずいぶん違う。

だけど、
みんな、この感覚を求めて移住を考えるんじゃないだろうか
と思うのだ。

わたしたちのサイトでは、色んな人のくらしを通して、くらしを考えるということをコンセプトとしているのだが、
"地方で働く"ということに焦点を当てて、移住を考える人が少なくない割合でいる。

たしかに、すこし地方を旅してみるだけで、
地方と都会では、人との関わり方、そして働き方がまったく違うことがわかる。

それはきっと、
地方は都会と違って、
仕事上の付き合いだけとか、
近所に住んでるだけとか、
そういう一対一の関係はあまりないからだろう。

そのかわり大抵は、
近所に住んでいて、仕事上の付き合いもあって、そして子供同士が友達であって、
というふうに、複雑に色んな関係性が重なり合っているのだ。

だから、人との関係性が都会とは違って深みを伴って見えるのだろう。

ここまで書いてみると、
過去に記事にさせて頂いた方の働き方が思い起こされる。
これは、函館で魚屋を営むコニシさんの言葉だ。

セリがひと段落すると、談話室で市場のみんなと休憩する。
ほかの魚屋仲間もいるが、気を遣う間柄でもなく、フランクな雰囲気。変わった魚を競り落とすと、「そんなの誰が買うんだよ(笑)」って突っ込まれたりする。東京で働いていた時の職場の雰囲気とは全然違って、「学校」のような雰囲気に近いと思う。

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だから、地方っていいよね。みんな地方に移住しましょう。
という話ではなくて、
地方移住をした人の中には、地方での匿名性のなさに逆に違和感を感じて、また都会に戻ってしまう人もいるのも事実だ。

であるから、ここで言えることは、
都会と地方では、人のとの関わり方に大きな違いがあって、良くも悪くも、それがくらしを形作っていく大きな要因になるということだ。

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