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最悪のインフレが日本を襲う?スタグフレーションの基礎について簡単に解説

皆さんこんにちは、shunGoです!!

この記事を書いているのは2021年12月21日です。コロナウイルスの影響で世界経済は混沌を極め、そんな中でも欧米諸国を中心に経済回復を目指した政策がとられている中で新たな変異株”オミクロン株”が現れ、急激に世界中に蔓延しています。

そしてオミクロン株の感染拡大に伴い再び世界経済の先行きは不透明となり、それと同時に、メディアではある言葉が再び頻繁に登場するようになりました。

それが、「スタグフレーション」です。
詳しくは下に書きますが、一言で簡単にいうと「最悪のインフレ状態」です。

私自身、この言葉を知ったのはつい最近のことでした。ネガティブな意味なのだろうとメディアの取り上げ方でなんとなく理解していましたが、改めて自ら調べてみると非常に恐ろしい現象だと知りました。

今回はスタグフレーションについて基本的な内容をシェアできればと思います。私も経済の専門家ではないため、自分が分かりやすい言葉で理解したので読者の皆さんにもなるべく分かりやすく簡単に解説出来ればと思います。


①スタグフレーションとは?


まず、スタグフレーションの定義について、SMBC日興証券のHPでは以下のように説明がされています。

スタグフレーションとは、景気が後退していく中でインフレーション(インフレ、物価上昇)が同時進行する現象のことをいいます。この名称は、景気停滞を意味する「スタグネーション(Stagnation)」と「インフレーション(Iinflation)」を組み合わせた合成語です。

通常、景気の停滞は、需要が落ち込むことからデフレ(物価下落)要因となりますが、原油価格の高騰など、原材料や素材関連の価格上昇などによって不景気の中でも物価が上昇することがあります。これが、スタグフレーションです。景気後退で賃金が上がらないにもかかわらず物価が上昇する状況は、生活者にとって極めて厳しい経済状況といえます。わが国では、1970年代のオイルショック後にこの状態となっていました。」

ということです。
つまり、スタグフレーション=インフレ+景気後退 ということになります。

一方で、一般的な経済知識としてセットで考えられているのは以下の通りです。

◯ 金融緩和→インフレ(物価上昇)、賃金UP、売上UP、消費活動UP→景気回復
◯ 金融引き締め→デフレ(物価下落)、消費活動DOWN→景気後退

なので、本来であれば起こり得ないようなインフレ+景気後退が同時に起こるという最悪のシナリオ、それがスタグフレーションです。

②なぜ今スタグフレーションが?その原因とは?


今回スタグフレーションが懸念されている大きな理由は、コロナウイルスの変異株である”オミクロン株”の感染拡大が広まり国民や企業の経済活動は滞り景気が悪くなること、そしてそれに付随した金融緩和対策と原油や他原料・製品価格の高騰です。

今年に入ってから海外の一部のメディアでは、スタグフレーションが起きる可能性があると報道されていましたが、2020年中盤から後半にかけて欧米諸国を中心として感染拡大の抑制と同時に経済回復の政策が積極的に行われ、景気は回復の兆しを見せていました。また、アメリカ国内では中央銀行のFRBが来年金利の引き上げとテーパリングを積極的に進めると見られており、スタグフレーションの懸念は一時的に落ち着いたのです。

これまでFRBは、アメリカ経済の停滞を脱却すべく金融緩和を行い、市場に出回る通貨の流通量を増やしました。つまりインフレになるように舵を取った訳です。しかしこのまま行くと通貨の流通量が増えすぎて景気が過熱してしまうということで、金利の引き上げとテーパリング(量的緩和を少しずつ抑えること)によってインフレを落ち着かせようと思っていた訳です。

しかし、2021年11月にオミクロン株が見つかりあっという間に感染拡大。こうなるとまた、「経済よりも人々の命が大事だ」となり、仕事に行けなかったり飲食店に行けなかったりで、経済は停滞し景気は悪くなります。FRBが予定通り金融緩和を止めてしまっては更に経済が破壊してしまうため、金融緩和を止める訳にはいかなくなります。そのため、FRBの来年の金利引き上げやテーパリングの話は先行きがわからなくなりました。

そうなると、益々市場への通貨流通量が増えてインフレがどんどん進みます。

さらに、世界的にオミクロン株の感染拡大が続くと、モノの調達や製造・流通にも制限がかかり、需要が高まると原料は不足し、需要過多のため値段が高騰します。

実際、原油価格は高騰し今ではガソリンスタンドに行くと信じられないくらいの価格になっています。

①オミクロン株の感染拡大による景気後退と金融緩和の継続によるインフレ
②原料・部品・製品の価格高騰

この2つによって今スタグフレーションの危機がアメリカだけでなく日本にも迫っています。

③FRBは金融緩和をやめればいいのか?


今の状況下で、FRBが予定していた通りに金利引き上げとテーパリングを行なうとどうなるか?

確かにインフレは抑えられるかもしれませんが、通貨の流通量は減少し、感染拡大により人々の経済活動は滞り、結局は不景気へまっしぐらとなってしまう可能性が非常に高いです。

結局のところ、金融緩和の抑制やテーパリングを実施しようがしまいが感染拡大が続けば景気は後退することになります。そして実際問題、感染拡大が続けば国民の経済活動は減少し、中央銀行は金融緩和を止めることは極めて難しく、インフレ+景気後退=スタグフレーションの出来上がりとなります。

スタグフレーションの特徴は、普通の従来のインフレとは違い、賃金などが上がらずにただ物価だけが上がるということ。月々の給料は変わらないのに、スーパーに置いてある食材の値段だけ2倍になったら間違いなく生活が苦しいですよね。これがスタグフレーションなんです。そしてこれが今私たちの生活に起きようとしているのです。

④まとめ


スタグフレーションについて簡単にまとめます。

”スタグフレーション=インフレと景気後退が同時に起こる”最悪の状態。

原因は2つ。
1、オミクロン株の感染拡大により国民の経済活動が縮小し景気は悪くなるため、金融緩和をして通貨の流通量を増やしインフレ傾向にすること
2、オミクロン株の感染拡大により原料や製品の調達や製造に制限がかかる一方で需要が増え、価格が高騰すること

いかがだったでしょうか?

難しい話でしたが、少しでも皆さんの理解の役に立てたら幸いです。

では、また!!!!!



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