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目の前の電話が鳴っても、絶対あなたが取る必要はない【HSPの働き方】

先日参加したHSP当事者研究会。テーマはざっくりと「生き方」「働き方」だったのですが、ピンポイントすぎないそのざっくりさで話が結構広がっていきました。

で、そうだその通りだ!と思ったのは、「気付いてもスルーするのってすごく大事だよね」ということ。

とにかく「気が付きやすい」特性であるHSPだからこそ、職場という環境は気がつくところだらけでめちゃくちゃ疲れるわけです。上司の目、同僚のキーボードを叩く音、どこからか聞こえてくる説教の声、空調の強さ、などなど、書き出したらキリがないほど刺激にあふれている。こういうところに困っている、悩んでいる当事者の方が今回もいらっしゃいました。

僕も「気が付きやすい」特性をしっかりと持っています。人とたくさん携わる仕事なのでとくに感情面に関しては「あ、ちょっと元気ないな」などと感じることがしょっちゅうです。そして、気がつくのは他人の感情だけではありません。

職場には固定電話があります。電話が鳴るとついついどれだけ電話から離れた席にいようと「あ、取らねば」と身体が反応してしまいます。固定電話は着信音が鳴る直前に赤いランプが点灯するのですが、それが目に入ったら「あ、鳴るぞ」、と、別の仕事をしていても瞬時に頭が電話を取るモードに切り替わります。それで0.8コールぐらいでパッと受話器を手に取れば、勝手知ったる電話先の相手だと「早いなぁ」とびっくりされることもしばしば。明らかに自分の敏感さを活かした仕事だと自認していますし、それは別に苦ではありません。

でもこれって、別にひとりで全部やる必要なんて1mmもないわけです。緊急時だったり、自分ひとりで仕事しているならまだしも、そんなに切羽詰まった状況じゃなければその場にいる電話のそばにいる人に任せてもいい。もちろんそれで「誰も取れる状況じゃない!」と気がついたら慌てて受話器を手にするけど、100%かかってきた電話を取ら「ねば」ならない、なんてことはよく考えたらないのです。

そんなことに気付いてから、徐々に冷静に周囲を見渡して「あ、これ別の人に任せよう」とわざといったん待つというスキルを身につけました。実はこういうちょっとした余裕というものが敏感な人にとって重要なのではないか、と思うのです。

「あの人がいるから電話は大丈夫」というのはものすごく頼りにされているという見方ができますが、それは裏返せば仮に電話が鳴ったときに自分が出るまでほかの人が放置する、という属人化が起こってしまう恐れもあります。それはひいてはHSPにとってプレッシャーにもなります。

その電話が小難しかったり、職場によってはとんでもないクレームの電話かもしれない。敏感な人にとってこういう電話をとってしまうととんでもないダメージを喰らいます(クレームの電話にしょんぼりしない人のほうが珍しい気もするけど)。そういう意味では、この「電話をあえてスルーする」という技術も、職場において自分がよりよく働きやすい環境を整えることであり、それが自分を守ることにつながっていきます。

100%電話を取らないというのも不都合ですが、100%電話を取るというのもまた不都合なのです。勇気を持って「次の電話は取らない」と決め込んで仕事をするというのも、HSPにとってものすごく大事なことです。

#私の仕事

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