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NAITO中学生‐部活「剣道編④」

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チームで戦うということ

いよいよ団体戦開幕です。ここでは、最初に2or3グループに分かれリーグ戦を行い、上位2チームが決勝トーナメントに進出して、決勝トーナメントを制すれば県南大会への出場が決まります(県南大会で勝ち上がれば県大会へ出場が決まる)

剣道の団体戦は、5人で一つのチームとなり、先鋒、次鋒、中堅、副将、大将の順で、試合を進めていきます。

私は先鋒という、かなり重要なポジションを任されていました。(卒業まで笑) なぜ、重要かというと、この先鋒というポジションは、勝敗によって、その後の試合展開に影響が出るポジションだからです。場合によっては試合の行方を決めてしまいます。

練習試合の時点で私は先鋒を任されておりましたが、当時はこの先鋒という大事な役割を全く理解していませんでした。チームの勢いをつけるため、試合の展開をより有利に進めるため、勝利しなくてはならないそのプレッシャーだけが、ふつふつと私のメンタルを苦しめていくことになりました。

初めての公式戦。相手は学年が一つ上の選手でした。そこで緊張は最高潮に達します笑 しかしここで、先輩から思いもよらぬ言葉で試合に臨めることが出来たのです。

「お前の方が強いから安心しろ。いいか、練習の通りやってこい。」

自分にとってなんたるシンプルな言葉だったか。ここが団体戦の面白いところだと感じます。一人ではない、仲間と共に勝利を目指すこの過程は、私の人間的成長を大きくさせたのではないかと、大人になってしみじみと思います。

肩の荷がスッと取れ、ようやく試合のスイッチを入れることができ、一礼をして開始線に立ちました。

審判の勝負始めの合図で試合が始まりました。お互いに竹刀をカチャカチャと間合いと揺さぶり、フェイントなどを織り交ぜながら戦っていきます。

剣道の試合で個人的に重要なのは、竹刀の陣取りです。自分の技が決まりやすい軌道を駆け引きで探し、捉えられると技が決まりやすいからです。

しかし、試合中はなかなかこれが難しい。相手は打ち込み台と違い、常に動いていますし、選手によっては変則的な動きや、ガンガンに打ち込んできて的を絞らせてくれない選手もいました。

苦しい戦いの中、何とか持ちこたえて初戦は引き分けでした。空手での試合経験はありましたが、協議が違うとこんなにも違うのかというほど、思い通りにいかず自分の実力を出し切ることが出来ませんでした。

チームに対して良い流れを作ることが出来ない悔しさを噛みしめ、仲間の応援にシフトするそのむなしさは今でもはっきりと覚えています。

けれどもまたもや、主将の一声が私に響きます。

「団体戦は一人が勝ったから終わり、負けたら終わりというものではない。どちらの結果にせよチームにつなげることが一人一人の役割としてある。お前らはそういうことも学んでいかなくてはならない。」

中学生でこのような人間力の高い言葉が出てくるとは思いもしませんでした。この基本的な団体戦の考え方は、後に私の高校時代の空手部にて発揮します笑

そんなこんなで、デビュー戦は引き分けに終わり、仲間にバトンパス。
チームは初戦を勝ち上がり、二戦目三戦目も連勝し決勝リーグへと進みました。ここまでくると私も慣れてきたのか勝ち星を付けられるようになり、調子を上げていきました。

大事なところで勝つためには何が必要⁈

ついに決勝トーナメントに進出。ホっとしたのもつかの間、各校そうそうたるメンバーがオーラをぎらつかせながら闘志を燃やしていた。

私の記憶では、全4チームで決勝トーナメントを戦い、優勝チームを決めるシステムですが、予選のレベルとは全く違うため、一瞬でも気を抜くと負けてしまいます。

このようなトーナメントの場合、接戦での勝利が求められていきます。
これがいかに難しいことか。今でも空手の競技者として試合もしますが、私の永遠のテーマになるんだろうなと感じさせるくらい難しいところでもあります。

そんなこんなで、初戦を迎えます。先鋒の私は早速開始線に立ち、試合開始の合図とともに、自分から仕掛けていきました。

しかし、ここは決勝トーナメントの舞台。相手も簡単に勝たせてはくれません。

残り時間もあとわずかになってきた時に、私の得意技の小手打ちがヒットしました。(やったぜ!と内心喜びで満ち溢れていました笑)

実はこの小手打ちは、普通の小手打ちではなく、相手の面打ち技時に上がった手元をカウンターで合わせて有効打するという技です。出小手と言います。

この技が決まり、1-0で何とか辛勝。先鋒としての役割を最低限果たせたのではないでしょうか。

そもそもなぜこの大事な場面で勝つことが出来たのか? 

その答えは、ズバリ…

「的確で意味のある練習を繰り返したことが勝因です」

大会前練習などで、多くの人が練習試合を行うことが多いことと思いますが、この練習試合で重要なことは、「勝ったから良い、負けたからダメだ」ということを意味合いに練習試合はしてはいけないと思います。

肝心なのは「勝った・負けたの理由を自分の言葉で説明することが出来るか」

当時の私は、何もわからず、そして先生からのアドバイスを中途半端に受け取っていた時期もありましたが、やはりここで先輩の言葉が私の心を貫いていきます。

「試合の振り返りをしたか?反省はしたのか?」

この言葉を聞いてから、練習試合に対する取り組み方が変わりました。取り組み方が変われば結果が変わる。その結果が試合に現れたのではないかと感じました。

その後の試合もチームは全勝し、見事優勝。県南大会への切符を手に入れました。

次回県南大会編へと続く…

個人戦は面倒なので今回は割愛させて頂きます笑











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