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しごとのこと

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きちんと自分で扉を閉める

きちんと自分で扉を閉める

4年8か月やった仕事をやめた。
2週間前が最終出社日だった。

雑誌の編集部にいて、媒体の特性上さまざまな出版社の各種編集部と関わっていた。
人によっては夢のような仕事だと思う。恵まれてて、ありがたい職場だってよくわかってる。
そう思えない自分への罪悪感が、日に日に心を蝕んだ。

媒体やそこいる人々を、日々愛そうと試行錯誤したけど、最終的に愛せなかった。

私の歴も中堅になって編集部の全体像を把握

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なんて贅沢な人生だ

なんて贅沢な人生だ

たくさん悲しくて、たくさん嬉しくて、初めてのことをたくさん知った1年でした。
そんな中、いつも隣りにいてくれたBANANA DIARY本当にありがとう。

毎月のお金のやりくり、
週末の買い物リスト、
はっとした言葉の抜書き、
思ったことのメモ、
ドナーの検査受けるための説明、
ドナー決定電話からの日程や方法のやり取り、
副業面接の日程、
決まった仕事のいろんなメモ取り、
好きな人に教えてもらった

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採血のところがあおじになっとるねえ

採血のところがあおじになっとるねえ

このGW、要・急で実家へ1年4か月ぶりに帰っていた。そこで思ったことがあり、メモしておく。

今回1週間以上、広島市内の大病院でお世話になったのだが、そこで飛び交う広島弁を聞いて、違和感でもぞもぞしっぱなしだった。

どういうことなんでしょう。
私は、広島弁・関西弁・標準語のトリリンガルなんですね(関西弁はエセ感満載ですが笑)。
そして、職場では標準語、後輩へのタメ語&プライベートでは関西弁、家族

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もっかいあの話して。

もっかいあの話して。

おととし『図書室』の話をまわりのみんながしていたときから、岸さんの本きっと好きやろなとわかっていた。
『リリアン』のたたずまいにひかれ、はじめて手にとった。
ほんとにはわかってなかった、こんな大切になるものなんて。

中面の文字のならびが、こんなにも静かな小説をはじめて見た。
ずっとしゃべってるから、声はきこえる。
音楽のはなしもするから、たくさん曲もきこえる。
でもなんかわからんけど、ほんまに静

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全くもってその通りな怒られ方をするのは、けっこう気持ちがいい。
一瞬「ちゃうわボケ!」とキレかけた直後「大きく見ると言いたいこと100分かるな」と納得するまでの心の動きって、他では体験しないタイプの清々しさがある。
そして、自分で気づく余地を残してくれるのは男性に多い気がする。

小さく自由をくれた年

小さく自由をくれた年

今年のなんとなくのテーマは「自由」だったんだって、終わりに気づいた。
「自由とは心の落ち着き」、それを目指してこつこつ試行錯誤してみた毎日でした。

仕事納めの月曜、不思議な1年だったなあと思ったし、今自分が立ってるところも不思議な感じがした。
でも、去年の自分より仕事中に息がしやすくなった、それには気づいた。
たぶんいろいろ要因はあって、
単純に業務へ慣れたこと。
コロナで物理的に周辺環境が静か

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それしかないです。

それしかないです。

「ちょっと来て」って内線でよび出されてメール室に行く。
そしたらYさんとUさんがいた。
今のメール室の人たちの、今日が最後の日だったのだ、委託会社が変わるから。
Yさんは今別のビルなのに、わざわざ寄ってくれた。

ぽくぽくというお菓子をもらう。
「すみませんありがとうございます、部のみんなでいただきますね」
「あっ、それならもっといっぱい入ってるの買ってこなきゃだったなあ」
「お前しっかりしろよ~

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生業

生業

この夏「ああほんとうに大人になりたい」、そう心底思った。

いつもいつも思ってて、なんなら今までの人生で一番考えてきたことかもしれない。

でも、今回自分の幼さを今までと違う切り口から見た。そして眉根を寄せて首に力が入るやり方ではなしに、胸の真ん中がどう思ってるのか、しみじみ考えた。

気づきや感情、願いが泡のように浮かんでは消え、その中でも大きく質量を持ったかたまりとして浮かび上がったのは「ちゃ

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澄んで光る結晶を見た

澄んで光る結晶を見た

今日はバイトのTさんとお昼食べた。
実はマスクしてない顔を見ながら長時間しゃべるの初めて(!)。
笑ってるとき鼻はこんなふうに動いてたんだ、マスクの下で。

この4ヶ月働いてみて思ったこと、いろいろ聞く、話す。
私が言おうとしたことがTさんの口から出る、ってのがちょいちょいあり、笑う。逆もよくある。なんでこんなマニアックなとこでシンクロが起こる?やたらとシンクロニシティ!笑

お互い「『違うこと』

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会いたかったのかもしれない

会いたかったのかもしれない

とっても近ごろ感謝していることがあって、それはTさんとの出会いだ。

私の業務のひとつに、バイトメンバーをまとめて仕事を振る、というものがあるのだが、長らく欠員だった週5バイトとしてTさんは入ってきた。4月の半ば、自粛真っ只中のころだ。

初対面から「聡明。そして気が強そう~笑」と思っていたのだけど、それは1.5倍くらいにはそうだった。入ってきて早々、2人でおつかいに行ったりと話す機会があった。

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「よい旅を!」

「よい旅を!」

4番目と台湾の天燈節に行ってきました!

こつこつ調整していたけど、いろんな事情や人の気持ちにからめ取られ、なんとなく核がぼやけてきて。
出発前日、少し元気のない気持ちで引き継ぎをして帰宅した後、上司の返信がありました。

「適切な対処、ありがとう。よい旅を!」

その時私をおおっていたなにかが晴れて、体が旅に向かっていきました。よし、ベストは尽くした、いい旅にしよう、と自然に切り替わりました。

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今は一緒に働きましょう。

今は一緒に働きましょう。

今の会社のメール室の人たちが大好きだ、尊敬している。
発送まわり全般を担ってくださる方々なんだけど、その仕事への姿勢の清潔感に、入社以来ずっと助けられてきた。どんなときも「今ここですべきこと」に体の焦点があっていて、それが焦りなどといった個人の感情でぶれない。体育会系な感じでもないし、老若男女問わずみなさんその方向に体が向いていて、なんなんだこれは、と常に興味をそそられてしまう。尊敬の気持ちが止ま

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「人のいいところだけ見える病」

「人のいいところだけ見える病」

春分、休み、さいこー、天気もいい。休みなのに割と早めに起きられたし。ひさしぶりに『スナックちどり』が読みたくなって窓際のベッドでごろごろ読む。そしたらびっくりした。改めて読んでみて、主人公さっちゃんの元夫が前職での私にそっくりだったのだ。

私にはけっこう強固な心の癖があった。人と出会うとき、一部分に虫眼鏡をあてたみたいに、少し世界がぐにゃっとして「この人のこういうところ、本当にすてきだな」と思う

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おつかいついでにおひるした。
変にあとを引かない口当たり、
きりっとした辛みで、
清潔な気持ちになった。