四角い三角形のUFO
UFOとは、Unidentified Flying Object(未確認飛行物体)という言葉が示すように、確認されていない状態を意味するものだ。
しかし今やUFOとは名ばかりで、年末に放送されるオカルト番組などでは、当たり前のように円盤やトライアングル型のUFO映像が取り扱われている。
かくいう私も、子どもの頃からオカルト番組が好きで、自由帳にはよくUFOや宇宙人の絵を描いていたのだが、未確認であるはずの物体の絵を、子ども時代の私は当たり前のように描くという、おかしな現象が起きていたことに気がついた。
UFOの絵を描いてと道ゆく人に尋ねれば、おそらくほとんどの人は円盤形の物体の絵を描くだろう。
子どもからお年寄りまで、誰もが知っているほど一般的な存在になってしまったUFO。未確認なのに知られているという二つの状態が重複するUFOに、もはや本来の意味以上の神秘性すら感じる。
私は改めて、本来のUFOについて考え直してみることにした。
原点に戻ることで新しいUFO像と巡り会うことができ、UFOを題材にした画期的な作品を作ることができるかもしれない。(その場合、再び上記の重複現象が発生してしまうのだが)
人類が確認することのできない真のUFOとはどんなものか。私が辿り着いた答えは、言葉で表現することはできても決して絵に描くことのできない、記事の初めに提示した「四角い三角形のUFO」だった。
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