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Fintech世界最大手ー[中国]アントフィナンシャルの成長の秘密

7月20日、アリババグループのアントフィナンシャルは上海と香港市場に同時上場する計画を発表しまして、中国のネット上度々祭りの状態になってました。投資ファンドが試算したアントフィナンシャルの企業価値は21兆円となり、おそらく今年世界最大規模のIPOとなります。

あまり馴染みのない社名かもしれませんが、どうしてこんなに価値があるかというと。先日アリババは直近1年間の財務状況を披露しまして、グループ全体年間のGMVは1兆ドルを超えました。これは中国の2019年のGDPの約7%、日本のGDPの約20%に相当して、国としたら世界16位ぐらいの規模となっています。このアリババグ"帝国"の心臓の役割を果たしているのはアントフィナンシャルであります。その心臓の働きで流れたのは血液ではなくお金です。

設立してから今まで約20年間、アリババグループは様々な試練を乗り越え、激しい競争が繰り返され、次から次へ独自性の高い斬新なビジネスを作り上げて、巨大エコシステムを築き上げました。この壮大でドラマチックな物語がたくさんの中国の起業家や若者に多大な刺激や啓発を与えました。

ネットで検索しても日本語で書かれた関連記事の数が少なく内容的にも深さや網羅性が欠けていると感じます。折角のタイミングで、自分でアントフィナンシャルの成長の物語を整理して、記事にしたらと思います。

これから起業しようとする若者も、既に事業がスタートしたベンチャーの経営者も、大企業で勤めているCEO、CTO、CMO・・・達も、世の中を変えたい夢を持っている方がこの物語からなにか学べることを見つけたら幸いです。

そこまで大がかりの理想を持ってなくても、ただ近年中国のIT勢力の台頭にちょっと興味が湧いたがその詳細にあまり詳しくない方も、アントフィナンシャルの成長の物語を通して中国のITの発展について理解を深める絶好のチャンスだと思います。

また近年日本でQR決済の普及と伴いFintechへの関心も高まってきました。Fintechの分野でリードし続けているアントフィナンシャルの様々なサービスを解析した上で、paypay達はこの先何を狙っているのか、これから何ができるのかをより見えてきて期待もより高まると思います。

自分はITの仕事を長年やってましたが、金融については専門外です。難解な専門用語をできるだけ使わなようにしますが、避けれない場合初心者でもわかるように丁寧に説明いたしますので、ご安心ください。

Part 1 淘宝とアリペイの誕生

1. 「アリババ」と「淘宝」の設立

アントフィナンシャルの社名は初耳の方が多いかもしませんが、アリババグループや淘宝(タオバオ)、アリペイでしたら、名前ぐらいは聞いたことがあると思います。

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これはアリペイのロゴです。皆さんが使ったことないかもしれませんが、コンビニのレジでも見かけた事があると思います。このアリペイはアントフィナンシャルの最も中核なサービスの一つで、アントフィナンシャルの原点でもあります。今世界中インストール数12億を超えたのこのアリペイは最初淘宝(タオバオ)というショッピングサイト内で使用するオンライン決済機能でした。

1999年馬雲はアリババという会社を設立しまして、中国企業の海外進出に支援することを事業内容として、海外のバイヤーに向けて中国企業や製品の紹介ページを作ったり、つなぎこみや仲介、製品の検索や仕入れなどBtoBの事業をしてました。今でもアリババはこれをメインの事業の一つとしてやり続けています。この事業を通して、アリババはたくさんのメーカや工場、つまり供給側との深い繋を持つようになりました。

翌年友人の紹介でたまたま北京に行ったソフトバンクの孫正義会長と合わせました。面会の予定がないものの、6分間のプレゼンを行って、孫さんが2000万ドルをアリババに投資すると決めました。二人としても運命の対面でした。

その後すぐにITバブルの崩壊が訪れまして、アリババもすぐに苦境に陥りましたが、この融資のお陰でなんとか乗り越えられました。

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2002年苦境を乗り越えて、初めて黒字を実現したアリババの目の前に突如かつてない強敵が現れました。C2Cの世界最大手ebayが中国のeachnetという会社に3000万ドルを出資して、中国進出に試み始めました。eachnetは1999年(アリババの設立と同年)、アメリカから帰国した二人の留学生がebayのモデルを真似して作った中国初のC2Cのショッピングサイトです。当時中国のC2Cの市場のシェアの80%を占めています。

馬雲はebayの動きにすごく大きいな脅威を感じます。彼はC2CやB2CやB2Bやただ人為的なわけ方であり、現実にはそんなはっきりした境目がなく、一つの領域で成功したら、容易にかつ必然的に別の領域に踏み込んで行くと考えてました。もしebayが中国のC2C市場での成功を許したら、アリババはB2Bの市場だけを守ろうとしても無理になると判断しました。一方ebayの動きに刺激も受けまして、ebayの狙いを研究して、中国の消費者向け(toC)のEC市場に秘めたポテンシャルをすごく感じて来ました。そして、馬雲はC2Cの新規事業を立ち上げて、真正面でebayと対決すると決めました。

2002年年末ごろ、馬雲は東京に訪れました。ちょうどYahooオークションはebayの日本の侵攻を撃退した間もないごろでした。馬雲は友人でもあり、導師でもあり、アリババ大株主でもある孫さんにebayとの対抗やC2Cの事業について、アドバイスや資金のサポートを求めに来たと思われます。二人が話した内容は公開されていなかったが、その目的が十分果たしたのように、中国に帰った馬雲はすぐにメンバーを集めて、事業の準備に取り掛かりました。

数ヶ月の極秘の開発を進めて、2003年5月10日、後に世界最大級のショッピングサイトとなるーー淘宝(タウバウ、宝探しという意味)が誕生しました。その時、馬雲はちょうど40歳となりました。

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淘宝のキャラクターもアリさん

2.淘宝 vs ebay

ちょうど淘宝が設立した一ヶ月前に、ebayがさらに1.5億ドルの追加投資を行って、eachnetを完全子会社にし、サイト名をebay.cnに変更しました。

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当時の状況を振り返て見ると、どう見ても淘宝の勝ち目がなかったです。資金力、技術力、ブランド力、そして先行して蓄積してきたユーザと運営のノーハウなどなど。何一つ淘宝に有利な条件がなかったです。淘宝の設立に参加したメンバーですらebayに勝つ自信がなかったです。当時のCTOが馬雲に”どうやってebayに勝ってると思っているのか”と問い詰めたところ、馬雲はこう答えました:「今中国のインターネット人口は8000万人いて、ネットショッピングを経験した人が僅か500万人しかいない。この市場の発展はまだこれからですので誰でも参入できる段階です。」

わかりやすくにすると100メートの競走なら、80メートル先に走っているebayに勝ち目がないですが、マラソンならこの80メートルの差に気にする必要がないと馬雲が考えました。物事を考えるときに視点、方向、軸を変えたら同じ事実を元にしても結論が違ってくる。

戦略上正しいビジョンを持ってても、戦術上どう戦うか課題が多いです。先行者であるebayのブランド力がとても大きい、挑戦者である淘宝はebayのコピーしかできないなら、新規利用者が増えても、淘宝よりebayを選んでしまいます。ebayを勝つため、淘宝はebayより優れる機能を実現し、ユーザに認めてもらわないといけないです。そして、淘宝は2つとても独自な機能を開発して投入しました。
・"旺旺"(ワンワン)というチャット機能
・支付宝(アリペイ)というオンライン支払いシステム

当時人々はネット上で物を買うことが不慣れで、不安を感じ要因がたくさんあります。実物を見たり触ったりができない、店員に話を聞くこともできない、簡単な紹介文と写真だけで商品を購入する行為はある意味冒険に近い。その不安を少しでも解消するため、淘宝は旺旺(ワンワン)を開発して、顧客は商品の画面で店長やスタッフとチャットができる機能を実現しました。今ではそんなに珍しくない機能ですが、当時はかなり斬新で、インパクトもあり、しかも実用性が高い機能でした。自分も淘宝でよくものを買いました。商品の特徴や配送や割引の適用条件などなど商品ページに書かれてない、または読むのは面倒くさく感じる時、チャットで店員に聞いて商品を購入することを何回も経験しました。

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かなり昔のPC版旺旺の画面

しかしこの機能はいいことばっかりではないです。出店側にとってチャット対応のコストが増えてしまいます。従来の考えでしたら、店員がいなくても、商品を載せるだけで販売ができることはECサイトが有人の店舗より優れているところです。実際今のAmazonも楽天もこの機能が提供されていないです。

馬雲は敢えてチャット機能を淘宝に取り入れた思惑は、ネット通販に成功したい店舗がサービスの向上や顧客の獲得のため、コストを掛けることに惜しむことがなく、彼らに直接顧客とコミュニケーションをする手段を提供すれば、きっと喜んで使ってくれます。そして彼らが親切にチャット対応をしますと、自然に購入率も高くなり、リピート率も高くなると思われます。そのプラスの連鎖が循環となり、最終的に顧客も、店舗も淘宝に対する評価が高くなるのは違いがない。

旺旺はその狙いを見事に現実にしました。リリースした直後、すぐに大反響を呼んまして、”淘宝はチャットで値段交渉ができるショッピングサイト”というちょっと趣旨が外れた評判が広げたほど大受けました。今でも淘宝ユーザが当たり前のように旺旺を愛用して、むしろチャットができないショッピングサイトは不便と感じることもあるかもしれません。

3.アリペイの誕生と独立

旺旺の導入により取引の双方は円滑にコミュニケーションを取れるようになりますが、すぐに信頼関係を築くことができないです。淘宝がスタートしてから、間もなく人気が集まって、利用者数も掲載商品数も順調に伸びましたが、肝心な取引数はなかなか伸び悩んでまして、数少ない取引も低価格の商品に偏ってました。淘宝に出店していたのは個人やマイクロ企業がほとんどで、信用が高い取引相手とは言えないです。どうやって信頼していない相手と安心して取引できるのが大きい課題となります。そこに出した答えがアリペイという独自の決済システム。

淘宝でアリペイを使って商品を購入して支払う際に、お金がそのまま売り手に渡されず、システム側に一旦預かる状態となります。購入者は商品が届いて問題がないと確認しましたら、もう一回画面上で操作して預かったお金を売り手に支払うと指示出して、取引が完了することになる。

公開した当初に、銀行や物流などいろいろな情報のつながりが自動化できていなくて、完全に手作業で取引を行ってました。振込結果用紙をFAXで淘宝に送信して、淘宝側が手作業で支払いを行ったり、毎日で取引履歴を手書きでノートに写してチェックしたり、今では想像できない原始的なやり方で何とか機能させまして、利用者も運営側も手間や時間をかかって、問題もいろいろ起きやすかったが、それにしても信用の問題を見事に解決してくれるのが大きいです。売る人も商品を売って代金を回収できない心配もなくなり、買う人もお金を払って商品が届かなかったり別物が届いたりの心配もなくなり、誰でも安心で取引できるようになります。

最初なんだそれと理解しない人が多くて、利用数は少なかったが、仕組みを理解して、使い始めたらもうアリペイを手放せなくなります。徐々に利用者は増えてきて、淘宝全体の取引数がようやく順調に伸びるようになり、高価な商品の取引も増えてきました。

間もなくアリペイの開発チームはアリペイに秘めていたポテンシャルを感じまして、淘宝から独立して、淘宝以外のサービスもアリペイで支払いを利用できるようにしたらという声が上がってきました。

しかし独立するというのは、自社のショッピングサイト内で使う決済機能ではなく、誰でも利用できる本格的第三者決済サービスを提供することとなります。そこで性質が変わりまして、始めて金融という言葉と関わってきました。一民間企業は金融業務の許認可や規制が厳しい中国でこの事業をやっていいか誰もはっきり答えられないです。

ところで第三者決済という言葉は日本であまり馴染みがないかもしれません。実は昨今盛んていたキャッシュレスの動きで大活躍していたpaypayや他の〇〇payも第三者決済サービスであります。顧客は店舗で商品を買う時に、paypayを通して決済を行う。paypayは資金の所有権に関わりがなく、受け渡しの役割を果たすだけで、買い手と売り手以外の第三者と言います。ただpaypayはスマホアプリを使う前提としているので、よくモバイル決済と呼ばれます。第三者決済はスマホアプリに限らずオンライン上の決済も含めるより広い範囲を示す概念です。

表から見ると利用者に多大な利便性を与えた第三者決済サービスだが、政府がしっかり指導や管理をしないと問題が起こりやすい分野でもあります。少し前に起きた7payの不正利用のセキュリティ上の問題ももちろん、資金の移動が発生するとしたら必然的にマネーロンダリング・犯罪防止の取り込みが義務付けられるし、また第三者決済業者に預かっているユーザの資金の保全の問題は政府が最も重視するポイントだと思われます。

またpaypayを例にしますと、利用者がチャージして使い切ってない残高、または店舗の未出金の売上など、銀行口座に出金されるまで、paypayに預かっている状態です。その状態が長く続かず、平均数日中に出金されますが、出金と同時に、また新しい預り金も入ってきます。プールみたいに常に一定の"水量"を保っています。サービスは成長して、利用者や利用店舗、利用回数が増えていくと預り金の規模も相応にどんどん膨らんでいきます。当然のこと、どの決済業者もこの預り金を安全かつ効率よく運用して利益を最大化したいと思います。その"安全"と”効率”のバランス、実際の運用方法、準備金の比例など、資金保全の観点で政府がきちんと規則を作って、実際の運用事態をしっかり把握しないと、不測なことが起きてしまうと(運営会社の倒産とか)、社会問題まで発展する可能性もあります。そのため日本ではpaypayは資金移動業者として金融庁が管理しています。

2004年の中国には第三者決済サービスの概念自体理解している人が少なく、関連する業者の許認可や業務規約などのコンプライアンスの整備は完全に空白の状態です。決済業務は金融業務であるかどうかの定義すらも明白されてなく、グレーの状態です。もしアリペイは決済サービスを公開してから、政府から”これは金融業務だぞ”と言い渡されたら、非金融会社であるアリペイは即時違法な立場に陥ってしまいます。

アリペイを独立させて、さらなる大きい発展を願ったアリペイのチームメンバーはそのリスクの前に躊躇してました。ちょうどそのごろ、馬雲は世界経済フォーラム(WEF)に参加しまして、ある国の首脳の演説でこう語りました「リーダーシップは責任であり、あなたはもしあることがとても重要だと思ったら、どんな対価を払ってもやるべきです。」。その言葉に動かされた馬雲決意しまして、その場でアリペイのメンバーに電話を掛けました:「すぐにアリペイの独立をスタートさせましょう。もし誰が刑務所にいくのなら、俺がいく」。

ちょっと悲壮感を感じる言葉なんですが、実際に馬雲はひたすら自分がやりたいことだけをやって後は運に任せるのではなく、積極的に銀行や政府とコミュニケーションをとって、やりたいことを伝えたり、理解や支持他を求めたり、銀行や政府の立場での見方を聞き出したり、その思惑ををきちんと理解した上でシステムや業務運営に取り入れて自らサービスの健全化を行っています。例えば、アリペイはリリースしてまだいろんな機能が完備されてないにも関わらず、かなり早い段階でマネーロンダリングや犯罪防止のため、専門のリスク管理部門を設立しました。他の急成長中のベンチャーと同じ破壊者として暴れ馬の一面を持ちながら、先を見据えてしっかり不測のことに備えるアリババは本当に特別な存在だと感じられます。

4.ebayの敗退

前述のように、ebayは中国のC2C市場で既に成功して1位のシェアを持っているeachnetを買収し、巨額な資金を投入しまして、さらなるの成長を目指していました。ebayのトップは日本での敗北の一番の要因はYahooオークより半年出遅れたからだと思ってました。そして中国のシェアのNo1を手に入れた時点でもう日本での失敗が繰り返さないと確信してました。しかし、ebayには一つだけ誰も気づいていなかった根本的で致命的な認識の過ちがありまして、その過ちが馬雲に突きつけられました。

馬雲はeabyの中国進出についてこうコメントしました。”ebayは(今の)中国の電子商市場を買おうとしてた。我々は(新たに)中国の電子商市場を作り上げましょう”。わかりやすく解釈すると、馬雲から見ると、当時の中国のEC市場は海に浮かぶ巨大な氷山みたいに、ebayは水面上に見えた塊を買って独占して利益を獲得しようとしてたが、馬雲が狙っていたのは水面下にある未開拓の何倍でもでかい巨大な塊です。

eachnetは設立当初ebayを参考して、中古品の取引をメインとしてスタートしました。数年間にものすごく成長したものの、完全なC2C特に中古品の取引はECの中にニッチな分野であることを否定できない。またebayはユーザ体験を向上させるため、取引の成功率の向上を目指して、売買双方に一定のハードルや"通過コスト"を設けました。登録時の身分確認、商品を載せる時にリスティング料や取引成功時の手数料の徴収により、”良質”なユーザを絞って取引を参加させて、いい体験をユーザに与えたと同時に、ebay自身も収益を得られるというロジックを用いられています。

一見で全く問題がない考え方だが、馬雲はこれを全面否定するような感じで真逆な路線を取りました。淘宝は”誰でも淘宝で店のオーナーになれて、誰でも淘宝で宝を買える。”というスローガンを打ち出して、ユーザが淘宝で出店するのも、商品を買うのも、ハードルを最低限まで下げました。そして商品の登録から取引成功するまで完全無料にしました。さらに、アリババのB2Bの事業で蓄積した工場、メーカーのクライアントを淘宝へ出店させることを働きかけました。全ての施策の狙いは一つだけ、できるだけ早いスピードで利用者数、商品数を増やすことです。当然淘宝も取引の成功率などユーザ体験にとって重要な指標を重視しないわけがなく、ハードルを取っ払って誰でも利用できるようにして、旺旺とアリペイなどの補助ツールを提供して、ユーザがサービスを使ううちに自然に成長させる方針にしました。そのやり方はインターネット上でいろいろ新しいことをチャレンジし始めるユーザが爆発的に増える時代背景と淘宝の既定の戦略ととても合致しています。

真逆の路線を取った両者の戦い、すぐに勝敗の行き先が見えて来ました。淘宝が設立した当初、全くebayの眼中になかったが、たった1年で両者が持つシェアはもう同等になりました。

淘宝が凄まじいスピードでシェアを拡大しているうちに、ebayはまだのんびりしています。ちょうどその頃ebay中国のトップがメディアの取材を受けて、”ebayが有料化できるのは競争相手より優れているから”と今から見るとバカみたいな自慢話をしました。

もちろんebayが余裕を持っている理由はなくもないです。ebayの立場から見ると、淘宝の成長ぶりは恐ろしいものだが、ebayも止まってなく、ユーザ数も取引数も伸びています。淘宝は馬雲が言った通り、最初にebayからユーザを奪うことを意識していなく、新しいユーザの開拓に専念してました。

しかし、淘宝がより多いユーザに認められ、シェアがどんどん拡大して来て、ebayに出店した利用者が動揺し始めました。ebayでできることは淘宝で全部できる、機能面もユーザ数も淘宝の方が勝っている、しかも完全無料で利用できる。もはやebayにこだわる理由はないです。徐々にebayから離れて淘宝で出店するユーザが増えてきました。

敗北の危機を感じてきたebayが焦り始めた。しかしグローバルで事業展開していたebayは中国市場だけで既定のビジネスモデルを覆すのが非現実だし、タイミング的にももう既に手遅れ感がある。手詰まりを感じたebayさらに1億ドルの追加投資して、広告予算に大金を注ぎ込んでましたが、他いろいろと試行錯誤をして(例えばサーバをアメリカに移行しったり、中途半端にpaypalを導入したり)、改善のところか、改悪を連発しました。一連の騒ぎで利用者の不満が噴出して、ebay離れが更に加速しました。2005年、ebayと淘宝それぞれ持つシェアが逆転されて、さらに1年を経ちましてebayは中国の事業を他社に譲って中国から撤退しました。

5.最後まで笑った淘宝

淘宝が設立してからの2年間、ebayは真ともな対抗が見せられず、あっさりと負けてしまいました。確かに淘宝はいろんなところでebayより優れていましたが、一番決定的な要因はやはり無料であると思います。馬雲の言動から見ると、無料の施策は単なるebayと戦うための対抗処置ではなく、中国電子商市場の当時の現状を深く理解した上で戦略上の考えでした。

黎明期が終わって、爆発的急成長するフェーズに転換しようとする瀬戸際であることを認識した馬雲は巨額な赤字を出しても惜しむことなく最も早いスピードで最も大きいシェアを占めるこを淘宝の最優先事項としました。13億人のEC市場を一人占めする野心とその目標に向けう徹底ぶりが淘宝に勝利をもたらしました。その反面にebayが早々に市場の導入期から参入し、市場の育成に多大に貢献しましたが、些細な成功で長期的なビジョンを見失い、性急な有料化で未熟な果実を摘もうとした。そして淘宝が現れた後に経路依存症に囚われ、優柔不断で有効な対抗措置を打てずに惨敗してしまいました。

敗退後ebayのCEOメグ・ホイットマンがその戦いについてこうコメントしました。「事実上、我々は日本と中国二つ大事な市場で失敗したのは、戦略から間違ってた。でも正直、当時はそんなに明白なことではなかった。馬雲はとても力が強く、彼が作った体系も非常時強力的だったー淘宝はある意味ebayとamazonとpaypalの複合体見たいなもの、とても素晴らしい仕事をしました。」

当然ですが、淘宝にとって完全無料の施策の代償もとても大きい、サイトの運営のコストはもちろん、取引する時の手数料すら淘宝が負担しています。アリペイの導入により、取引は爆発的に増えて、資金不足の問題がすぐに表面化してきました。2004年2月、ソフトバンクがアリババへ2回目で6000万ドルの追加投資を行いまして、他のVC/PEと合わせて8200万ドルの資金調達をしました。ソフトバンクはこれで暫くアリババの最大の株主となり、この8000万ドルの投資が孫さんにとって最も成功する投資となる。しかし淘宝はそれからロケットに乗ったように、利用者数の増加スピードと資金燃焼のスピード、どちらも宇宙速度になって、アリババはそれから10数年間に間繰り返して巨額の資金調達に追われてしまいます。

Part1 (完)

後書きと予告

長文をお読みになり、ありがとうございます。そしてお疲れさまでした。
日本語でこんな長い文章を書くのが初めてで、誤字脱字や不自然な表現がたくさんある思います。読むのに苦しんでいる方に申し訳ありません。

日本語の問題に大目にしていただいて、内容的に良かったら、フォローやいいね、SNSシェアをしていただけたら、大変嬉しいです。もっともっと良質な記事を投稿したくなると思います。

アリババとアントフィナンシャルのストーリはまだ始めたばっかりです。全部でこのPart 1の4、5倍ボリュウムの内容を書く予定です。仕事の忙しい具合によりますが、大体2~3週間で1パートのスピード感で更新していきたいと思います。お楽しみにしていただければ幸いです。

続き:Part2はこちら




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