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【AIと戦略】シミュレーション&クラウド&エッジを使いこなせ!自動的にAIを賢く!『予測マシンの世紀 第四部』#19

こんにちは。シンラボ共同代表の草場です。

AIとの共同に関して、『予測マシンの世紀 AIが駆動する新たな経済』をまとめていきます。推理小説のようで、ドキドキワクワクです。

目次
はじめに―機械知能
安さはすべてを変化させる
第1部 予測
第2部 意思決定
第3部 ツール
第4部 戦略
 第十五章 経営層にとってのAI
 第十六章 AIがあなたのビジネスを変容させるとき
 第十七章 あなたの学習戦略
第5部 社会(AIと人類の未来) 

いよいよ第四部、戦略です。どう戦略に組み込むか、一番大事な部分です。先日の記事は以下。

■あなたの学習戦略
昨日は、トレードオフを見抜き、処理する力が今後大切なことを見ました。

機械学習を活用しようとする企業が業種を問わず増えれば増えるほど、このトレードオフをどう処理するかという戦略が重要になってくる。

このトレードオフを和らげる方法があります。シミュレーションです。

このトレードオフを和らげるための一つの方法が、シミュレーション環境の活用だ。人間のパイロットは、訓練の際、実際に飛行機を操縦する前に、非常に高度でリアルなシミュレーターに何百時間も滞在する。同様のアプローチがAIにもある。グーグルは、DeepMind社のAlphaGo AIを、人間同士の何千もの対局を見るだけでなく、別のバージョンの自分と対戦することで、世界最高の囲碁プレーヤーに勝てるように訓練した。

これこそAIの強みなのではないかと思っています。シミュレーションで自らデータを生成し、自ら学習できる。注目は、皆さんご存じGAN(敵対的生成ネットワーク)です。

本では、敵対的機械学習と表現されています。

敵対的機械学習とは、主役のAIとその目的を阻止しようとする別のAIを対峙させる手法だ。例えば、Googleの研究者は、あるAIに暗号化プロセスを用いてメッセージを送信させた。2つのAIは、メッセージの暗号化と復号化の鍵を共有。第3のAI(敵対者)は、メッセージは持っているが鍵は持っていないので、メッセージを解読しようとする。何度もシミュレーションを重ねることで、敵対者は主要なAIに、鍵がないと解読しにくい方法で通信するように訓練した。

暗号生成は以下の記事です。これがもう5年前か。。。

このシミュレーションはAIの強みで、人間にはなかなかできません。メリット、デメリットは何でしょうか?

新しい機械学習アルゴリズムを作成し、それをコピーしてユーザーに送り出す、実験室のようなアプローチが必要だ。メリットは、マシンが自然の中で訓練されていないため、ユーザーエクスペリエンスやユーザー自身へのリスクが軽減されることだ。デメリットは、シミュレーションでは十分なフィードバックが得られない可能性があることで、AIを早期にリリースする必要性は減るが、なくなるわけではない。
最終的には、AIを現実の世界に解き放つ必要がある。

シミュレーション上で自動運転検証すれば人命リスクもないですね。どちらにしろ、現実世界でのフィードバックは必要です。そのためシミュレーション活用して予測マシンを早く作成し、現実世界ですぐに使う、その後にそのデータをもとにシミュレーション、の繰り返しで精度の良い予測マシンを作れるかなと思います。
楽しみだ。

現実世界での学習がAIを向上させる。企業は、予測マシンが経験する現実世界の結果を利用して、次回の予測を改善することが出来る。多くの場合、企業は現実世界でデータを収集し、それによって予測マシンを洗練させてから、更新された予測モデルを出す。

今のトレンドは、この現場からのフィードバックデータがクラウドに自動でアップデートされることです。

テスラの場合、データがコンピューティングクラウドに上げられる。テスラはそのデータを集計し、オートパイロットのアップグレードに利用する。その後、新しいバージョンのオートパイロットをリリースする。学習はクラウド上で行われる。

クラウドで学習を進めるアプローチは、ユーザーが最新バージョンにアクセスしやすいというメリットがあります。しかし、デメリット?があります。クラウドにデータがある程度たまった時点で学習して新しいAIを出す流れだと、急速に変化する地域の状況を考慮することが出来ません。そのため、ユーザーの立場からすると、改善点は飛び飛びになります

これに対して、デバイス上で学習するAIというのがあります。エッジAIというやつです。

もしAIがデバイス上で学習し、その環境下で向上していくとしたらどうだろう?そうすれば、その場の状況に応じた対応が可能になり、さまざまな環境に合わせて最適化することが出来る。変化の激しい環境では、デバイス自体の予測マシンを向上させることが有効だ。

その場でどんどん学習して賢くなるAIですね。

例えば、Tinder(デートアプリ)では、ユーザーは多くの決断を素早く下す。これがすぐに予測に反映され、次にどのようなデート候補を見せるかを決めることが出来る。嗜好はユーザーごとに異なり、1年の間にも時間帯によっても変化する。
人々が似ていて安定した好みを持っている範囲では、クラウドに送信して更新することでうまく行く。
しかし、個人の好みが特異で急激に変化するような場合には、デバイスレベルで予測を調整する機能が有効だ。

自分の好みがデバイスにすぐに反映されるの、いいですね。

クラウドにするかデバイス上の学習にするか、これもトレードオフです。

企業は、予測マシンの実世界での経験をどれだけ早く利用して新しい予測を生成するかをトレードオフしなければならない。その経験をすぐに使用すれば、AIは現地の状況の変化に素早く適応しますが、品質保証が犠牲になる。

エッジAI、作ってみます。

草場壽一
https://sinlab.future-tech-association.org/

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