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【オライリー氏からの助言】ようこそ21世紀へ#3 ジャレド・ダイアモンド氏から

こんにちは。シンラボ共同代表の草場です。
オライリー氏のレポート、『Welcome to the 21st century』をまとめています。

・概要
・二度と戻ってこないものは何か
・今、完全に予想外のことが起こるかもしれない?
・未来からのニュース
・堅牢な戦略の展開
・堅牢ではないもの

現在の状況が20世紀の危機的な状況に似ていることから、今が21世紀を決める変曲点である、とオライリー氏は主張しています。

今回は概要の残りの部分をまとめます。

銃・病原菌・鉄』などの著書のあるジャレド・ダイアモンド氏は、大きく分岐する2つの可能性のある未来について、挑発的な考えを披露してくれた。
”現在起こっていることに対する私の最良のシナリオは、今後半年以内にCOVID危機にうまく対処すると仮定した場合、COVID危機は世界中の人々が共通の問題を認識し、団結して対処するためのモデルになるだろうということです。
最良のシナリオは、COVIDを倒したことで、私たちは気候変動を倒すことに挑戦し、それに成功することです。
最悪の場合、各国が次々と対処しようとすることです。
すでにワクチンの生産競争の話が出ていますが、ワクチンを持っている国がワクチンを世界中にばら撒くのではなく、自分たちが有利になるようにワクチンを利用するということです。
この危機に対応するための選択は、結果を大きく変える可能性があります。”

銃・病原菌・鉄』、とても有名です。「アメリカ大陸の先住民はなぜ、旧大陸の住民に征服されたのか。なぜ、その逆は起こらなかったのか。現在の世界に広がる富とパワーの「地域格差」を生み出したものとは。」を議論しており、非常に広い見地から議論が展開されています。
ジャレド・ダイアモンド氏から見ても、この感染症の状況にどのように対応するかが今後の未来がを決めることを主張されています。そして、全世界での連携がポイントとなりそうです。

では、どのような観点でこの変曲点に対応するか?オライリー氏は以下の主張をされています。

難しい選択を迫られてる。それらの選択は、不確実性の高い未来を念頭に置いて行われなければならない。
もはや、予測可能な消費者需要、グローバル化、オフィスでの生活や出張、人材へのアクセス、信用、ベンチャー企業の資金調達など、従来のベースラインに基づいて戦略を立てることはできない。

では指針はあるか?ドナルド-ラムズフェルド前国防長官の有名な金言が引用されています。訳が難しいので、英語も載せます。

There are known knowns; there are things we know we know.
(既知の既知がある;我々が知っていると知っている事象です。)
We also know there are known unknowns; that is to say we know there are some things we do not know.
(既知の未知もあります;つまり、我々が知らないことがある、と我々が知っている、ということです。)
But there are also unknown unknowns—the ones we don’t know we don’t know.
(しかし、未知の未知もあります;我々が知らないことを我々がしらない、というものです)

この金言は、他でも見たことがあり、理解しておくことが必要です。
オライリー氏はここに一つ、「無視された未知」を追加しています。そしてそれに対応できる方法が、シナリオ・プランニングです。

今回の感染症の危機は、おそらく最悪なのは「無視された未知のもの」であることを思い起こさせてくれる。幸いなことに、このような不確実性に正確に対処するために設計されたシナリオ・プランニングという戦略的規律がある。
シナリオ・プランニングは、人間が未来を現在とは根本的に異なるものとして想像することが難しいことを前提としている。その結果、シナリオ・プランニングの実践者は、何が起こるかを予測するのではなく、何が起こるかを考えようとする心のストレッチを行うのである。この技法の創始者の一人であるピーター・シュワルツは、彼の著書『The Art of the Long View』の紹介文の中で、シナリオは "未来への想像力の飛躍のための乗り物"と書いている。

シナリオ・プランニングの方法を学ぶには以下がおススメです。

How To Build Scenarios」 by Lawrence Wilkinson
WTF?: What's the Future and Why It's Up to Us』 by by Tim O'Reilly 

シナリオ・プランニングで得られるものは、以下です。

あなたが得られる重要な収穫は、確実性の探求から受容的想像力を分離することによって、それはあなたがどのように反応するかもしれないかを想像するために、未知の未来の多種多様な準備をすることが可能であり、可能な結果の範囲にわたって持ちこたえる計画を作ることができるということであるべきである。

「確実性の探求から受容的想像力を分離」、「未知の未来の多種多様な準備をすることが可能」、「可能な結果の範囲にわたって持ちこたえる計画を作ることができる」。

シナリオ・プランニングに関しては時間を取って勉強する価値がありそうです。

明日は、「二度と戻ってこないものは何か」です。

草場壽一
https://sinlab.future-tech-association.org/


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